メインブラウザを(再び)Waterfoxに乗り換え

4年と少し前(2018年10月)にFirefoxのレガシーアドオン非対応化によりメインブラウザを「今後もレガシーアドオンをサポート続ける事を謳う」Firefox互換ブラウザWaterfoxに乗り換えたのですが

 

ブラウザ環境をあれこれ見直し

今回メインブラウザを乗り換える事に。

本エントリのタイトルに(再び)とあるのは一体… と思うかも知れませんが、これにはちゃんと理由があります。

2019年に現行Firefoxをベースとした新しいWaterfoxが「Waterfox Current」という名称でベータ版的な扱いで登場し、それによりそれまでの(レガシーアドオンをサポートするFirefox 56.xベースの)Waterfoxは「Waterfox Classic」という名称に変わりました。

そしてその約1年後Waterfox Currentが正式版になり、名称からCurrentが取れ「Waterfox」になると同時にWaterfox Classicが今後脆弱性に対する対応など必要最低限のアップデートのみが提供される体制となり、配布先がWaterfox公式サイトからGitHubに変更に。

要するにこれまで私が使っていたのはWaterfox Classicで、それから現行Waterfox(旧Waterfox Current)に乗り換えた、というわけです。

 

なぜ今回新旧Waterfoxの乗り換えをしたかというと…

理由その1:動作が重い

上記過去エントリに書いた通りWaterfox(Classic)に乗り換えた当初は高速に動作すると喜んでいたのですが、それから4年余りの年月が経ちWebページの更なる高度化、モダンブラウザ(現行FirefoxChromeなど)への最適化などにより動作が非常に緩慢になるように。

特にサイトに埋め込まれたYouTube動画をアドブロックで非表示にすると動作が極端に重くなり、これがメインPCの延命アップグレード前にやたらとスクリプトエラーが出ていた原因である事が判明。

しかし同じアドブロック設定をしたFirefoxやChome系ブラウザではそんな事は起きずスムーズにページが開く、つまり原因はWaterfox Classicにあり、これを解決するにはブラウザを乗り換えるしかない、という事になります。

これに関してはScrapbookアドオンを正常動作させるためにマルチプロセス動作を無効にしているのが原因かも知れませんが…

理由その2:動作がおかしい

動作が重いだけでなくブラウザの様々な動作がおかしくなる事も多発。

ページが正しく表示されない、サイトの様々な機能が正常動作しない、アドオンが正常動作しないといった事が多発し、使っていてストレスが溜まってくるように。

もちろんこういった症状はWaterfox Classic以外のブラウザでは出ないので、これまた解決にはブラウザを乗り換えるしかありません。

理由その3:セキュリティーと今後のサポート体制

Waterfox Classic公式サイトのトップに「多くの脆弱性が未修正で残っているので利用は自己判断で」と書かれている通り(Firefox 56.xベースであるが故の)未修正の脆弱性が存在しているためセキュリティー的に劣りますし、更新のペースも遅くなりました。

実際2023年2月上旬時点でWaterfox Classicの最新版は昨年11月リリースと2ヶ月以上も間が空いていますし。

そして完全に現行FirefoxベースのWaterfoxがメインとなったこともあり今後いつまでWaterfox Classicの提供が続くのかも懸念材料。

アドオンもWaterfox Classic非対応になったり、インストールはできても動作しなくなったものも多いですし。

理由その4:レガシーアドオンへの依存度の低下

私が以前Waterfox(Classic)に乗り換えたのはレガシーアドオンサポートが必須だったからなのですが、かつてFirefox Quantumと呼ばれていた現行Firefoxの登場から5年以上が経過しアドオンがバージョンアップで現行Firefoxに対応するようになったり、代替アドオンが登場したり、環境の変化で不要になったりした事でレガシーアドオンへの依存度が下がりました。

