福岡市営地下鉄のNFC Payフェアキャップ乗車を試す

今年7月福岡市営地下鉄NFC Payを利用した乗車時の運賃上限を640円/日にする、いわゆるフェアキャップ(fare cap)制を導入しました。

福岡市営地下鉄、タッチ決済で1日何回乗車しても上限640円の新サービス - Impress Watch
タッチ決済による地下鉄乗車の1日最大640円(新サービス)開始について | 福岡市地下鉄

 

1日何回乗っても運賃は640円で打ち止めになる、という事はつまりNFC Pay対応のカードを一日乗車券のように利用できるというわけで、お盆休みに試してみました。

利用したカードは今年7月にJR九州のNFC Pay乗車を試した際と同じソニー銀行デビットカード(VISA Contactless対応)の実カード。

注意すべき点はフェアキャップを適用するためには全ての乗車に同じカードを使う必要があり、実カードと同じカードに紐付いたGoogle Wallet(GPay)やApple Payに登録されたカードを混ぜて使ってしまうとフェアキャップが適用されないという事。

GPayやApple Payに登録されたカードは実カードとはカード番号が異なるバーチャルカードのため、別のカードと認識されるので当然ですが…

 

このサービス、地下鉄駅などでの告知の類が少なく、福岡市営地下鉄側からすればあまり知られたくないのでは思ってしまう程。

中洲川端駅で見かけた告知ポスター。

西新駅で見かけたデジタルサイネージ

紙とデジタルという違いはあれども内容は同じですが…

しかしこれを利用する明確なメリットがある橋本駅にこういった掲示がなかったのが不思議です。

橋本→天神南/博多の片道運賃は340円なので往復するだけで元が取れるのですが、だからこそこれについての掲示の類がないんだろうな、と穿った見方をしてしまいましたが、単に近隣住民は以前から一日乗車券を買っていたので特に告示しなくても分かっている人は普通に使うからなんでしょうね。

 

今回渡辺通→橋本→櫛田神社前/中洲川端福岡空港→西新→箱崎宮前→天神と乗車し、実運賃の合計は1800円になりましたが

デビットカードの利用履歴を見るとちゃんと640円で打ち止めになっています。

NFC Payによる公共交通機関への乗車の決済が成立するのは翌日朝である、という仕組みを上手く使ったサービスと言えそうです。

一日の積算運賃が640円を越えた時点でそれ以降の運賃加算を止め、640円で決済を確定する、という処理をすれば済む話ですからね。

 

福岡市営地下鉄がこのサービスを始めたのは今年7月に開催された世界水泳に絡んだインバウンド対応のためというのが表向きの理由ですが、個人的には一日乗車券についての利用者にとっては不便で、事業者としてはコストアップ要因となるある仕様を解消するため、という福岡市営地下鉄側の都合もあると思っています。

福岡市営地下鉄の一日乗車券は各駅の自動券売機で購入でき、これが一般的な購入法ですが、当日券しか購入できず支払いも現金のみというのが欠点。

そのためキャッシュレス決済で購入したい、事前購入しておきたいという場合は博多、天神、西新などにある定期券発売所で購入する必要があります。

この定期券発売所で購入できる一日乗車券、駅の自動券売機で購入できるものとは異なりテレホンカードのようなプラスチックカード。

左が定期券発売所で購入できるプラスチックカード、右が駅の自動券売機で購入できる紙の一日乗車券。

プラスチックカードだが何度も再利用される香港やシンガポールの地下鉄のきっぷとは異なり福岡市営地下鉄のプラスチックカード一日乗車券は使い捨てで、当然紙製よりもコストが高いですから事業者側からすれば発行枚数を減らしたい、と思うのは当然。

つまり利用者としてはNFC Pay対応カードをキャッシュレスの一日乗車券として利用できるためキャッシュレス決済で一日乗車券を購入するためにわざわざ定期券発売所に行く必要がなくなり(事前購入も不要になる)、福岡市営地下鉄としては高コストのプラスチックカード一日乗車券の発行枚数を減らせる(そしていずれ廃止できる)という利用者、事業者双方にメリットがある施策、というわけです。

裏事情はどうであれこれにより気軽に地下鉄であちこち回れる、というわけで今後はこのNFC Pay一日乗車券を積極的に利用していきたいと思っています。

 

最後に余談ですが福岡市営地下鉄も他のNFC Pay乗車サービスを提供している公共交通事業者同様Mastercardには非対応。

福岡空港、天神など一部の駅のホームドアには「AMEX Contactlessで地下鉄に乗れます」というAMEXの広告が出ていました。

Mastercard Contactless対応の住信SBIデビットカードをメイン使いしている私からすると怒りが湧いてくるような広告で、早くMastercardにも対応してくれよ、と思ったのは言うまでもありません。

