今更少子化対策なんぞ不要

最近になって少子化が深刻ダーーとか言って急に政府が騒ぎ出し、異次元の少子化対策と銘打って様々な対策を打ち出していますが…

それについてのニュースを観ていると「そんなアホな事は止めろ」と怒りが湧いてきます。

なぜなら団塊Jr世代が結婚/出産適齢期を過ぎて20年余りが過ぎてしまったのだから今更何をやっても手遅れ、間違いなく失敗に終わりそのツケを国民が増税という形で払うハメになるのは確実だから。

それどころか「財源ガーー」とか言い出して更なる国民負担(つまり増税)を強いようとしていますから、少子化対策が逆に更なる少子化をもたらすという結果になる可能性が極めて高い愚行でしかありません。

それなのに今が少子化対策のラストチャンスで、それにより今後出生数が増えると楽観的な見方をしている事に呆れる他ありません。

その「ラストチャンス」は今ではなく2000年頃、つまり20年以上前だったのですが…

 

そもそも今日の少子化を招いた最大の原因はバブル崩壊からの不況により団塊Jr世代を就職氷河期世代にしてしまい、その結果経済的な理由で結婚したくてもできない、諦めてしない選択をした(当時の)若者が多かった事。

もしそのような事がなければこれ程までの少子化は起こらず、今後団塊JrのJr世代が結婚/出産適齢期になるので何の問題もなかったはずなのですが。

つまり最も効果的な少子化対策は安定的な経済成長を実現し、国民に「未来は明るい」と実感させる事であるのは歴史が証明しているのに、そのための政策は頑なにやろうとはせず(って言うかその真逆の事を30年近くに渡ってやってきたわけですが…)効果が怪しい、というかない事が明らかな各種手当拡充などのカネのバラマキをやる。

この国の政治家、役人の無能さには呆れる、というより怒りを感じます。

そもそもこの国は「歴史に学び、教訓とする」事ができないから無理もないですが…

結局のところこの「少子化対策」とやらは「財政健全化を省是とする」財務省が仕組んだ国民負担増、つまり増税のための罠だとしか思えません。

少子化が深刻なのに、対策に反対するとはけしからん」という世論を醸成し反対意見を封じるやり口が財務省らしくて本当汚い。

 

上記の通り私はこの「少子化対策」とやらに怒り心頭なのですが、世の中にはそう思っていない人が大多数なのが驚きです。

世論調査では「期待していない」と答えた人が過半数なのになぜ…

特に就職氷河期世代が「俺たちの時は経済低迷を放置し何もしなかったくせに、今頃何を言ってやがる」と怒り出しそうなものなのに、そういう意見を聞く事がない。

つまり上記の「財務省が醸成した世の中のふいんき」に騙されている人が多いって事でしょうね。

ですからそんな事を言ってる私は就職氷河期団塊Jr世代の中でも変わり者なのか…

 

そもそも未だに「人口が増える事は良い事」という考え方が幅を効かせている事が謎です。

私からすればそんなの古臭い、時代遅れの考え方だと思うのですが、その理由は2つ。

一つ目の理由はChatGPTなどの生成AIの急速な発達。

それにより以前から言われていたAIが人の仕事を奪うという懸念が現実のものになりつつあります。

実際アメリカ、ハリウッドで映画脚本家がAIに仕事を奪われる事に危機感を覚えデモをしたりといった事が起こっていますし。

そうなると問題になるのがAIにより仕事を奪われた人達の再雇用ですが、当然人口が多ければ多い程再雇用が必要な人の数が多くなるわけで、そうなると人口が少ない方がAIによる雇用喪失の影響が小さくなる、つまり「今後人口規模が大きい事が国、社会を維持していく上での足かせとなる時代が来る」という事。

そしてもう一つの理由が環境問題。

気候変動などの環境問題をもたらした最大の原因は「地球が支えられる数以上に人口が増えてしまった、つまり人大杉」。

1910年代に空気中の窒素からアンモニアを作り出すハーバー・ボッシュ法が発明され、化学肥料の大量生産が可能となり農作物の収穫量が格段に増えた1920年代以降の人口増加速度がえげつなく、これだけ急速に人口が増えればそりゃ環境への影響が深刻になるのは当然だよな、と思ってしまいます。

つまり環境問題の解決には人口を減らすのが最も効果的、というかそれ以外の方法はない。

ですから自然エネルギー発電(「再生可能エネルギー」という言葉は嫌い)の普及だのEVシフトだのプラスチック製品の使用量削減だのといった「環境に優しい」と言われている事に実は大した意味はなく、単に企業が環境をダシにして金儲けするために言ってるだけ。

個人的には「環境云々言ってる事の99%は金儲けのためのインチキ」だと思っています。

しかし地球の限界を超えた人口増加が環境絡みの諸問題の根源であるとは誰も言わないし、問題解決のために人口を減らす、もしくは増加を抑制する事が必要という話も聞かない。

なぜなのでしょうか。

つまりそれは「人口が増える事は良い事」という古い考え方に囚われている人が多い事の証でしょうね。

 

ですから3兆円/年以上もの莫大なカネをドブに捨てる事になるのが確実な少子化対策にではなく、人口が減少しても経済成長が可能な社会の仕組みを作る事に使え、と思ってしまいます。

今後少子化が先進国だけでなく新興国でも問題になると言われていますから、そのような経済成長モデルを確立できれば日本は一人勝ちでき、その結果つぎ込んだカネを十分回収する事ができるのですから。

日本の政治家や役人、そして国民にそのような考え方がない事に呆れてしまいます。

そもそも日本は長期的視点に基づいた戦略を立てる事が苦手、というかできず、今さえ良ければいいという短期的視点でしか動けませんし、そして誰もその失敗の責任を取らない(そしてその失敗にも学ばない)国ですから無理もないですが…

 

しつこいようですが「失敗が約束されていて、最終的に国民がそのツケを増税という形で払う事になる」異次元の少子化対策なんか止めてもらいたいものです。