これまでRakuten MiniへのカスタムROM導入はそれ用のものがないため汎用のROMイメージ(GSI:Generic System Image)を焼くしかなく、汎用ROMのため起動できなかったり、起動しても動作が不安定だったり一部の機能が動作しないといった欠点がありましたが、ついにRakuten Mini用のカスタムROMが登場しました。実はROM作者のkailua氏と私はTwitter/Xで相互フォローで、それもありずっと開発の動向を追っていたのですが、途中文鎮化させてしまった事で開発中止の危機にも陥ったもののついに完成。
Rakuten MiniでAndroid 16を動かすにはカーネルの改変が必要だったそうで、その苦労は並大抵のものではなかったはずですが、それを成し遂げたkailua氏には本当頭が下がります。
というわけでこの時買ってその後Bootloader Unlock(BLU)しただけで放置していた赤のRakuten Mini(中期ロット)に入れてみる事に。

ROMの焼き方については上記kailua氏のnoteを参照、という事で割愛しますが、実際にやってみると一筋縄ではいかなかった。
まずはカスタムリカバリーの導入で躓きました。
fastbootからカスタムリカバリーを書き込んだ後リカバリーで再起動してもカスタムリカバリーが起動せず通常起動してしまい、本体側の操作でリカバリーを起動すると端末標準のリカバリー(ストックリカバリー)が起動してしまう。
つまりカスタムリカバリーがきちんと書き込まれていない。
作業に使うターミナルをコマンドプロンプトからPowerShellに変えてみたり、Android SDK Platform Toolsを更新してみたりといろいろやってみたもののダメで、ここで数日を費やす事に。
試行錯誤の末たどり着いた正解はカスタムリカバリーを焼いた後のリカバリーへの再起動をfastbootコマンド(fastboot reboot recovery)ではなく本体側の操作で行う事。
そうするとカスタムリカバリーで起動できるようになり、先に進む事ができました。
一度カスタムリカバリーで起動できるようにすればその後はfastbootコマンドからでもカスタムリカバリーを起動できるようになります。
次に躓いたのがroot化。
現在root化にはMagiskを使う方法以外にもKernelSUを使う方法などがありますが、ここは無難に手慣れたMagiskで、という事で一般的なMagiskによるroot化の方法であるboot.imgにパッチを当てる方法でやってみるとMagiskのインストールはうまくいき、Zygiskの有効化とLSposed(もといVector)の導入もうまくいくのですが、肝心のrootが取れていない。

なのでroot権限を必要とするアプリを起動するとこのように「root化されていない」というエラーメッセージが出てしまいます。
ROMを焼き直しboot.imgを作り直してみる、MagiskをTWRPからインストールする、ROMにvbmeta.imgが含まれているのでMagisk公式サイトのインストール方法の説明にオプションとして書かれているvbmeta.imgへのパッチ当てをするなど思いつく事は一通りやってみましたが、それでもrootが取れない(って言うか後者2つは失敗)。
結局Magiskのインストールをboot.imgへのパッチではなくカスタムリカバリーからadb sideloadコマンドを使いMagiskをFlashable ZIPとして書き込む方法でうまくいきました。

Magiskをカスタムリカバリーから書き込んだ後再起動、そしてMagiskを起動すると追加のセットアップを要求されるのでそれに従い「直接インストール」でMagiskをインストールすればOKです。
上記公式サイトにも書かれている通りMagiskをカスタムリカバリーを使い書き込む方法は今では旧式で、非推奨の方法となっていますが、以前Rakuten MiniにAndroid 14のGSI ROMを焼いた際にもMagiskをカスタムリカバリー(TWRP)からインストールしないとダメだったので、Magiskを使ってRakuten Miniをroot化する際はどんなROMであってもこの方法を使う必要がありそうです。
これ、KernelSUだとどうなるのかな…
このROMのベースはLineageOS。
GApps(Google関連ファイル/アプリ)はROMに含まれていないので必要な場合はROM焼きと同時にインストールする必要があります。
今回はGAppsを導入しましたが、用途的にGoogleアカウントでログインして使う予定はないので次にセットアップをやり直す際は代わりにmicroG(オープンソースのGApps代替)にしようかと思っているところ。
GoogleアカウントでログインしていないのにGoogle Playプロテクトなどは動作していて、何かと邪魔してきますし。
汎用(GSI)ROMではなくその端末専用に開発されたものなので動作しない機能は特になく、動作も安定。
Rakuten Mini白にインストールしているcrDroid GSI(Android 14)ではBluetoothやNFC、eSIMの管理といった機能が動作しませんし、安定性にも難がありますが、そういった事もなく普通に利用できます。
ディスプレイアスペクト比が16:9だからかXperia 10 IV(Android 14、アスペクト比21:9)で発生した古いアプリで画面下に空白ができてしまう不具合は出ません。

画面表示についてはこのように画面表示が欠けてしまい実用に支障が出るアプリもありますが、これはROMのせいではなくディスプレイサイズの問題でしょうね(ストックROM+Kyashアプリでも似た症状が出ましたし)。
とは言え交通系ICカードを残高チェックアプリで読ませるとシステムがクラッシュし、リカバリーで再起動してしまうといった事象が発生しましたが、これは使ったアプリが古い事が原因の可能性が高そう。

しかしexFATフォーマットのOTGストレージを認識できないのは変わらず。
専用ROMなので直ってるかな、と期待していたのですが、それでもダメとなると何かハードウェア的な原因がありそうです。
というわけでRakuten Mini白と同じ役割、つまりGPSロガー、ボイスレコーダーとして使うためのセットアップをして入れ替える事に。
そしてBluetoothが使えるので音楽プレイヤーとして使うのもいいかなと思うところ。

LDAC対応TWSをペアリングするとちゃんとそれが有効になりますし(aptXもOK)。
とは言えストレージ容量が32GB、microSD非対応なので大量の音楽ファイルを保存できないというのが欠点ですが…
それとeSIMを入れて使いたいなと思うようになりました。
eSIM関連の機能が動きますし、そしてこのRakuten Miniは3つあるロットの中で最も対応周波数バンドが多い中期ロットなので、それを生かさないのはもったいない。
povoのデータ専用eSIMは無料で契約できて維持コストも安い(「定期的に」やってるガチャを買えば100円/180日で維持できる)、そして以前はこれができず実質使い捨てだったeSIMの移行(挿し替え?)もできるようになりましたから、他端末で使い回す事もできるので入れようかと思っています。
あとバックカバーなどのアクセサリーも買いたいところ。
背面がツルツルで滑りやすい端末なので、本気で実利用するにはバックカバーは必須ですからね(現在は手持ちのものを流用:よってRakuten Mini白にはカバーなし)。
発売から6年が経つ端末なので当然実店舗での入手はほぼ不可能ですが、今でも密林や落胆、もといAmazonや楽天で(選択肢は少ないものの)手に入りますし。
ようやくRakuten Mini赤を実用できるようになった事でGPSロガー、ボイスレコーダーとしての役割を(一旦)解かれたRakuten Mini白はAndroid 15のGSIカスタムROMを試す用途に使おうと思っています。
kailua氏のnoteにある通りAndroid 16は動かないからですが、Android 14の時点で動かないROMが多数なので(Rakuten Miniでの動作率が高いNazim氏のROMもAndroid 14 QPR2ベースのものは動かなかったですし)、動くものが見つかるかどうか…
最後になりますがROM開発者のkailua氏には本当感謝しかありません。