そのMastercard Contactlessを使った公共交通機関への乗車、こちらのImpress Watchの記事によると「最短でも来年春、つまり来年度以降」との事で、まだ半年以上待たされるのかぁ、とがっかりさせられてしまいました。

もうしばらくJR/地下鉄に乗る際にはVISA Contactless対応カード/Google Walletを使う日々が続く事になりそうです。

mineoマイそくスーパーライトを新規契約

以前から契約しようと思っていたmineoマイそくスーパーライト(SoftBank回線)をようやく契約しました。

しかしこの後予期せぬ出来事が…

 

mineoマイそくスーパーライトについての過去エントリには「手持ちのUQ mobile回線をMNPしよう」と書いたのですが、その後の様々な状況の変化もあってその時のモバイル回線見直しプランは完全に白紙に(それについてはまた別途書くかも…)。

というわけで新規契約する事に。

すると翌日契約申し込みが却下された旨のメールが届きました。

端末を安価に購入する、より多くのポイントを獲得するといった目的でMNP転出する事を前提として回線を契約するいわゆる「MNP弾作り」と見なされたようで、申し込み却下ってクレジットカードみたいだな、と思ってしまいました(実は25年程前にクレカの審査落ちの経験もある…)。

つまりそれだけ事業者側が契約後即MNP転出という行為に神経を尖らせている事の証でもあり、そういった事情は理解できるので残念だとは思いましたが怒りが湧いてくる、といった事はありませんでした。

それならMNP転入するしかないかなぁ、と思っていたら契約手続き時に登録した携帯番号(番号公開用のIIJmio回線)に0120番号からの不在着信が。

その番号を電話番号検索サイトで調べてみるとmineoのもので、「申し込み却下をメールだけでなくわざわざ電話でも連絡してくるのか」と思ったのですが、その後同じ番号から再び電話があったので受けてみました。

すると「詳細については(我々にも分からないので)話せないが、申し込み内容に問題があるのでそれを修正すれば契約できる可能性がある」と言われました。

その問題点は料金支払い手段として登録したクレジットカードとの事で、「デビットカードを登録したわけでもないし(MVNOは基本的にデビットカードNG)、このカードは各種公共料金支払いに使っていてこれまで何の問題もなかったのになぜ」と思ってしまったのですが…

それなら、と再申し込み用リンクをメールで送ってもらい再度契約手続きをする事に。

料金支払い用のカードはもう一枚の実店舗利用用のそれを登録し、もしかしてこれも問題だった可能性が、と思ったので登録メールアドレスをGmailエイリアスアドレスからOutlookメールのそれに変更。

Gmailエイリアスアドレス(実アドレス+任意の文字列@gmail.com)は広く知れ渡ってしまったからか最近ではこのアドレスでの登録を拒否したり、登録できてもトラブルを起こすサービスが増えていますが、Outlookメールのエイリアスアドレスは全く別のアドレスを割り当てる仕組みなので(その代わりに作成できるエイリアスアドレス数に制限がある)そういった事はありませんからね。

すると翌日契約申し込みが受理された、というメールが。

そしてその翌日SIMが発送され、大阪からの発送だからか(福岡には)そのまた翌日に到着(実際に受け取ったのはその2日後でしたが…)。

中に入っているのはSIMとスターターガイドだけなのにムダにデカい箱で届く…

環境保護? SDGs? 何それ美味しいの? って事なんでしょうか。

そもそもSIMが入っているスリーブが意味もなくデカい。

箱の側面にこんな事が書いてあるのが大阪の企業らしい。

届いたSIMはSoftBankMVNO事業者向けに提供しているSoftBankロゴ入りMVNO用マルチカットSIM。
番号は080のもので、ゴロ合わせで覚えやすい番号が割り当てられていました。

mineoといえば以前お試し用のプリペイドデータSIMに090番号が割り当てられていたといった事があったのですが、良番を抑えていたりするんでしょうか。

このSIMをGalaxy Note3(SM-N9005)に挿した際最初3Gにつながったのですが、SoftBankはまだHSPA+やっていたのね…

もちろんこの後4Gにつながりました。

通信速度は32Kbpsに制限されているためこの通り。

ダウンロードは32Kbps(=0.032Mbps)を越えていますが測定誤差でしょう。

とは言えこの32Kbpsという通信速度、20年前主流だった(日本の)2G(PDC)の最大通信速度28.8Kbps(9.6Kbps*4)よりも高速なんだよな…

217円払えば速度制限を24時間解除できる(つまり使い放題になる)ので今度試してみようと思っています。

MVNOなのでたとえ速度制限を解除しても通信速度はそれ程出ないと思いますが…

 

