Rakuten Miniのこのグダグダぶりは一体何なんだ…

先々週楽天嫌いにもかかわらず端末価格が1円、利用料金は1年間無料という楽天モバイル(MNO)のキャンペーンに乗っかり、楽天モバイルオリジナルの小型AndroidスマホRakuten Miniを契約、購入しました。

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本来ならその経緯といったことを先に書かないといけないのですが、それを書きかけているうちにRakuten Mini絡みで前代未聞の出来事が発生してしまい、急遽それについての話を先にすることにしました。

その発端は元々のカタログスペックとは異なる対応周波数バンドになっていて、LTE/UMTS Band 1(2100MHz)に非対応の個体が見つかった、つまりRakuten Miniは製造ロットにより対応周波数バンドが異なる、ということが判明したこと。

 

Rakuten Miniには対応バンドが違うロットが存在?製造時期によりLTE B1などに差が - AndroPlus

Rakuten Mini本来の対応周波数バンドは

LTE Band 1/3/18/19/26/28/41 UMTS Band 1/5/6/19

なのですが、一部のロットではこれが

LTE Band 3/4/5/18/19/26/28/38/41 UMTS Band 4/5/6/19

になっていて、Band 1に非対応になっているのです。

しかもその後

LTE Band 1/3/5/18/19/26/28/38/41 UMTS Band 1/5/6/19

になっているものもある、つまり製造ロットにより3種類の対応周波数バンドを持つRakuten Miniが存在していることが判明するという呆れて物が言えない状態に。

こんなの前代未聞だし、そもそも技適が絡んでくるので本来有り得ないことですから、当然総務省は激おこ。

 

総務省、「Rakuten Mini」の周波数変更で報告求める - ケータイ Watch

 

当然自分のRakuten Miniの対応周波数バンドがどうなっているのかが気になったので隠しモードを呼び出して確認してみると…

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この通り私のRakuten Miniは当初のカタログスペック通りの周波数バンドを持つ個体で、Band 1非対応のそれではなかったので何よりだったのですが、しかしそれに加えLTE Band 5/38にも対応する個体が存在することを考えると何だかモヤモヤしてきます。

LTE Band 5はアジアでも採用するキャリアがありますからね。

 

その後楽天モバイルが正式に声明を発表し、それによるとRakuten Miniが途中の製造ロットからBand 1非対応になったのは仕様であり、単に事前にそれを告知していなかっただけとのこと。

 

(更新)オリジナルスマートフォン「Rakuten Mini」の対応周波数帯について | お客様へのお知らせ | 楽天モバイル株式会社

 

このような技適に引っかかりかねない変更を「それは仕様です」と言って開き直るというのはこれまた有り得ない対応で呆れる他ありません。

それにしてもなぜ事前の告知もなしにRakuten Miniの仕様を変更し、Band 1非対応にしたのかというのが気になりますが、楽天モバイルによるとアメリカでのローミング時の使い勝手を良くするためとのこと。

 

「Rakuten Mini」、実は対応周波数を変えたバージョンになっていた――技適マークは確認中 - ケータイ Watch

 

今回の仕様変更によりBand 1を犠牲にして追加されたBand 4(AWS、2100/1700MHz)は北米におけるLTE標準バンドとも言える周波数バンドなので確かにアメリカでの使い勝手は良くなるでしょうが、北米以外、特に日本における使い勝手は大幅に悪化してしまいます。

日本ではBand 1がLTE標準バンドとして楽天モバイル以外の3社で利用されていますし、最近では3Gで利用しているBand 1をLTEに転用する海外キャリアもありますから、この変更は北米での使い勝手を良くするためにそれ以外での地域での使い勝手を大幅に悪くする改悪でしかないですからね。

Rakuten Miniは物理SIMスロットを持たないeSIM端末なので「楽天モバイル回線専用端末」と思われがちですが、実際はSIMフリー端末なので他社のeSIMを導入して利用することも可能で、実際IIJmioのeSIMを導入して利用している人も多いですからしっかり実害がありますし。

