WiMAXを外で使ってみて


先日友人からNEC WM3300Rを譲ってもらい、端末追加オプション(デバイスプラス)を申し込んで自宅回線に追加登録し、モバイルでも利用できるようにしてから2週間程。
その印象をまとめてみました。


結論を最初に言ってしまうと


「自宅ネット回線に+200円/月で使える回線、として考えれば文句はないが、3,880円/月出して専用のモバイル回線にしたいか、というとかなり微妙」


となります。
その理由はズバリ「利用可能エリアに深さがない」ということ。
UQ WiMAXのエリアマップで見る限りはそれなりにエリアが広く、都市部ではほぼ問題ないように見えますが、実際に利用してみると高層の建物が密集する場所や屋内では非常に電波が弱くなり圏外になるケースも多いですし、地下はまずNG。
そして地上でもWM3300Rの電波強度表示がフル点灯することが滅多になく、全般的に電波が薄い(=基地局の密度が低い、それ故屋内カバレッジが弱い)のもいただけません。
それなら地図上の利用可能エリア的にはほとんど変わらないものの、建物の中や地下街、そして地下鉄車内(福岡の地下鉄はこれがいい)でも問題なく利用できるイーモバイルの方が優れています。
この違いは使用する周波数バンドの違い(WiMAXは2600MHz、イーモバイルは1700MHz)が原因と言うよりはむしろイーモバイルはデータ回線主体の事業展開を行なっているもののあくまで携帯電話キャリアであり、音声通話サービスも提供しているため「室内で使えない」といったことは許されないから、と見ていいでしょう(とは言え「電話」として使うには利用可能エリアが狭すぎますが)。
それでいながら料金は両者とも同じ3,880円/月。
自宅ネット回線に追加する形ではなく、単独のモバイルネット回線として契約するのであれば1日当たりのデータ転送量制限(366MB/日)があったり、縛りが長かったりしてもイーモバイルを選んだ方がいいかな、と思ってしまいます。
イーモバイルLTEサービスももうすぐ始まりますしね。


ちなみに自宅の外での通信速度はだいたい下り2.5〜4Mbps。
電波状況がいいと10M以上出る、という話もありますが、私が試した限りでは最高でも6M程度しか出ませんでした。
しかし上りが優秀で、下りとほぼ同じぐらいの速度が出ることが多いですし、下りよりも上りの方が速い、というケースも少なくない。
そして通信速度の変動が少ないためドコモ回線では極端に速度が落ちて使い物にならない平日の昼食時でも速度低下が少なく、快適に使えます。

平日の昼食時間帯にSpeedtest.netでスピードテストを行なってみたところ。
左がWiMAX接続、右がb-mobile Fair接続。
このようにWiMAXは3Mbps程度の速度を維持しているのに比べb-mobile Fairは速度の落ち込みがかなり酷い。
ピーク速度には不満があるとはいえこれなら普通に使う分には十分、と言えるでしょう。


そしてWM3300Rですが、中古ということでバッテリーの持ちには余り期待していなかったのですが意外に良好。
ネットラジオを連続再生しても2時間程は十分持ちますから、うまく使えば3時間近く持ちそうな気がします。
スペック上の稼働時間は約2.5時間となっていますが、WiFi出力強度を絞っているのが効いているのかも知れません。
しかし電源ONから使えるようになるまでに1分程かかり使いたい時にすぐに使えない、WiFiを別途ON/OFFする機能を備えないためバッテリー消費を抑える運用ができない、というのが欠点ですが、初期のモバイルWiMAXルーターですからまぁそんなものかな。
そして自宅のURoad-Homeとの回線切り替え絡みで問題が発生するかな、と思いましたが、BIC WiMAXの会員ページへログインし接続優先度を変更し、WM3300Rの優先度を上げておけばちゃんと接続が切り替わり、問題なく利用できます(これをやっておかないと自宅のURoad-Homeがネット接続しようする度にWM3300Rでの接続がブツブツ切れてしまい使い物にならない)。
しかし自宅のネット回線が切れてしまう、ということは自宅で待ち受け状態にしてある050 Plusの接続が切れた状態になってしまう、という欠点があるので、050 Plusの利用方法を見直した方がいいのかな、と思っているところです。


とりあえず現行のWiMAX契約の縛りが終わり、自宅回線の見直しを行なう予定である11月まではこの体制で行くことになりそう。
モバイルでの利用可能エリアに不満があるとは言え、自宅とモバイルの両方で利用できて4,080円/月という利用料金は非常に魅力的ですからね。
そしてその頃には国内最後発、LTEの本命とも言えるauLTEサービスの詳細が判明しているはずですから、それも考慮して最適なモバイル回線を選べるいいタイミングでもありますし。