そう言えばmineoは端末標準ダイヤラを使った従量通話料金が他のMVNOに比べ割高な22円/30秒(=MNOと同じ通話料金)で、オプション契約(無料)+専用アプリを使わないと通話料金が安くならない(11円/30秒)のが今時ではないなぁと思ってしまいます。

マイそくスーパーライトは音声通話利用向けを謳う料金プランなのに通話料金が高い、というのはいただけません。

今ではMVNOの従量通話料金は専用アプリやプリフィックスなしでも11円/30秒が相場で、MNOよりも安くなったのですが…

 

上に「今年3月に考えていたモバイル回線見直しプランを白紙にした」と書きましたが、今回のmineoマイそくスーパーライトSoftBank回線の新規契約は最近になって新たに浮上してきた回線見直しプランに基づいたもの。

次は手持ちのUQ mobile回線の見直し+αに着手する予定なのですが、それについては別途書く事にしようかと思っています。

MarinDeckの代替環境を作る

先日のTweetDeck改悪についてのエントリにも書きましたが、いずれ使えなくなってしまう可能性が高いMarinDeckの代替環境を作らないといけないのでその構築を行なう事に。

とは言ってもその方法は単純で

 

アドオン対応のAndroid向けブラウザにControl Panel for Twitterアドオンをインストールし、それで公式Web UIを利用する

 

というもの。

しかしChromeFirefoxといったメジャーなAndroid向けブラウザはアドオン非対応(Chrome)、もしくは対応が極めて限定されている(Firefox)ので、まずはアドオン対応のAndroid向けブラウザを探す必要があります。

Firefoxは68.11.0までであればアドオンにフル対応していますが、3年余り前のバージョンなのでセキュリティー的な観点から選択肢から外れるため除外。

というわけで選んだのがIceraven(Firefox系)とKiwi Browser(Chrome系)の2つのアドオン対応ブラウザ。

前者は本家Firefoxよりも多数のアドオンに対応し(しかしフル対応ではない)、後者はChromeのアドオンにフル対応していて、いずれにもControl Panel for Twitterをインストール可能。

というわけでこれらのブラウザをインストールし、Control Panel for Twitterもインストールしてセットアップ。

Control Panel for TwitterをインストールしたKiwi Browser(左)、Iceraven(右)でTwitter公式Web UIにアクセスしたところ。

PCブラウザ版同様Twitter公式アプリ及びWeb UIの使いづらい、ウザい仕様がなくなって使用感は悪くなく、これなら実用になりそう。

というわけでKiwi Browserを使いしばらく試してみることに。

左右スワイプでカラムを移動するだけでリストや通知を開く事ができるMarinDeckに対し、リストなどのページを別タブで開いておき、それを切り替える必要があるのが明確に使いづらいと感じるところですが、それ以外はさほど不満なく利用できますし、画面をスクロールしていくと画面の切り替わり部分でTL表示が下にジャンプしてしまうTweetDeckのウザい症状が出ないのでMarinDeckよりも快適にTLを追える、といったメリットも。

画像付きツイートもやりにくいなと感じますが、これはMarinDeckも仕様変更、つまり改悪のせいで公式Web UIを経由させられるようになったので同じかな、と思っています。

このあたりはAndroidの共有メニューから画像添付できる公式アプリ/サードパーティークライアントには敵わないところ。

そしてこれまたMarinDeck同様通知には非対応です。

データ使用量はMarinDeckとそれ程変わらず、許容範囲内ではあるのですが、消費データ量を減らすためTwitter Lite(軽量版Web UI)を使いたいと思ったもののいつの間にかなくなってしまったらしい。

調べると"mobile.twitter.com"でアクセスすればいいという情報が見つかりましたが、実際にやってみると通常版(twitter.com)にリダイレクトされてしまう…

あとホーム画面に直接Twitterを開くショートカットを作れないのも不便。

以前はFirefoxにこの機能があったのですが、いつの間にかこれまたなくなっている…

これについては別アプリを使うなどの方法で解決するしかないかな、と思っています。

上記のようにMarinDeckに比べ不便な点もありますが、これをMarinDeckの代替環境にする事にしました。

TwitterのXへのサービス名変更に伴い(新しい)TweetDeckが「XPro」なる名称に変更になったとの事ですし、最近PCで(古い)TweetDeckを使っていると「アクセスパーミッションがない」という警告が一瞬出たりするようになりましたから、TweetDeckの有料化も近そうなのでこれ以上悩んでいる時間はなさそうですし。

