NHKから国民を守る党の参院議席獲得は既存政党への不満の証

当初参院選ネタの話を書くつもりは全くなかったのですが、驚くべきことが起こったのでエントリすることに。

それは…

 

NHKから国民を守る党議席を獲得したこと 

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政見放送は「NHKをぶっ壊す」「カーセックス」を連呼してるだけの内容のないものだったし(それにしてもよくこんな内容の政見放送が「NHKで」放送されたよな、としか言いようがない…)、

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NHKから国民を守る党の選挙区候補者のポスターが貼られた選挙ポスター掲示板を見かけることが極めて稀だった(私が見かけた限りでは3ヶ所しかなかった)。

そして掲げる政策は「NHKをぶっ壊す」「NHKスクランブル放送化」しかなく、どう考えても泡沫政党でしかなかったのですが…

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それにもかかわらず比例代表で100万票弱を得て1議席を獲得。

それにしても売国党2号、もとい社民党と6万票程しか差がないというのは驚きです。

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そして選挙区でも既存政党以外からの立候補者の中でトップの得票を獲得。

選挙戦中は「こんな滑稽無双な政策を掲げる泡沫政党、大した票を得ることもなく消えるだろ」と思っていて、そういうこともあり比例代表は完全なネタのつもりでNHKから国民を守る党に投票したのですが、まさかこんなことになるとは…

 

この予想外のNHKから国民を守る党の躍進、個人的には既存政党に対する不満の大きさの現れではないかと思っています。

つまり既存の与党にも野党にも投票したくないと思い、それなら… と半ば投げやりな気持ちで投票した有権者が予想以上に多かったことがこの結果につながった、というわけです。

アベノミクスで戦後最長の好景気などといった大本営発表とは裏腹に庶民の所得は大して増えず、それなのに税、社会保障費の負担が増えたことで実質賃金は減少し、しかも物価は上昇すると暮らしは苦しくなる一方。

その上米中貿易摩擦Brexitなど国際経済の不安定要素もあり、そんな中消費増税を強行し日本経済を奈落の底に叩き落とそうとする与党。

このような与党の愚行に対してきちんとした対案となる政策を掲げれば政権交代の可能性もあるのに、実際はただ「はんたーい」「アベ政治を許さない」とか言ってるだけで対案といったものが全くない野党。

既存政党が与野党共に国民の方を向いていないのですから、彼らに幻滅し見切りをつける有権者が増えるのも当然で、その結果そのような有権者の票が既存政党がまともであれば投票するに値しないようなNHKから国民を守る党やれいわ新選組といった新興勢力に流れた、というわけです。

このような泡沫政党に投票する有権者が増え、その結果実際に議席を獲得したのは投票行動の劣化だ、という意見もありますが、私は違うと思っています。

「NHKから国民を守る党」の議席獲得は投票行動の劣化 公共放送としてのNHKを守ろう
むしろそんな政党に投票してしまいたくなる程既存政党に魅力がないことの証なのですが…

 

このように既存政党への不満を持つ国民が増え、彼らの投票によって新興勢力が議席を獲得した、という事実が二匹目(三匹目?)のドジョウを狙った新たな勢力が出てくる事ができる素地を作ったのは間違いないでしょうね。

個人的に出てくるんじゃないかな、と思うのが日本国民の利益を第一にというトランプ的な政策を掲げる「ジャパニーズファースト党(仮)」。

もちろんキャッチフレーズは"Japanese first" "Make Japan great again"。

与党は外国人労働力を安易に受け入れる政策に舵を切るという愚行に走りましたが、その結果日本人の雇用が奪われ、賃金水準が下がり、外国人との軋轢が生じて治安が悪化するといったことになれば「日本人の利益が第一、低賃金外国人労働者を排斥しろ」といった意見が出てくるのは必然で、そうなるとそういった人たちの支持を得ようとする政治勢力が間違いなく出てくるでしょう。

トランプはそのような不満を持つアメリカ国民の支持を得たことでアメリカ大統領になったのですから、日本でも同じことが起きないとは言えませんからね。

そして私としてはNHKから国民を守る党的なノリの「財務省から国民を守る党(仮)」が出てきて欲しいところ。

バブル崩壊後長期に渡って経済低迷が続き、その結果日本という国の国際的な地位が低下し没落してしまった(そして所得格差が拡大し、庶民が貧しくなった)最大の理由は財務省の存在なので、日本経済を立て直し、国民を豊かにするために「財務省をぶっ壊す」という政策を掲げる政党が出てきて欲しいと思っていて、実際に財務省をぶっ壊して欲しいと思っていますからね。

私は20ン年前に参政権を得た時からずっと既存政党には何も期待しておらず、真の意味で国民国家のことを考えた政策を持ち、全ての層が経済成長を享受でき、庶民の暮らしを豊かにしてくれる政党が政権を取ることが必要だと思っているのですが、今回の参院選で新興勢力が議席を得たことでその可能性が出てきたのは喜ばしいことですし、実際にそうなって欲しいところです。