そしてBand 1非対応になったのはLTEだけではなく3G(W-CDMA)もなのですが、こちらは北米、中米以外の全世界で利用されるUMTS標準バンドで、3G端末として対応していないというのは有り得ない周波数バンド。

よってBand 1非対応であることがLTE以上にアメリカ以外での使い勝手を悪くする、って言うか3G端末として使い物にならなくなる改悪で、対応LTEバンドが国内のそれに偏っているRakuten MiniではLTEローミングできない国/エリアでの3Gローミングが全く利用できず、IIJmioのeSIM利用時には実質Band 19しか利用できない(ドコモのBand 3 LTEは東名阪限定ですし)とこちらの方が目立たないものの被害が大きい。

って言うかなぜこれ程の犠牲を強い、総務省を怒らせてまでアメリカでの使い勝手を重視するのかが謎なのですが、楽天内部には「外国と言えばアメリカ」とか未だに勘違いしている老害が多くいて、彼らが余計な影響力を発揮してこのような愚行に走ったのでは、というのが私の見立てなのですが、実際のところはどうなんでしょうかねぇ。

それ以前にRakuten Miniは国際ローミングをバリバリ利用するような端末ではないのですから、そこまでしてアメリカでの使い勝手をどうこうする必要ってあるの? としか思えないのですが。

個人的にはRakuten Miniの対応周波数バンドはLTE Band 1/3/18/26、UMTS Band 1といった仕様でも問題ないと思っていて、実際そうだと思っていたら実はドコモ専用バンドであり、楽天モバイルのサービスを利用する上で全く不要なBand 19にまで対応している事に驚きましたし。

実を言えばBand 19に対応していることが私がRakuten Miniを契約、購入した理由の一つだったりするのですが…

 

このRakuten MiniのBand 1非対応ロット問題、上記の通り仕様なのでファームウェア更新等で修正されることはない、ということになりますが、それだとBand 1対応であることを知った上でRakuten Miniを購入、契約したのに、実はBand 1非対応版だったというユーザーの怒りを買うことになりかねません。

そういう事もあってかBand 1非対応版を購入、契約し、Band 1対応版を望む客に対しては交換に応じるとのこと。

しかし交換対象なのは恐らく上記の楽天モバイルの発表前にRakuten Miniを購入、注文した人のみだと思われますが。

対応周波数バンドの変更はハードウェアの変更によるものではなくソフトウェアの変更で行われているとのことなので(実際ゴニョゴニョしてBand 1対応を復活させている人がいる)、ファームウェア更新で戻せるはずですから交換対応ではなく素直にそうしろよ、と思うのですが…

そしてBand 1非対応が不満なユーザーにはBand 1対応版への交換という対応を取る、ということはBand 1対応版が将来ファームウェア更新によってBand 1非対応になってしまうことはなさそうです。

そんなことをしたら更なるユーザーの怒りを招くことは確実ですし、技適の面でも問題になりますから、さすがの楽天もそんなバカなことはしないと思いますが…

とは言え楽天のことですから前言を翻しかねないので、私はBand 1対応が維持されるという確証が得られるまでRakuten Miniのファームウェア更新(OTA)はしない、という運用にするつもりでいます。

 

そう言えば対応周波数バンドの違いで3種類があるRakuten Mini、この差が中古価格にも反映されることになるのかが気になるところです。

恐らくBand 1に対応し、Band 5/38にも対応するロットが最も高く、その次がBand 1対応、Band  5/38非対応のロット、そしてBand 1非対応のロットが最も安い、ということになるのでしょうね。

しかし上記の通りBand 1非対応ロットでもゴニョゴニョすることでBand 1対応を復活させることができるので、意外に割安なBand1非対応ロットを購入しゴニョゴニョ、というのが流行るかも知れません。

実は私も狙っていたりするのですが…

 

最後になりますが楽天モバイル(MNO)絡みのカテゴリーとして「楽天」を追加しました。