 

Iceravenを選ばなかったのは使用されるフォントに違和感があるのと(なぜかシステム標準フォントではなく強制的にNoto Sans系フォントが使われてしまう:Firefox系ブラウザ共通の不具合)、Firefox系ブラウザなのでTwitter専用ブラウザとしてではなくこれまでのメインブラウザFirefox 68.11.0を置き換えるブラウザとして使った方がいいなと思ったのが理由。

PCのメインブラウザがWaterfoxなので、Firefox Syncを使ってブックマークや履歴を共有して使いたいですし、Firefox 68.11.0を使い続けるのはセキュリティー上好ましくないですからね。

上記のフォント周りの問題も解決法が見つかりましたし。

とは言えFirefox 68.11.0と比べるとアドオン対応が貧弱なのがやはり気になります。

Firefox 68.11.0(左)、Iceraven(右)のインストールアドオンリスト。

最低限必要なアドオンは何とか揃いますが、個人的にはPaginationアドオン(複数ページに分割されている(読みづらい)サイトを一つにまとめてくれるアドオン。こちらの過去エントリも参照)が利用できないのが不満。

それならとPCで保存したXPIファイルをサイドロードしようとしたのですが、IceravenがXPIファイルを認識せず失敗。

Firefox 68.11.0では可能なのですが…

つまり対応アドオンリストに載っているアドオンのみがIceravenで使える、という事になります。

本家Firefoxもそうですが、なぜ他のブラウザ(端的に言うとChrome)との大きな差別化要因となるアドオン対応を貧弱にしてしまったのか謎ですし、こんなアホな事ばかりしているのがFirefoxのシェアが下がってしまった大きな原因の一つだろ、と言わざるを得ません。

今からでも遅くないのでFirefox 68.11.0同様のアドオン対応を復活させて欲しいものです。

NFC PayでJRの電車に乗る

7/12からJR九州NFC Pay(クレジットカード系タッチ決済)による乗車サービスの利用範囲が拡大し、鹿児島本線門司港/久留米間及び香椎線海の中道駅で利用できるようになりました。

 

JR九州、カードのタッチ決済乗車を50駅に拡大 - Impress Watch

導入当初は対応する駅が博多/香椎間の5駅のみだったため利用価値が低かったのですが、今回の利用範囲拡大によりようやく実用的になりました。

というわけで海の日に「JRでいつものところにお出かけ」した際に利用してみました。

とは言えNFC PayでJR九州の電車に乗るのは今回が初めてではないのですが…

博多駅構内にはNFC Pay乗車の利用範囲拡大についての掲示があちこちに。

NFC Payカードリーダー一体型の自動改札機が導入されていない新宮中央駅では有人改札に付けられたNFCカードリーダーにカード/スマホをタッチして改札を通過します。

新宮中央駅有人改札を入口側から見たところ。

なのでNFCカードリーダー一体型の自動改札機が設置されているのは主要駅だけなのか、と思ったら竹下駅の改札にはNFCカードリーダー一体型の自動改札機が。

新宮中央駅同様今回の利用範囲拡大によりNFC Pay対応になり、(基本的に)普通電車しか停車しない駅なのにこの違いは一体… と思ってしまいます。

ららぽーとの最寄り駅だから? と思ったのですが、新宮中央駅にはIKEAカインズホームがあるけどな…

 

今回のNFC Pay乗車に利用したカードはVISA Contactless対応のソニー銀行VISAデビットカード(Sony Bank Wallet)。

メイン使いしている住信SBIネット銀行デビットカードはMastercardブランド(Mastercard Contactless対応)なので使えず、KyashやRevolutはポイント還元がないのでこれを使う事にしました。

って言うかMastercard非対応なのはなぜなんだ…

 

行きは実カード、帰りはGoogle Wallet(GPay)で利用しましたが、いずれも問題なく自動改札を通過でき、反応速度も交通系IC(Felica)より微妙に遅いかな、と感じるものの違和感はなし。

しかし改札通過後にデビットカードの有効性確認通知が来ないのがKyashやRevolutといったブランドプリペイドカードとは違うところ。

ブランドプリペイドカードで改札通過後にアプリに来る有効性確認通知(左:Revolut、右:Kyash)。

って事はアプリが必要なのかな…

NFC Payで乗車した分の運賃は乗車日の翌朝6時頃に決済処理が行われ引き落とされます。

GPayで乗車した分のGoogle Walletアプリに届いた通知。

実際に乗車(改札を通過した)時間と乗車運賃の決済が成立する時間にタイムラグがある、という事は口座残高が乗車運賃以下の状態のデビットカード/ブランドプリペイドカードであっても改札を通過でき、その日のうちに入金/チャージを行なえばOK、という事になりそうですが、それだとカード有効性確認が通らない可能性がありそう…

