もう4ヶ月近く経ってしまいましたが、2月始めに食料品の買い出しに行った際パソコン工房に立ち寄ったらこんなものを発見し、我が目を疑いました。
「PCディスプレイ界のロールスロイス(大げさ?)」EIZO製2020年モデルのWQHD(2560*1440)27インチワイド液晶ディスプレイの中古品が15000円以下という普通に考えたら有り得ない価格で売られていたのです。
これだけ安いと絶対に何か裏がありそう、と思いまずは外観をチェックしてみると、ボディーには特に目立つ痛みはなかったものの、ディスプレイパネルにうっすら傷のようなものが。
しかしこれは画面点灯状態であれば問題ないのでは? と思ったので店員を呼び、電源を入れて確認させてもらう事に。
すると色ムラやドット欠けといった症状は見られず、ディスプレイパネルにあった傷のようなものも予想通り画面点灯状態では全くと言っていい程気にならない。
それでもまだ何かありそう、という疑いが消えなかったのですが、あのEIZOの27インチワイドWQHDディスプレイがこの価格で手に入る機会はまずない、という事で結局購入。
しかもこの日(土曜日)が中古の日割引の適用日だったので元から有り得ない安さだったのが更に10%OFFとなり、13482円で購入できました。
とは言え実はちょうどこの日の朝電子レンジがお亡くなりになってしまい、要買い替えになってしまったのでこんな出費の嵩むタイミングで見つからなくても、と思ってしまったのですが、中古品は一期一会だから仕方ない。
元々パソコン工房は他の中古IT関連機器を扱う店舗(じゃんぱらなど)に比べ中古PCディスプレイが割安な傾向がありますが、それでもEIZOというメーカーのブランド価値を理解していない一般のリサイクルショップならともかく、それを十分理解しているはずのPC専門店でこんな値付けがされていたのは本当謎です。
購入後配送を依頼したので(配送料1650円)数日後自宅に届けられ、そこで改めて状態を確認してみると店頭でチェックした際に見つけたディスプレイパネル上の薄い傷らしきものが消えていました。
ハンカチで軽く拭ってみても消えなかったので、てっきり傷だと思っていたのですが、単なる頑固な汚れで、配送前にパソコン工房側でクリーニングした際に落ちたようです。
購入前に店頭で電源を入れてチェックした際累積使用時間を確認するのを忘れたものの「ナナオのディスプレイは壊れない」(EIZOの事を今でも「ナナオ」と呼ぶのはインターネット老人会会員だよな)と信じているのでそれ程気にしていなかったのですが、2020年7月製造で累積使用時間は3810時間、大雑把に計算して1日当たり3時間程しか使われていない事になるわけで、かなり程度は良さそうです。
この前に使っていた液晶ディスプレイは2006年、何と18年前に購入したもの。
これまたナナオ(この頃は社名がナナオで、EIZOはブランド名だった)の当時はまだ珍しかった24インチワイドディスプレイ、FlexScan S2410W-R。
ヨドバシカメラのネット通販で購入して自宅に届き、開梱した直後に撮影した写真。
当時はまだ珍しかったWUXGA(1920*1200)のディスプレイ、しかもナナオという事で価格は16万近くもし、その頃は今よりも稼ぎが良かったとは言えかなり悩み、清水の舞台から飛び降りるような気持ちで購入した事を思い出します。
しかし妥協して安物を買わなかった事もあって長持ちし、今まで使ってきたわけですが、さすがに古いので数年前から買い替えを検討していました。
27インチワイド、WQHD解像度、IPSアンチグレアパネル採用という条件で探していたのですが、そもそも27インチWQHDディスプレイの選択肢が狭い。
解像度的に使い勝手の悪いフルHDや4Kの27インチワイドディスプレイはたくさんあるのになぜ…
そうこうしているうちにディスプレイパネル表面の劣化が始まり、泡のような浮きが出てきました。
そのせいでザラザラとした映像になって視認性が悪くなり、視野角も狭くなって側面からは映像がほとんど視認できなくなる程。
OSDメニューから累計使用時間を確認すると2845時間と出たのですが、実使用期間が17年半程でこんな短いはずはないのでどこかのタイミングで使用時間のカウンターが一巡したようです。
使用時間のカウンターが5ケタなのは確認しているので10万時間でカウンターリセットか、と思ったのですが、それだと1日当たりの使用時間が16時間にもなるので違うっぽい。
65535時間でカウンターリセットなら1日当たりの使用時間は10時間程になり、それなら辻褄が合いそうですが、それでもちょっと長いかな、と感じます。
気になって説明書を確認してみましたが、これについての記載はなし…
