ドコモはauと同じ轍を踏むな

先日の産経新聞アプリの件もあり、私にとってiPhoneは完全に「別になくてもいい、終わった端末」となったわけですが、その産経新聞にまたもや「今度こそドコモからiPhoneが出る」という記事が。


ドコモ、劣勢挽回へiPhone投入検討か - ITmedia ニュース


Androidがほとんどの点でiPhoneを追い越してしまい、圧倒的な優位に立っている、という確信を持っている私からすると、あんな「あれもできない、これもできない」できないことだらけの端末のどこがいいのかね、と思わずにはいられないのですが…
まぁiPhoneを完全否定するつもりは全くありませんし、いいところも多いのですが、Androidの自由度の高さに慣れてしまうとあまりにも足枷が多すぎるんですよね。
こないだも「iPhoneボイスレコーダーで録音したファイルをDropboxにアップロードしようとしたら、iPhoneDropboxアプリでアップロードできるファイルはカメラロールにある画像/動画ファイルのみ」ということが分かり「Android版だと基本的に端末内のファイルは何でもアップロードできるというのに、なんてiPhoneは低機能なんだ」と思ったことがありましたし。
それなのに相変わらずこのようなニュースが出る、ということは未だに「iPhoneは魔法の端末だ」と思っている人が大勢いる、ということでしょうね。


ここにもエントリしている通り、私はドコモがiPhoneを扱うことには絶対反対
以前も書いた通りauiPhoneを売らんがためにそれよりも優れた端末/サービス(800/1500MHzバンドを利用するLTEサービスと、それに対応するAndroid端末)を隅に追いやるといったことをするようになってしまいましたから、ドコモにはそれと同じ轍を踏んで欲しくない、と思うからです。
もしドコモからiPhoneが発売されると…


・端末の選択肢が狭くなる
auが2013年春モデルとしてリリースしたのは新しいINFOBARのみで、これは新しく開始するサービスである800/1500MHzバンドLTEに対応するAndroid端末を2012年秋モデルとして一気に出した反動、というのもあるでしょうが、iPhoneを売るために意図的に新モデルのリリース数を減らした、とも取れます。
もしドコモからiPhoneが発売されればAppleから課されるノルマを達成するためにiPhoneの販売に注力する必要がありますから、その障害となるAndroid端末のリリース数を減らす、という動きに出る可能性は大。
そうなると選べる端末の種類が減り、選択肢が狭まってしまいますから、客はそれにより不利益を被ることになります。
iPhone以外の端末を利用するユーザーの利用料金が割高に
Appleは販売台数のノルマだけでなく、販売キャリアに「既存の料金プランよりも安いiPhone向け料金プランを提供しなければならない」という条件も課しますから、ドコモはiPhone発売に当たってそれ向けの新料金プランを用意する可能性が(または月々サポートが増額される)。
そうなると既存の料金プランを利用するユーザーからすると値上げ、にはならないもののiPhone向け新プランと比較すると割高になってしまう、ということになりかねず、これまた不利益を被ることになります。
SIMロックフリー版+ドコモ回線(MVNOを含む)の使い勝手が悪くなる
ドコモからiPhoneが発売される、ということはそれ向けにキャリアプロファイルが更新され、それによりドコモ版iPhone向けにAPN設定が固定されたり、テザリングに制限がかかったりする可能性があります。
まぁこれに関しては現在使っているサービスに合わせた設定プロファイルをインストールしたり、キャリアプロファイルのアップデートが伴うOSアップデートなどを控える、といった方法で対策できますが…
・今後発売されるドコモ端末がnanoSIM対応になってしまう
SIMロック解除を骨抜きにしたいからなのかは知りませんが、ドコモはガラケーにまでMicroSIMを採用していますが、iPhone導入で今度は自社端末のnanoSIM対応化を進めそうな気がします。
そうなるとSIMの挿し替えの自由度が著しく低くなり、SIMロック解除して他社SIMで使いたい、というユーザーからすれば迷惑極まりない。
まさかドコモ版Galaxy Note III(SC-01F?)が海外版(GT-N7300/7305?)とは異なりnanoSIM採用になったりはしないよな…
ソニー以外の国内携帯メーカーが携帯電話事業から撤退することになり、ガラケーが死滅する
パナソニックに続きNECも携帯電話事業から撤退する、というニュースが流れましたが、ドコモがiPhoneを発売する→それ以外のメーカーの端末は売れなくなる→収益悪化→携帯電話事業から撤退、という流れが更に加速し、ソニー以外の国内携帯メーカーは死滅する、という可能性があります。
まぁこれらのメーカーはゴミ端末しか作れないのだから、消えてしまって当然、という意見もあるでしょうが、それと同時にガラケーも死滅する、ということになりますから、「スマホが不要なユーザーが大勢いるのだから、ガラケーは今後も絶対に必要」であることを鑑みるとそういったことは絶対にあってはなりません。


といったことが起こる可能性があります。
そうなると影響はドコモユーザーのみならず、日本の製造業にまで及びますから、そういったことまで考慮しているのかな、と思わずにはいられないのですが…


このニュースが現実のものとならないことを祈るばかりです。