そしてソニー銀行デビットカードの利用によるキャッシュバック(0.5%)が受けられるかが気になるのですが、これは来月のお楽しみ。

 

このJR九州NFC Payによる電車への乗車サービス、交通系ICカードとは異なりクレジットカード/(メインバンクの)デビットカードでの利用であればチャージ残高を気にしたりする必要がないため非常に便利なので今後も利用するのは確実なのですが、最大の欠点がMastercard非対応である事。

これ、JR九州に限らず福岡市営地下鉄など日本国内でNFC Pay乗車を提供している公共交通事業者全てに当てはまるのですが、なぜMastercardだけ蚊帳の外なのでしょうか。

こちらのImpress Watchの記事に「日本国内のMastercard決済ネットワークの仕様は海外と異なり(つまりガラパゴス)、それが公共交通機関NFC Pay乗車でMastercardが使えない理由」とあるのですが、住信SBIネット銀行がメインバンクで、そのデビットカード(Mastercardブランド)を日常の支払いでメイン使いしている私にとっては非常に不満ですし、今回そのためだけにソニー銀行デビットカードを引っ張り出してくるハメにもなったのですが…

あとは利用範囲の更なる拡大に期待したいところ。

鹿児島本線の久留米以南、荒尾までの区間福北ゆたか線香椎線全線まで利用範囲が広がれば文句なしなのですが…

そして博多駅では中央改札でしか利用できず、ハンズや阪急につながる改札口では利用できないのが不便なので、それらの改札でも対応して欲しいものです。

新しいTweetDeckがゴミすぎる

先週火曜日(7/4)、突如TweetDeckの新バージョンが登場しましたが…

 

TweetDeckに新バージョン登場。Spaceや投票に対応 チームは非対応 - Impress Watch

 

これが呆れる程使いづらい。

その中でも最も不便で、これはどう考えても有り得ないだろ、と思うのが旧バージョンでは左端にあったカラムを選ぶボタンがなくなり、キーボードショートカット(数字キー)での移動もできなくなった事。

つまりカラムを移動するには画面を横スクロールさせてマウスでカラムを選択する必要があり非常に面倒。

そしてカラムのスクロールが(基本的に)マウスホイールでしかできず、ページ送り(スペース/PageDown)といったブラウザのキーボードショートカットで操作できないという旧バージョンからの不便な点はそのまま、というか更にひどくなっている。

呆れる他ありません。

このようにUIが著しく劣化しているだけでなく、タイムライン(TL)の更新が不安定など動作もおかしいのですから始末が悪い。

これに関しては先週末から適用されている閲覧制限のせいかも知れませんが…

とは言えUIが日本語化されていたり、投票機能が使えるようになっていたり、カラムをスクロールしページの切り替わりの部分に来ると突然下にジャンプしてしまう(そのためジャンプした部分を読むために上にスクロールし戻す必要がある)事があるというイラつく症状が直ったりといった改善点もありますし、今後問題点が改善されて以前の使い勝手に近づいてくるでしょうが、現状では「ゴミ」と言わざるを得ません。

更に驚くのが上記Inpress Watchの記事にある通り、これを有料化、つまりTwitter Blue加入者限定機能にする予定である事。

こんな低レベルな「ゴミ」としか言えないようなものにカネを取ろうとするX社(旧Twitter社)はいい度胸してるな、と呆れてしまいます。

 

今のところは非Twitter Blueユーザーでも新しいTweetDeckの利用は可能ですが、いずれ(1ヶ月後らしい)利用できなくなるので何らかの対策を取る必要が出てきました。

しかし新しいTweetDeckのためだけにTwitter Blueに加入する、という選択肢はない。

というわけでTwitter公式Web UIの使いづらい、ウザいところを修正し、その使い勝手を高めるアドオンControl Panel for Twitter(Firefox/Chrome)を導入したブラウザで公式Web UIを利用するのをメインにし、TweetDeckはサブにする事に。

このControl Panel for Twitter、タイムラインを常時時系列順にする、メインタイムラインの「おすすめ」タブを消す、プロモーションツイートなどのいわゆる「おすすめコンテンツ」のタイムラインへの垂れ流しを止める、フォロワーのいいねのタイムラインへの垂れ流しを止めるといった事が可能で、これなしにはまともに公式Web UIを利用する事は不可能、と言える程のまさに「神アドオン」。

