国内3キャリアのLTEについての考察

今日ヨドバシ博多に行ってiPhone 5をおさわりしてきました。
私にとってiPhoneは「もう電話としては終わっている端末」なので、まぁどうでもいいのですが、やはりiPhone 4Sに比べ薄く、軽くなっているのがいいですね。
iPhone 4Sは手持ちのAndroid端末に比べサイズの割に重い(その分重厚感はありますが)のが不満なので、そういう意味では魅力的、と思いました。
とは言え上記の通り私にとってのiOS端末はiPhoneである必要はなく、iPod Touchで十分なので、今後iPhoneを買うことは恐らくないのでどうでもいいのですが。


それよりも私が気になっているのが「2100MHzバンド利用のLTEサービスが複数のキャリアによって提供されるようになったことで、それらが各キャリアの端末でどのように認識されるのか」ということ。
というわけでauSoftBankiPhone 5提供キャリアだけではなく、元から2100MHzバンド利用のLTEサービスを提供していたドコモを含めていろいろ試してみました。
ちなみにテストした場所は博多駅バスターミナルビル内にある各キャリアショップ(イーモバイル以外の全社が揃っているので、こういった比較がやりやすい)となります。


まずはSoftBankiPhone 5
接続先キャリアの選択を手動にし、ネットワーク検索をすると…

このように2100MHzバンド(LTE Band 1)利用の3社だけでなく、1800MHzバンド(LTE Band 3)を利用するイーモバイルのネットワークも検出しています。
それにしてもauのみならずイーモバイルLTE電波も検出しているにもかかわらず、SoftBankLTEを掴まず「3G」表示なのが「さすがSoftBankクオリティー」と思わずにはいられません。
博多駅でこのザマ、となるとSoftBankLTE利用可能エリアは現状では相当狭いと思われます。
何しろHPで公開されているエリアマップはSoftBank 4G(TD-LTE)の時と同様未来(10月末)のもの、というインチキマップですし。
ちなみにLTEをOFFにすると…

auイーモバイルを掴まなくなり、ドコモとSoftBankのみになります。


次はauiPhone 5
SoftBank同様接続先キャリアの選択を手動にし、ネットワーク検索をしようとすると…

このように「ネットワークリストを読み込めません」というエラーメッセージが出てネットワーク検索ができません。
恐らく4G/3Gの利用方式の組み合わせがLTE/W-CDMASoftBankに対し、LTE/CDMA2000のauという違い(そもそもハードウェア自体が異なりますし)が原因であると思われます。


最後にドコモ。
端末はたまたまSIMが挿してある実機があったGalaxy S III(SC-06D)で試しました。
本当はネットワークモードを「LTE Only」にできるXperia GX/SXで試したかったのですが…。

auLTE電波が飛んでいるにもかかわらず、それを検出できません。
しかもドコモのLTE電波も飛んでいるのに、なぜか「3G」になっているのも解せません(SoftBankLTE圏外なので、「3G」表示で正常)。
これから考えると、ドコモのXi端末にはドコモ以外のLTEネットワークを検出しない何らかの仕掛けがあると思われます。
やっぱりXperia GX/SXで試したかったところです。


そして前のエントリに書いた「au/SoftBankLTE契約SIMをSIMロック解除済のドコモXi端末に挿すと挿したSIMのキャリアのLTEサービスを利用できるのか」についてですが、PocketGamesによると「SIMロック解除済Xi対応端末(Galaxy S III)にau LTE SIMを挿しても認識されない」とのこと。
そしてauのレベル2SIMロックなしCDMA2000端末に挿しても認識されないそうです。


au iPhone5 の nanoSIM を他のデバイスに入れてみた


そしてSIMロックフリーiPhone 5にSIMカッターでカットしたドコモXi契約のSIMを挿すと3Gは利用できるが、LTEは利用できない(LTEをON/OFFする設定項目が消える)とのこと。


iPhone5はドコモのSIMで利用可能であることが判明 ただしLTE不可 – すまほん!!


そういったことを踏まえて考えると日本国内キャリアのLTEネットワークは現状では周波数バンド的に対応しているSIMロックフリー端末であっても自由に利用できず、利用したいキャリアが販売する端末が必要、ということになります。
つまりLTE2100MHz(Band 1)対応の海外版LTE端末を入手してもLTEサービスを利用できないわけですから、現状ではまだそういった端末に手を出すのは時期尚早だと思います。
とは言えiPhone 5や「SIMロックを解除したキャリア版の端末」ではなく「iPhone 5以外の純粋なSIMロックフリー端末」であれば日本国内キャリアのLTEサービスを利用できるかも知れませんが…
LTEに関しては世界的にもまだ利用が始まったばかりの通信規格ですから、今後に期待しましょう。


au版のiPhone 5テザリングができる、ということで、それも試してきました。

Galaxy Note GT-N7000をiPhone 5WiFiテザリングでネット接続し、Speedtest.netを実行したところ。
下り13Mbps程、上り6Mbps程の通信速度を記録しました。

その時のスクリーンショット

比較のためにドコモFOMA回線(IIJmio SIM)でスピードテストを行なった時の結果。
3Gとしてはそれ程遅くはない(HSUPA対応エリア内ですし)のですが、やはりLTEを体感した後だとかなり遅く感じますから、早急にLTEを導入したくなります。


最後に今更なネタですが、iPhone 5の地図アプリのひどさも体感してきました。
これまでのGoogle Mapsベースではなく、Apple独自マップを採用したiOS6標準の地図アプリはその地図の不正確さ、情報の少なさから世界中で不評であることはTVニュースでも報道されたぐらいですからご存じかと思いますが、その評価通りの地図でした。

「ヤフードーム」を検索すると、そこには何もない(ついでに言うとホークスタウンモールもないぞ)。
禿社長が「俺の球団が本拠地としている球場なのに、なぜ地図上にないんだ!!」とか言って怒り出しそうな地図です。

西鉄天神大牟田線薬院駅周辺を表示してみると、なぜか「西鉄名店街駅」が出現(でも「パチンコガンダム駅」には勝てんな)。
それ以外にも鉄道駅に関してはなぜか「てんじん」などひらがな表記になっているところが多いのが謎です。
そして全体的に情報が少ないにもかかわらず、なぜか飲食店の情報だけが異常に充実しているのも解せません。
上の「西鉄名店街駅」周辺の地図を見ても、レストランマークがたくさん表示されていることからもそれが窺えます。
西鉄名店街駅」で地図を検索するとどうなるか、そして「西鉄薬院駅」だとどうか(「薬院駅」だけだと地下鉄の駅とごっちゃになる)を試すのを忘れたので、明日にでも天神ビックか林檎店に寄って試してくるかな。