エセUSB Type-C

USB Type-Cが本格的な普及期に入った事で充電/給電、データ通信にUSB Type-Cポート/コネクターを利用する各種機器が一般的になり、新製品でmicroUSBを採用するものはすっかり少なくなった今日このごろ。

そういった事もあり自宅の充電環境もUSB Type-Cベースのものに切り替えました。

microUSBポートを持つ機器への充電/給電はセリアで売られているUSB Type-C→microUSB変換アダプターで対応。

USB Type-Cの規格ではメスコネクターを持つ変換アダプターや延長ケーブルの類は存在してはいけない事になっていますが、普通に売られています。

 

しかしそれにより困った事が。

充電/給電ポートはUSB Type-Cなのに、USB Type-Cポートの充電器+両端USB Type-Cのケーブル、もしくはUSB Type-Cケーブル直付けの充電器では充電/給電できず、USB Aポートの充電器+USB A/Cケーブルを使う必要がある機器が存在するのです。

その問題の機器たち。

無印良品のポータブルファン(左)とTaotronicsのフルワイヤレスイヤホン(TWS、右)。

いずれも充電ポートにUSB Type-Cを採用していますが、上記の通りUSB Aポート出力の充電器+USB A/Cケーブルでなければ充電できない。

USB Type-C充電器のUSB PD対応の有無、利用するケーブルのeMarkerの有無といった条件を変えていろいろ試してみましたが、どうやっても充電できず。

上記の(規格を逸脱した)変換アダプターを使いUSB Type-CをmicroUSBに変換し(もしくはUSB Type-C/microUSBのケーブルを使い)、それを更にmicroUSB→USB Type-C変換アダプターでUSB Type-Cに戻せば充電できますが、こんな自己責任感満点の二重変換をするぐらいなら素直にUSB A/Cケーブルを使いますし。

よってこれらの機器の充電は仕方なくUSB Aポート出力の充電器+USB A/Cケーブルを使っていますが、使える充電器に制約が出るので複数の機器を同時に充電/給電する必要がある際に不便。

これならmicroUSBの方がまだマシ、と言わざるを得ません。

 

そもそも業界標準規格であるUSB Type-Cを充電/給電ポートに採用していながらその規格に準じた動作をしない機器というのは存在してはならないはずなのですが、なぜこのような規格を逸脱したユーザーからすれば不便極まりない仕様、言い換えれば「エセUSB Type-C対応」の製品が存在しているのかが謎です。

こういう機器に限って説明書に「充電には必ず付属のケーブルを使用してください」とか書かれていて、こういうクソ仕様をごまかすための言い訳、免責事項としか思えませんし、それなら標準規格であるUSBなんか使わずバレルコネクターなどUSBではない充電/給電端子を採用すればいいのに、としか言いようがありません。

いくら製品そのものが優れていてもこの一点だけで評価をガタ落ちさせる要因となる、という事がメーカーは分かっていないのでしょうか。

現状ではまだUSB Aポート出力の充電器が主流ですからこの問題はそれ程顕在化していませんが、今後USB Type-C出力の充電器が主流になると問題になりそうです。

とにかくこのような「エセUSB Type-C対応機器」はさっさと滅んで欲しいものです。

 

そう言えば中華メーカー製の超小型モバイルノートPCには充電ポートにUSB Type-Cを採用していながら入力電圧が独自仕様で、付属のACアダプターはUSB Type-Cコネクターが付いていながらUSB PD対応ではなく本体が対応する特定の電圧を決め打ちで出力する仕様、というものが存在します。

このACアダプターを「USB Type-C出力だから」と普通のUSBバスパワー(DC5V)で動作する機器に接続すると過電圧でそれを破壊してしまう恐れがある危険な代物なのですが、なぜこのような恐ろしい仕様を採用したのかが謎です。

USB Type-Cを使うのならUSB PD対応にするのが筋ですし、それが嫌ならバレルコネクターを持つ普通のACアダプターを採用すべきなのですが…

まぁこういうところが「標準規格ガン無視」な中華メーカーらしさなんでしょうが、極めて危険なので止めろ、としか言いようがありません。