Twitter公式Web UIをゴニョゴニョするアドオンはこれまでにもいくつかありましたが、機能が不足していたり一部の設定が正常動作しなかったりするため複数のアドオンを併用する必要があったりしたものの、Control Panel for Twitterの登場でほぼ全て解決。

半年程前に公開された時に即導入しましたが、当時は"Tweak New Twitter"という名称で、アイコンもTwitterアイコンにバツマークが付いたものでしたが、それでは問題になりかねないという事で今の名称、アイコンに変更になったという逸話もあります。

TweetDeckとは異なりタイムラインの常時更新ができないのが不便に感じますが、これは一長一短でもあるのでそれ程気にしていません。

しかしブラウザのキーボードショートカットで操作できるので、タイムラインをスペースキー及びPageUp/Downキーを割り当てたマルチボタンマウスのサイドキーでどんどん読み進められるためTweetDeckよりも高速、快適にタイムラインを追う事ができるというメリットが。

とは言え複数のカラムを駆使し通知やツイート検索結果といった複数の情報要素を一画面で確認できないのは不便ですが、結局のところ新しいTweetDeckのカラムは単に公式Web UIの画面をそこに詰め込んだだけとも言えますから、ブラウザの別タブで開く方法で対処できそうですし、その方がこれまたブラウザのキーボードショートカット(Ctrl+Tab/Ctrl+Shift+Tab)で操作できるのでむしろ便利とも言えます。

 

とここまで書いたところでクソゴミ新TweetDeckを旧バージョンに戻せるようになったという情報が入ったので即戻しました。

これだよこれ。

Web版TweetDeckが新バージョンになった後もAndroid向けTweetDeck専ブラアプリMarinDeckは(私の環境では)通常動作していたので、内部的には旧バージョンが生き残っていたため戻す事が可能だったんでしょうね。

MarinDeckの開発者は「終了」と言っていましたが…

これでもうしばらくは旧バージョンTweetDeck/MarinDeckで粘れる事になりましたが、MarinDeckの代替環境も考えないといけないところです。

 

このように突然旧バージョンTweetDeckが復活し、その後閲覧制限も緩和/解除されたのは先週末Metaが提供開始した競合SNS(Instagramの姉妹SNS)であるThreadsのせいではないかと思っています。

余談ですがThreadsのサービス提供開始から5日でユーザー数1億人を突破し、ChatGPTを抜いて最も早くそれを達成したWebサービスになったとかメディアがドヤっていましたが、上記の通りThreadsは新規にサービスを開始したSNSではなくあくまでInstagramの姉妹SNSであり、利用にはInstagramアカウントが必要で、Instagramユーザーが移行(併用)して使うのが前提の仕様のためそうなるのは当然で、ある意味チートなのでそのような比較に意味はない、と思うのですが…

つまり強力なライバルの登場によりTwitterのケツに火が点いた、という事のようで、真っ当な競争があるっていい事だよなぁ、と思ってしまいます。

そのThreads、現状ではスマホアプリからの利用しかできず(無理やりPCから利用している人もいますが…)、Metaが提供する他サービス、FacebookInstagramは公式アプリ/Web UIでしか利用できず、サードパーティークライアントがないですから、Threadsもそういった意味での自由度は低そうなので、そこにTwitterがつけ入る隙がありそうです。

要するに「再びサードパーティークライアントを解禁しろ、TweetDeckの有料化は止めろ」と言いたいのですが…

 

上に「TweetDeckを使い続けるためだけにTwitter Blueを加入する気はない」と書きましたが、とは言えもし本当にTweetDeckが有料化されたら試しに1ヶ月だけ契約してみるかも知れません。

今更少子化対策なんぞ不要

最近になって少子化が深刻ダーーとか言って急に政府が騒ぎ出し、異次元の少子化対策と銘打って様々な対策を打ち出していますが…

それについてのニュースを観ていると「そんなアホな事は止めろ」と怒りが湧いてきます。

なぜなら団塊Jr世代が結婚/出産適齢期を過ぎて20年余りが過ぎてしまったのだから今更何をやっても手遅れ、間違いなく失敗に終わりそのツケを国民が増税という形で払うハメになるのは確実だから。

それどころか「財源ガーー」とか言い出して更なる国民負担(つまり増税)を強いようとしていますから、少子化対策が逆に更なる少子化をもたらすという結果になる可能性が極めて高い愚行でしかありません。

それなのに今が少子化対策のラストチャンスで、それにより今後出生数が増えると楽観的な見方をしている事に呆れる他ありません。

その「ラストチャンス」は今ではなく2000年頃、つまり20年以上前だったのですが…

 

