先日ダイソーでフルワイヤレスイヤホンが1100円で売られているのを見つけたので購入してみました。
実は事前にTwitterで情報を得ていたのですが…
実は当初これについて「100円(税別)ショップで買えるモバイルグッズ」シリーズのエントリとしてまとめようと思っていたのですが、その後食料品の買い出しに行ったディスカウントショップでそれよりも安い998円の(よく見かけるAirPodsのパチもんではない)フルワイヤレスイヤホンを発見してしまいました。
そこでパッケージを見てみるとAACコーデック対応と書かれており、信越放送、もといSBCのみの対応であるダイソーのそれよりも高性能のよう。
というわけでこれまたお買い上げ。
というわけで当初の予定を変更しこの2つの激安フルワイヤレスイヤホンを比較してみることにしました。
リファレンスとして加えた去年末ブックオフで見つけ購入した(1500円程だった)ジャンク品のAnker製フルワイヤレスイヤホンZolo Liberty Z2000(画像左)、HiDiscフルワイヤレスイヤホン(画像中)、ダイソーフルワイヤレスイヤホン(画像右)。
そして音楽再生ソースとしてはOnePlus 5T、Powerampを使いました。
・音質
ダイソーのものはパッケージに「迫力の重低音」と書かれている通り低音は出ますが、ブヨブヨとして締まりがなく、中高音はモコモコボンヤリとした音でイマイチ。
値段相応という感じがします。
まぁイコライザーで補正すれば何とかなるレベルですが…
そしてHiDiscのものは奥に引っ込んだような感じの音の出方をしますし、全域に渡って音がこもっていてこれまたイマイチ。
これまた値段相応な音ですが、イコライザーで補正しても奥に引っ込んだような感じが解消しない分ダイソーよりも劣ると感じます。
しかしそれよりも問題なのがパッケージに「AACコーデック対応」と書いてあるにも関わらずAACで接続できず、SBCでの接続になってしまうこと。
高音質コーデック(AAC、aptXなど)に対応したBluetoothオーディオデバイスとペアリングすると使用目的に「HDオーディオ:AAC」といった項目が出てきますが、実際にはそれが出てこない、つまりSBCで接続されているという事になります。
AQUOS sense3ともペアリングしてみましたが、やはりAACで接続できず。
つまりパッケージ、説明書のスペックシートの記載が間違えている、つまり虚偽表示という事になりますが、もしかするとAACで接続できるのはiOS端末だけ、という可能性もありそうです。
利用される高音質コーデックはiOSだとAAC、AndroidだとaptX系が一般的というイメージがありますし。
一方リファレンスのAnkerは低音が薄く、パンチが弱い感じがするものの音はクリアで明瞭、ちゃんとAACで接続できるとさすがは定評のあるメーカーの製品、といった感じの音がしてやはり安物とは違います。
・接続安定性
接続している端末を置いたまま音楽を流しながら自宅内、ベランダを歩き回ってみましたが、接続が途切れて音が飛ぶといったことはなくどれも問題なし。
・付け心地
いずれも(私の耳には)しっかりフィットし、頭を激しく振ってもズリ落ちてくるようなことはなくこれまた問題なし。
・使い勝手など
ダイソー、HiDiscいずれも左右どちらも片耳用として動作します。
Ankerは右側しか片耳使用できない事を考えるとこの点では優れています。
しかしHiDiscのそれは片耳使用した後ケースに戻しても自動で接続/電源が切れず、ケースに戻す前に手動で電源OFFしないといけないのが面倒。
そしてダイソーのいいところはヘッドホンの充電状態が外から分かること。
ヘッドホンが充電中だとこのようにケースの充電ポート近くにあるLEDが青く点灯して知らせてくれます(ケースを充電中は赤く点灯)。
逆にケースのバッテリー残量インジケーターの類がなく(HiDiscのものにはある)、ケースのバッテリー残量が分かりづらいという欠点が。
ケースのバッテリー残量が少なくなると上記のLEDが赤点滅したりするのかも知れませんが、説明書に記載なし…
余談ですが充電ポートはいずれもmicroUSB。
今時Type-Cではないのが、と思ってしまいますが、やはりコスト的に厳しいんですかね。
端末側でのバッテリー残量表示はダイソー、HiDiscいずれも対応。
まぁこれに関しては今時対応しないバッテリー駆動のBluetoothオーディオ機器の方が少ないですが…
そしてダイソー、HiDiscいずれもイヤーピースは一般のカナル型イヤホンに使われるサイズのものを交換用として利用できます。
ただし直径が大きいものは充電ケースにきちんと収まらず、充電ができない可能性がありますが…
それに対しAnkerは高さが少し低い特殊なタイプのものが必要で、交換用イヤーピースの入手に少々難があるのが欠点。
あとバッテリーの持ちが気になるかも知れませんが、今回それを確認できる程の時間使っていないので判断できないためこれについては割愛。
・まとめ
ダイソーのものは音質は価格相応、単刀直入に言うとイマイチですが、接続が切れたりといったことはないし、使い勝手も悪くないのでこの値段ならまぁ許せるレベル。
しかしHiDiscのものはAAC対応とパッケージや説明書に書かれているのに実際は非対応という虚偽スペック製品である時点で失格。
その上音質もダイソーのものに劣るといいところがまるでなく、買って損した、としか言いようがない代物。
そのせいでしょうか翌週同じディスカウントショップを訪れるとまだ売られていました。
それに対しダイソーのものはその後訪れた店舗いずれでも売り切れたのか店頭になく、市場での評価はそれ程悪くないという事が分かります。
単にフルワイヤレスイヤホンを試してみる目的であればリーズナブルで丁度いいとも言えますからね。
今回2機種の激安フルワイヤレスイヤホンを買ってみて分かったのは「1000円程の予算でまともな音質のフルワイヤレスイヤホンを入手するのは不可能」という事。
まぁ最初から予想できたことではありますが…
左右ケーブル接続タイプのBluetoothイヤホンであれば同じぐらいの予算でAAC/aptX/aptX HD対応で、ちゃんとした音質のものが手に入ったりしますが、さすがにフルワイヤレスだと厳しいですね。
2000円でも無理なのではないでしょうか。
結局のところ「予算を積んでもっといいものを買え」というオチになりますが、いい勉強にはなりました。
というわけでもう少しいいフルワイヤレスイヤホンが欲しくなったのですが、それ程使用頻度が高いわけでもないし、先立つ物もないので購入の優先度は低め…