バターの話は続く

昨日は最近品薄のバターをようやく手に入れた、というエントリを書きましたが、それで思い出したのが日本では
バターに関するおかしなことがいろいろある、ということ。
というわけでバターに関するネタで今日も引っ張ります。


昨今の物価上昇でにわかに注目を浴びているスーパーなどが独自開発した商品、いわゆるプライベートブランド(PB)。
まぁ10年以上前からPB商品を積極的に使っている私からすると何を今更、という感じがしますが、このPB商品、もの
によってはメーカー品(いわゆるナショナルブランド、NB)の半額以下、というものも多い。
しかしバターはそうではない。
PBとNBのバターの値段を比較するとせいぜい2、30円程度の差しかなく、ほとんど変わらない。
これだとPBの意味がない。
そしてそれ以上に驚くのが以前私が知人から聞いた話。
業務用のバターを何十Kgという単位で大量仕入れしても、単価としてはスーパーなどで売られている一般向けのバター
とほとんど値段が変わらない、というのです。
下手するとスーパーの特売で買った方が安いんだとか。
バターに似たものとしてマーガリンがありますが、これは業務用を大量仕入れすると驚く程安くなるそうで、バター
とは対照的です。
このような商品は他にまずなく、どうしてこのような価格設定になっているのか不思議と言うしかない。
バター関連市場の異常さがよく分かります。


このような異常な市場となっているため、日本のバターの価格は驚く程高い。
バターの主要な輸出国でもあるオーストラリアではバター225gがPB品でA$1.00、NB品でA$2.00程の値段。
PB品だと日本の1/3以下の値段になります。
私がオーストラリア暮らしをしていた14年前は更に安くPB品がA$0.50、NB品がA$1.00程だったし、日本円も高かった
(現在のA$1=約102円に対しA$1=約70円)こともあり激安でした。
PB品だとたったの35円。
これを知ってしまうと日本でバターを買う気が失せます。
こういう事実があるからこそこれまで書いたような異常な市場を形成することによって価格を高く維持し、生産者の
利益を確保しよう、とするわけです。
しかしこのような行為は消費者の利益を著しく損ねることであり、許されざること。
無制限に輸入を認める、というのは国内生産者のこともあり問題でしょうが、今のような極度の品薄状態である時には
緊急輸入を認める、といった柔軟な対応はあっていいはずです。