そもそも今日の少子化を招いた最大の原因はバブル崩壊からの不況により団塊Jr世代を就職氷河期世代にしてしまい、その結果経済的な理由で結婚したくてもできない、諦めてしない選択をした(当時の)若者が多かった事。

もしそのような事がなければこれ程までの少子化は起こらず、今後団塊JrのJr世代が結婚/出産適齢期になるので何の問題もなかったはずなのですが。

つまり最も効果的な少子化対策は安定的な経済成長を実現し、国民に「未来は明るい」と実感させる事であるのは歴史が証明しているのに、そのための政策は頑なにやろうとはせず(って言うかその真逆の事を30年近くに渡ってやってきたわけですが…)効果が怪しい、というかない事が明らかな各種手当拡充などのカネのバラマキをやる。

この国の政治家、役人の無能さには呆れる、というより怒りを感じます。

そもそもこの国は「歴史に学び、教訓とする」事ができないから無理もないですが…

結局のところこの「少子化対策」とやらは「財政健全化を省是とする」財務省が仕組んだ国民負担増、つまり増税のための罠だとしか思えません。

少子化が深刻なのに、対策に反対するとはけしからん」という世論を醸成し反対意見を封じるやり口が財務省らしくて本当汚い。

 

上記の通り私はこの「少子化対策」とやらに怒り心頭なのですが、世の中にはそう思っていない人が大多数なのが驚きです。

世論調査では「期待していない」と答えた人が過半数なのになぜ…

特に就職氷河期世代が「俺たちの時は経済低迷を放置し何もしなかったくせに、今頃何を言ってやがる」と怒り出しそうなものなのに、そういう意見を聞く事がない。

つまり上記の「財務省が醸成した世の中のふいんき」に騙されている人が多いって事でしょうね。

ですからそんな事を言ってる私は就職氷河期団塊Jr世代の中でも変わり者なのか…

 

そもそも未だに「人口が増える事は良い事」という考え方が幅を効かせている事が謎です。

私からすればそんなの古臭い、時代遅れの考え方だと思うのですが、その理由は2つ。

一つ目の理由はChatGPTなどの生成AIの急速な発達。

それにより以前から言われていたAIが人の仕事を奪うという懸念が現実のものになりつつあります。

実際アメリカ、ハリウッドで映画脚本家がAIに仕事を奪われる事に危機感を覚えデモをしたりといった事が起こっていますし。

そうなると問題になるのがAIにより仕事を奪われた人達の再雇用ですが、当然人口が多ければ多い程再雇用が必要な人の数が多くなるわけで、そうなると人口が少ない方がAIによる雇用喪失の影響が小さくなる、つまり「今後人口規模が大きい事が国、社会を維持していく上での足かせとなる時代が来る」という事。

そしてもう一つの理由が環境問題。

気候変動などの環境問題をもたらした最大の原因は「地球が支えられる数以上に人口が増えてしまった、つまり人大杉」。

1910年代に空気中の窒素からアンモニアを作り出すハーバー・ボッシュ法が発明され、化学肥料の大量生産が可能となり農作物の収穫量が格段に増えた1920年代以降の人口増加速度がえげつなく、これだけ急速に人口が増えればそりゃ環境への影響が深刻になるのは当然だよな、と思ってしまいます。

つまり環境問題の解決には人口を減らすのが最も効果的、というかそれ以外の方法はない。

ですから自然エネルギー発電(「再生可能エネルギー」という言葉は嫌い)の普及だのEVシフトだのプラスチック製品の使用量削減だのといった「環境に優しい」と言われている事に実は大した意味はなく、単に企業が環境をダシにして金儲けするために言ってるだけ。

個人的には「環境云々言ってる事の99%は金儲けのためのインチキ」だと思っています。

しかし地球の限界を超えた人口増加が環境絡みの諸問題の根源であるとは誰も言わないし、問題解決のために人口を減らす、もしくは増加を抑制する事が必要という話も聞かない。

なぜなのでしょうか。

つまりそれは「人口が増える事は良い事」という古い考え方に囚われている人が多い事の証でしょうね。

 

ですから3兆円/年以上もの莫大なカネをドブに捨てる事になるのが確実な少子化対策にではなく、人口が減少しても経済成長が可能な社会の仕組みを作る事に使え、と思ってしまいます。

今後少子化が先進国だけでなく新興国でも問題になると言われていますから、そのような経済成長モデルを確立できれば日本は一人勝ちでき、その結果つぎ込んだカネを十分回収する事ができるのですから。

日本の政治家や役人、そして国民にそのような考え方がない事に呆れてしまいます。

そもそも日本は長期的視点に基づいた戦略を立てる事が苦手、というかできず、今さえ良ければいいという短期的視点でしか動けませんし、そして誰もその失敗の責任を取らない(そしてその失敗にも学ばない)国ですから無理もないですが…

