本来先月下旬、1ヶ月程前に更新するつもりでいたのにあれこれやっていたらタイミングを逸してしまったので今更なのですが、選挙の話です。
毎回投票率が低い事が問題となる日本の選挙ですが、そんなの投票率が低くなる理由、システムがあるのだから当然の事だと私はずっと以前から思っています。
というわけで今回はそれについての話を。

先日の参院選、投票日を3連休の中日にするという投票率を下げるための小賢しいやり口があったにも関わらず投票率は前回よりもアップしましたが、それでも58.5%。
いつものように事前の世論調査で「必ず投票に行く/期日前投票済」と答えた人の割合よりも低くなりました。
日本の選挙の投票率が低くなる理由はというと…
(1)候補者/政党名記述式投票
日本の投票方式は候補者及び政党名を投票用紙に記述して投票する方式ですが、そんな事を未だにやってるのは世界広しと言えども日本だけ。
投票用紙に書かれた選択肢の中から自分が投票したい候補者/政党を選択し、それにチェックマークを付けるといった方法でもいいはずなのに、なぜそうしないのでしょうか。
そうなれば有権者はいちいち候補者/政党名を書く手間が省けますし、開票作業の効率化もできると一石二鳥なのですが。
このような利点があるのにそうしないのはわざと面倒な方法にして有権者を投票から遠ざけようとしているのではとしか思えません。
日本の識字率は統計上は100%、つまり日本には文字を読めない、書けない人はいない事になっているので候補者/政党名記述式でも問題ないと政府は思っているのでしょうが、それでも「文字を書くのが面倒、億劫」と思っている人はいますから、十分投票率を下げる要素になりますからね。
(2)投票所の指定
選挙の際に送られてくる投票券となるハガキには指定された投票所の情報が書かれていますが、なぜかそこに書かれた特定の投票所でしか投票できない。
自分の選挙区の中であればどの投票所でも投票できるようにするのが筋だと思うのですが。
特に参院選は選挙区が基本的に都道府県単位なので、こうなった時の利便性向上の恩恵が大きく、投票率を上げる要因となり得るのですが、そうなると困るから投票所縛りをかけ「遠出、旅行と投票が両立しにくい」ようにしているのではと穿った見方をしてしまいます。
そしてハガキで投票券を送ってくる方式も時代遅れ。
マイナンバーカードがあるのだからそれで有権者を確認、認証すれば済む話なのに、なぜそうしないのでしょうか。
(3)期日前投票所の少なさ
用事があって投票日当日に投票に行けない人のためにあるのが期日前投票制度ですが、そのための期日前投票所の数が少ない。
しかも通常の投票所同様期日前投票所にも縛りがあり、どの期日前投票所でも投票できるわけではないという罠も。
ですから期日前投票所の数を増やし、繁華街やショッピングモールといった場所にも設けて投票所縛りもなくし、投票機会を増やす必要があると思うのですが。
そうすれば買い物ついでに投票、といった事が可能になり、必然的に投票率が上がるのですから。
そして期日前投票所のほとんどは投票日には開いていない、というのも問題。
とは言え期日前投票所の数を増やしたり、開設時間を長くしたりしようとするとそのための人手と場所を確保する必要があるので難しい、という意見もあるでしょうが、それなら郵便投票やネット投票を導入すれば済むのですから、さっさとそうして欲しいものです。
(4)最初から結果が分かり切ってる1人区が大杉
衆議院は全ての選挙区、そして参院選は地方の多くの県が定数1の1人区。
そしてそのような選挙区にはその地域の大御所的な(主に自民党の)政治家がのさばっていて、投票する前から結果が分かり切ってる事が多い。
そんな「最初から勝負が見えてる」状況で有権者が投票したいと思えるわけがなく、当然投票率を下げる要因となります。
そう言えば選挙区毎の投票率って公表されているんだろうか。
衆議院福岡8区の投票率が知りたいのですが…
ですからどの選挙区も定数を複数にし、たとえそのような地域の大御所がトップ当選してもそれ以外の党の候補者が2番手、3番手を狙えるようにして「誰が勝つか分からない」状況を作る必要があるでしょう。
つまり選挙制度を抜本的に変えろ、というわけです。
衆議院の選挙制度が小選挙区制になったのは90年代前半、今から30年程前の事ですが、このタイミングで選挙制度を変えたのはちょうどその頃団塊Jr世代が参政権を持つ時期にあたり、人口の多い彼らが政治に関心を持ち、投票率が高くなると困ると権力側の連中が思ったのが理由ではないかと個人的には思っています。
小選挙区制という「勝者は一人で死に票が多くなる」制度にすれば必然的に選挙が盛り下がり、政治、選挙への関心が薄くなりますからね(そして実際にそうなった)。
団塊Jrの親世代、つまり団塊世代は若い頃に学生運動を起こしたりと政治への関心が高く厄介な世代ですから、その息子、娘世代までそうなってもらうと困ると権力側の連中が考えてもおかしくないですし。
(5)一票の格差ガーーと騒ぐ連中の存在
国政選挙が終わった後の恒例行事が「一票の格差ガーー」という裁判。

