香港の携帯電話事情

(追記)
ドコモユーザーがConexusアライアンス加盟キャリアをローミング先として利用することでパケット
準定額制を利用できるようになったことに対応し、一部データを修正しました。


前回から始まった海外携帯電話事情シリーズ(私が勝手に命名)、今回は香港です。

香港は世界で最も携帯電話キャリア間の競争が激しい場所の一つで、それを裏付けるように6社もの
携帯電話キャリアがあります。
それ以外にもMVNO(Mobile Vitual Network Operator、自らはネットワーク設備を持たず、ネットワーク
を持つ他社からそれを借り上げて携帯電話事業を行なう携帯電話キャリア)も数社あり、それらが日々
熾烈な競争を繰り広げています。

香港で自社ネットワークを持つ携帯電話キャリア6社は次の通り

CSL
SmarTone-Vodafone
Hutchson 3 HK(3HK)
PCCW(旧Sunday)
Peoples
New World Mobility(CSL傘下)

このうち上記4社(CSL、SmarTone-Vodafone、3HK、PCCW)が3Gサービスを行なっています。
それぞれのキャリアのローミング可否は次の通り

香港ローミングキャリア
日本の契約キャリア
ドコモ
ソフトバンク
CSL
SmarTone-Vodafone
3HK
PCCW
Peoples
×
New World Mobility
×

◎、○がローミング可、×がローミング不可を示します。
ソフトバンクの◎はローミングチャージが安いキャリア、ドコモの◎はConexus加盟キャリアで
データローミング準定額制が利用できるキャリアです。
データローミングは全てのキャリアで可能ですが、通信速度を考えれば3Gサービスを行なっている
キャリアを選択するのがいいでしょう。
カバーエリアはどこのキャリアも香港全土をくまなくカバーしているので、特に問題になることは
ないでしょう。
GSM1800Mhzを採用するPeoplesとNew World Mobilityが多少不利と思われるかな、といった程度です。

プリペイドSIMカードはどこでも入手可能、といっても過言ではないでしょう。
キャリアショップはもちろんコンビニや携帯電話ショップなどで簡単に手に入ります。
利用者登録やパスポートなどのIDの提示も不要。
種類も豊富で、国内利用のみの格安カードから国際ローミング対応のもの、更にはデータ通信に特化
したものなど様々な種類があり、そういったところにも香港の携帯電話市場の競争の熾烈さが見て
取れます。
香港滞在中の通話、SMSのみの利用であればどこのプリペイドSIMカードでもいいでしょう。
そんなに香港に行くわけではないけど、できることなら現地番号をキープしておきたい、というので
あればHPからクレジットカードでリチャージできるSmarTone-VodafoneプリペイドSIMカードが便利。
私も持っています。
私のは「PayGo」というGPRSや国際ローミングが使えるものですが、これはHK$62の月額料金(そのうち
のHK$50を通信料として使える)がかかるので、それがもったいないと思う方は通常のプリペイド
SIMカードがいいでしょう。
データ通信を重視するなら3HKの「HSDPA Broadband Access Rechargeable SIM Card」がお勧め。
HSDPA対応端末であれば最高3.6Mbpsでのデータ通信が可能で(HSDPA非対応端末でも利用可能)、
しかもパケット通信料は1MB=HK$2という格安料金(1KB単位課金)。
1MBたったの30円というのは日本では考えられないですね。
ガンガン使ってもなかなかプリペイド残額が減らないのには驚きでした。
データ通信に特化したプリペイドSIMカードですが、もちろん音声通話も可能。
国際データローミングにも対応します。
3HKのHPからのクレジットカードリチャージも可能ですが、まだ一度も成功していません。
香港滞在中に3HKのショップ店員に聞いたら「海外発行のクレジットカードも使える」と言われたのに…
クレジットカードリチャージがちゃんとできるようであればSmarTone-VodafoneのPayGoプリペイドSIM
カードを廃止して、完全にこれに切り替えてしまいたいのですが。
(追記)
3HK「HSDPA Broadband Access Rechargeable SIM Card」のクレジットカードリチャージですが、先程
やってみたら成功しました。
FirefoxではなくIEを使用し、ポップアップブロック機能を無効(またはポップアップを許可する設定)
にしないとダメなようです。
今度Firefoxでもう一度トライしてみよう。

この「HSDPA Broadband Access Rechargeable SIM Card」、もちろん日本でも利用可能。
しかし笑ってしまうのがこのプリペイドSIMカードを日本でローミング使用する方が、ソフトバンク
Access Internetアクセスポイントを利用したパケット通信よりも安い、という事実。
HSDPA Broadband Access Rechargeable SIM Cardのローミングパケットチャージは全ての国で共通で
1KB=HK$0.11(このエントリを書いている時点で約1.61円)。
それに対しソフトバンクAccess Internetのパケット通信料は0.2円/パケット(+税、オレンジプラン
コネクトカードプランを除く)。 つまり1KB=1.68円(税込)なので、3HKローミングの方がわずかに安い、
ということになります。
現地ポストペイドSIMカードローミング利用のプリペイドSIMカードに料金で負ける、というのは
どう考えたっておかしいよなぁ。
オレンジプランやコネクトカードプラン、ブループラン+パケットパックといったパケット通信料が
安くなるプランがあるからまだマシですが、ホワイトプランだとAccess Internetは一切割引なし
ですからねぇ。
ソフトバンクにはAccess Internetパケット通信料の値下げ(今の1/10以下が理想)もしくはホワイト
プランに組み合わせることができるAccess Internetパケット料金割引制度の導入を望みたいところです。

最後になりますが、香港の携帯事情に関してはこのサイトが詳しいです。
と言うかここの情報もその情報に大きく依存していますが。
サイト作者の山根さん、いつも貴重な情報ありがとうございます。

次回の「海外携帯電話事情シリーズ」はマカオを予定しています。