 

しつこいようですが「失敗が約束されていて、最終的に国民がそのツケを増税という形で払う事になる」異次元の少子化対策なんか止めてもらいたいものです。

Galaxy S5(SC-04F)をLineageOSで復活

前エントリでRakuten MiniにカスタムROMを焼いた話をしましたが、そうしているうちに以前やった際は不具合多発で使い物にならなかったジャンクGalaxy S5(SC-04F)へのLineageOS焼きを再度試したくなりました。

そこで実際にやってみる事に。

実はSC-04FへのLineageOS焼きはその後何度か試しているのですが、OS起動状態で充電できないという致命的な欠点は修正されず…

 

国内版Galaxy S5(SC-04F/SCL23)向けのLineageOS公式ビルドは今でも開発が継続されていて

 

LineageOS Downloads

Androidバージョンは11、LineageOSバージョンは18.1と最新ではありませんが、開発が継続されている、という事は最新のセキュリティーパッチが適用されたROMが提供されている、という事なので問題なく実用できます。

そもそもAndroid 12以降は64ビット(arm64)端末向けにしか提供されていないらしいので、32ビット(arm32)端末であるGalaxy S5にとってはAndroid 11が最終バージョンとなるようですし。

となると近い将来開発終了になる可能性が高いでしょうね。

 

というわけで最新版のROMをダウンロードしてROM焼き。

既にLineageOS 18.1にしていたのですが、まずはそこに上書きインストール(dirty flash)してみる事に。

するとこれまで散々ROM焼きしても直らなかった充電周りの問題が解決してしまいました。

Qualcomm Quick Chargeによる高速充電も可能で、対応充電器を使うとこのように15W程(9V/1.6A)で充電され、USB PD(18W)対応なのに満充電近くになると極端に充電速度が落ちるAQUOS sense3と異なり満充電まで充電速度が落ちないのも良いところ。

バッテリーには優しくないんでしょうが…

これについてはAmazonで買った通販の佐藤という会社の互換バッテリーを使っているので気になるんですよね。

しかしQuick Charge非対応の充電器を使うと充電速度が極めて遅い(5V/0.5A、ひどいと0.25A程でしか充電されない)のが謎。

そしてこれまでまともに使えなかった指紋認証も改善。

改善した、とは言え今時の端末のように一発で指紋が認識されロック解除、とはいかず、悪くても10回以内にはロック解除できる、という程度ですが…

しかし挿したSIMの認識がおかしいのは以前と変わらずそのまま。

モバイルネットワークにつながったり切れたりを繰り返す上にデータ通信ができません。

それなのに解約済SIM(元IIJmio SMS対応データSIM)を挿しているとアンテナピクトにバツマークが付き、キャリア名表示が「緊急通報のみ」になるものの、ネットワーク時刻補正が効く状態になるのが謎だ…

というわけでそのSIMを挿した状態で利用しています。

Magiskによるroot化、LSPosedの導入も問題なし。

いずれも最新版が利用できます。

前エントリのRakuten Miniとは異なり/systemを読み書き可能(rw)でマウント可能で、実際に書き換え可能ですし…

exFATフォーマットのUSB OTGストレージ("disk"という名前で表示されているもの)も問題なく認識されマウントできる。

同じLineageOS 18.1(Android 11)なのにこの違いは一体… と思ってしまいますが、これが公式ビルドと汎用ROM(GSI)の違いなんでしょうね。

 

購入から約4年半、Rakuten Miniのそれよりも出来の良い(公式ビルドですから当たり前ですが)LineageOS 18.1のおかげでようやくまともに使えるようになったSC-04Fですが、これをどういう用途で使うかが悩みどころ。

SIMの認識がおかしい上にドコモSIMロックがありますし、指紋認証に難ありなのでGoogleアカウントを設定して使う用途には使いづらいですし、GPSログ取り端末として使うのも既にRakuten Miniがあるので必要性が薄い。

結局のところ各種実験用端末として使うぐらいしか用途がなく、単に遊べる(管理する)端末が増えた、というだけになりそうです。

 

このエントリを書いているうちに5月分のROMが提供開始されたので更新しないといけないところですが、上記の諸問題の解決は期待薄かな、と思っています。

開発、提供終了になる前に解決すればいいのですが、それも期待薄だろうな…

そして2019年正月にジャンク品を購入した際に(ヨドバシカメラでまだ入手可能だったので)購入したディスプレイ保護シートをまだ貼っていないのでそれも貼らないといけないな、と思っているところです。