当然今回の参院選についても訴訟を起こされました。
国政選挙の度に毎回毎回そのような訴訟が起こされてうんざりするのですが、それに対応するために選挙区の区割りをいじるわけですが、その区割りの変更、各選挙区の有権者人口をなるべく公平になるようにして一票の格差を減らす事を最優先とし、地域のつながりといったものはガン無視して行われます。
そういう憂き目にあった地域の有権者からすれば「これまで支持してきた候補者とのつながりが切れた」とか「知らない候補者ばかりになり誰に投票すべきか分からなくなった」などと思うのは当然で、その結果投票しないという選択肢を取る有権者が増えても不思議ではありません。
毎回毎回鬱陶しいのでいっそのこと憲法を改正して根本原因を取り除いてくれと思っているのですが、「憲法9条を守れーー」とか言う平和ボケのアホがいるせいで…
(5)党首討論の類を(実質的に)やらない
党首同士が公開の場で議論を戦わせ、有権者に自党の考え方、政策を広く知ってもらうために行われるのが党首討論ですが、日本では一応記者クラブ主催の党首討論は行われるものの、平日の午後と一般の勤め人が視聴できるような時間帯ではなく、中継もNHKのみ。
しかも記者クラブ主催ですから党首に対して厳しい質問が浴びせられるような事もなく(そもそも質問内容は事前検閲されたものでしょうし)、はっきり言ってヌルい。
こんなの「(一応)党首討論をやりました」というアリバイ作りのためのものとしか思えない。
海外の選挙の際に行われる党首討論、候補者同士の討論は参加者同士がお互いの考え、主張をガンガンぶつけ合い、時に罵り合いになる事もある激しいものですし、会場にいる記者による質問も辛辣で厳しく、討論参加者がボロを出すのを手ぐすね引いて待っていたりします。
結局のところこんなにヌルい党首討論をコソコソやるのは有権者に自党や候補者がどのような政策、考え方を持っているかを知られたくない、そして失言といったボロを出すのを恐れているからなのは明らか。
ですから日本でも海外のような(記者クラブ主催ではない)ガチの党首討論を国民の多くが目にできる時間帯、例えば土日のゴールデンタイムに全ての地上波放送局が生中継、当然ネットでも同時配信、そして質疑応答にはネットやデータ放送を通じて視聴者も参加できるようにするといった事が必要でしょう。
とここまで長々と日本の選挙が盛り上がりに欠け、投票率が低くなる理由を書いてきましたが、要するに日本の選挙には
・投票を面倒なものだと感じさせる仕組み
・選挙や政治に関心を持たせない仕組み
が幾重にも重なっているからなわけですが、最も大きな理由が
こういった状況に疑問を持たない日本人
日本以外の国なら国民の中から「それはおかしい、変えるべきだ」という意見が出てきて、実際にそういう動きになるのですが、日本ではそういった事は全くと言っていい程なく、「そういうものなんだから仕方ない」と最初から諦めている。
不思議でなりません。
国民から「それはおかしい、変えるべきだ」といった意見が出てこなければ当然何も変わらないですからね。

それにしても衆院選に続き参院選でもボロ負けしたのにその責任を取らず首相の座に居座るゲル、もとい石破の支持率が参院選前よりも上がった事には驚き呆れます。
まともな民主主義国家なら「敗北の責任を取ってさっさと辞めろ」という意見が国民から挙がり、メディアも厳しくそのような行為を批判、その結果大規模な抗議活動が起こり最終的に辞任に追い込まれるものなのですが、日本ではなぜかそうならない。
それどころか逆に「石破辞めないで」と左巻きが(ショボい)デモをやる始末。
全く意味不明です。
こういう日本人の理不尽な事に対して疑問や怒りを抱かず、そういうものだと最初から諦め何もしない国民性が日本が長期経済低迷に陥り、経済成長できない国に成り下がってしまった大きな理由の一つでもあるのですが…
そして日本人の政治や社会の動きに対する無関心さ、権力に対する従順さが近い将来自分たちの首を絞める事になるのは確実なのですが、そうなってからあれこれ文句を言っても遅いのですがねぇ。