それ程長期間使用されるのを想定していなかったって事でしょうか。
とは言えこれ程の時間稼働していても液晶パネル自体には問題はなく、バックライトと表面の劣化で画質が悪くなっただけというのは驚きで、さすがはナナオ、EIZOと言わざるを得ません。
それが私が「ナナオのディスプレイは壊れない」と信じている理由なのですが…
そういった事情もあって今回見つけた中古ディスプレイに飛び付いたわけです。
私が今回購入したのはこちら
画面サイズ、解像度以外のスペックはというと…
ディスプレイパネル種別:IPSアンチグレア
リフレッシュレート:60Hz
応答速度:5ms
映像入力:DisplayPort*2,HDMI,DVI-D各*1
その他端子類:USB 3.0ハブ(4ポート)、ヘッドホン出力、スピーカー
DisplayPort入力が2つあり、DVI-D入力もあるのがビジネス向けディスプレイらしいところですが、やはりDisplayPort*1、HDMI*2の方が良かったかな。
DisplayPort→HDMIは変換ケーブル/アダプターの類がありますが、その逆、HDMI→DisplayPortのそれは見かけませんからね。
ビジネス向けディスプレイであり、ゲーミングディスプレイではないので60Hzを超えるハイリフレッシュレートには非対応ですし、クリエイター向けディスプレイでもないのでAdobe RGBカバー率云々もスペックに記載なし。
USB Type-C入力がないのも欠点でしょうが、登場時期(2020年)を考えれば非対応でもおかしくないでしょうし、そもそもUSB Type-Cで映像出力できる(=DisplayPort Alternate Mode対応の)端末を持っていないので(今のところは)何の問題もありません。
画質は言うまでもなく極めて良好。
ディスプレイパネル表面、バックライトが劣化した18年前のディスプレイと比較するのは無意味で酷でしょうが…
解像度、画面サイズいずれも大きくなったので画面を広々と使え、様々な作業の効率が上がりましたし、何と言っても画面拡大率100%(=ディスプレイスケーリングなし)で問題なく使える画面サイズ、解像度であるのがいい。
個人的には27~28インチでWQHD解像度というのがPC向けの最適なディスプレイサイズ及び解像度だと思っていて、それ故それをディスプレイ買い替え時の条件としていましたし、そもそも私はディスプレイスケーリングが嫌いで、基本的にPCディスプレイはそのネイティブ解像度で使う(=画面拡大率100%)べきものだと思っています。
ですからディスプレイサイズに見合わない高解像度(27インチ4Kとか)のディスプレイはムダに高くてオーバースペックのゴミとしか言いようがない代物としか思っていません。
しかしそんな「ムダに高くてオーバースペックのゴミ」が市場を席巻している一方で使い勝手のいい27~28インチでWQHD解像度のディスプレイの種類は少ないのはなぜなんでしょうか。
しかし購入当初TVを全画面表示で視聴すると映像がモヤッとした感じがするのが不満でした。
解像度2560*1440のディスプレイに1920*1080の映像を表示、という事はつまり4/3倍表示になる、要するにアップスケーリングによるものでしょうが、4ヶ月近くも使っていたらいつの間にか慣れてしまったのか気にならなくなりました。
あとスピーカーは一応搭載されているというレベルで、音質はイマイチ。
なのでこれまで通り別途スピーカー(以前エントリしたこれ)を使っています。
それと搭載されているUSB 3.0ハブが4ポート、というのも何気に便利。
メインPCのバックパネルに搭載されているUSB 3.0ポートは全て使用済で、これ以上USB 3.0接続の機器を常時接続しておく事ができなかったのですが、このハブを使えば一気にUSB3.0ポートを4つ増やす事ができ、今まで旧ディスプレイ搭載のUSBハブ(2.0、2ポート)に接続していたワイヤレスマウスのレシーバーとBluetoothドングルを接続しても2ポート余り、しかもUSB 3.0ですから外付けHDDなどを接続してもその読み書き速度を活かせるのがメリット。
しかしその2ポートは今のところ用途がなく空き…
カードリーダーをPC直結からハブ経由の接続に変更しようかと思っているのですが、PCの裏側をいじるのが面倒で手を付けられずにいます。
長くなってしまいましたがまとめると満足度は非常に高く、こんなものが15000円以下で手に入ったというのが驚きです。
購入前に「もしかして何か裏があるかも」と思っていましたが、今のところ何の問題もなく使えていますから、上記の通り「ナナオのディスプレイは壊れない」事もあり今後も末永く使えそうです。
本当いい買い物をしました。