何と言ってもTab Mix Plusが(暫定)対応したのが大きいですね。

公式アドオン配布ページではなくGitHubからXPIファイルをダウンロードする必要があったり(故にセキュリティー警告が出る事がある)、下準備として別途userChromeJSスクリプトをインストールする必要があったりと少々手間がかかりますが、Firefoxのレガシーアドオン切り捨て時に「使えなくなると困るアドオン」のトップに挙げられる事も多かったアドオンですから、それだけの価値はあります。

そしてこれまた私にとって必須のレガシーアドオンScrapbookも代替アドオンが登場。

しかしこれまたアドオンをインストールしただけでは動かず、別途下準備が必要ですし、そもそもScrapbookをほとんど使わなくなったのでインストールせず、ScrapbookはWaterfox Classicで利用する事にしました。

個人的にはMenu Wizardが非対応なのが残念なのですが、これはuserChrome.cssファイルの編集で何とかなるらしいのでいずれチャレンジしてみようかと思っています。

 

とこういった理由でメインブラウザを現行Waterfox(旧Current)へ変更したわけですが、当初はFirefox ESR(Extended Support Release)への乗り換え(出戻り)を検討していました。

上記の通りScrapbookを利用するためにWaterfox Classicを残す必要があるため、そこに現行Waterfoxをインストールすると両者が競合しトラブルになるのでは、と思ったからです。

そこで試してみる事に。

するとインストール先、プロファイルがWaterfox Classicとは別になるため問題なく新旧2つのWaterfoxを両立させる事ができ、これで現行Waterfoxへの乗り換えを決定。

ところがセットアップして使い始めたらトラブルに気づきました。

私が大嫌いな日本のWebサイトに多い無意味に分割されたページを連続読み込みしてくれる私にとって必須のアドオン、uAutoPagerizeが正常動作しないのです。

アドオンの再インストール、旧バージョンへのバージョンダウン、Waterfoxのリフレッシュ、再インストールなどあれこれやってみても直らない。

その一環でプロファイルフォルダを削除したら起動しなくなるし…

もちろんFirefox ESRでは問題なく動作します。

最終的にプロファイル管理モード(コマンドラインオプション -pを付ける)で起動し、プロファイルを新規作成した後そのプロファイルで再セットアップしたら直りました。

結局原因は不明…

 

今回乗り換えた現行Waterfox、上記のようなWaterfox Classicで悩まされたトラブルは皆無ですし、マルチプロセス動作の恩恵か動作も高速。

タスクマネージャで見るとここでは14個のWaterfoxのプロセスが動いています。

プロセス数はこの時開いていたタブと同数だったので、恐らくタブ毎にプロセスが立ち上がる仕様のようです(搭載CPUのコア/スレッド数は関係ない)。

そしてタブバーをブックマークツールバーの下に表示したりといった痒いところに手が届くような設定項目があったりとFirefoxよりも使い勝手に勝ります。

タブバーをブックマークツールバーの下に表示するのはFirefoxでもuserChrome.cssに必要な記述を追加する事で可能ですが、標準でできるに越した事はないですからね。

あと現行版Firefoxベースのブラウザで不満だったタブの高さが高すぎる(太すぎる)問題もprefs.jsファイルの編集でほぼ気にならない程度にできましたし、まだ解決していない問題、不満点はいくつかありますがこれまで使っていたWaterfox Classicとそれ程変わらない使い勝手の環境になりました。

 

今回現行Waterfoxへのメインブラウザの乗り換え、そしてそれに伴うセットアップをしているとFirefox系ブラウザのカスタマイズ性の高さを再認識。

「~をこうしたい」と思って調べてみると大抵その方法が見つかりますから、現行WaterfoxだけでなくFirefox ESRもWaterfox Classicとほぼ同じ使い勝手にできましたし。

そういったところが私が20年近くにも渡ってFirefox系のブラウザをメインブラウザとして利用してきた最大の理由ですし、今後も利用し続けるのは間違いないでしょうね。

 

最後に余談ですが、FirefoxアドオンをフルサポートするAndroid向けブラウザってないのかな…