b-Mobile 3Gモデムをbアクセスなしで使う

b-Mobile 3Gで使用するUSBモデム(ZTE MF626)はSIMロックフリー、つまりb-Mobile(=ドコモ)のSIM以外でも使えることになっています。
しかし実際にはb-Mobile 3Gの接続ユーティリティーbアクセスを使わないとネット接続できない。
(Windows標準のダイヤルアップ機能を使って接続するにもbアクセスがインストールされていないとダメ)
つまりこれが実質的に他社SIMでの使用をブロックするロックとなっています。


しかしKKJConvの作者コザックさんのブログ「普通的生活」b-Mobile 3G USBモデム+他社SIMを使ってネット接続する(=bアクセスを使わない)方法が出ていました。


普通的生活:b-mobile 3Gのモデムを中国で使う


詳しくはコザックさんのブログに譲りますが、簡単に書くとZTE AustraliaのサイトからMF626用の接続ユーティリティーをダウンロードしてインストールし、そこで他社SIM向けの接続設定を作成してネット接続する、という流れになります。
接続ユーティリティーのダウンロードはこちらから。
この接続ユーティリティー、名前が「Telstra Turbo Connection Manager」(以下TTCMと略)となっていることから分かるように、本来はオーストラリアの最大手キャリアTelstra(旧Telecom Australia)向けのものですが、b-Mobile 3G用を含む他社向けのMF626にも使えます。


というわけで早速やってみたわけですが、しかしここで一つ注意が。
それは


bアクセスを使用している環境には導入しないこと!!


bアクセスが導入されている環境にTTCMをインストールしても正しく動作しません。
これが理由その1。

ネット接続しようとすると一瞬接続されるものの、すぐにこのエラー(文字化けしていて解読不可能)が出て切断されてしまう。

そしてローミング接続のSIM(ここでは3HKプリペイドSIM)を使っているとこんなエラーが出ることがあります。
ならばTTCMの使用を諦めbアクセスを使うか、と思ってもTTCMインストール後はb-Mobile 3G USBモデムを接続すると自動的にTTCMが起動するようになってしまうので、bアクセスからは使えなくなってしまう。
結局bアクセスを使うためにはTTCMをアンインストールすることになるのですが、TTCMのアンインストールと同時にモデムドライバもアンインストールされてしまうので、これまたbアクセスから使えなくなってしまう。
これが理由その2。
しかもbアクセスを一度アンインストールし、再度インストールしても使えなくなってしまいました。
バイスマネージャを見ても「ZTE Proprietary USB Modem」(b-Mobile 3G USBモデムのWindows認識名)がない。
「まさかファームウエアが特定キャリア向けではないMF626のものに書き換わってしまったのでは?」と思ってしまいました。
そうなると間違いなくサポートを断られることになるので、一瞬焦ってしまったのですが、ドライバはちゃんと再導入できます。
やり方は


bアクセスを起動しない状態でモデムを接続。
するとプラグ&プレイで新しいCD-ROMドライブが認識されるので、そこに入っているドライバをインストール。
通常はオートランで自動的にインストールされますが、レジストリをいじってオートランを無効にしている場合はエクスプローラから新しいCD-ROMドライブを開き、直接ドライバのインストーラファイルを起動します。
ドライバのインストールが済めばUSBモデムと内蔵MicroSDカードリーダーが認識され、再びbアクセスから使えるようになります。


そういうわけで結局EeePC1000H-X SSDではなく、Thinkpad X31を引っ張り出して再度TTCMを試してみました。
すると今度は問題なく動作し、ネット接続もOK。

SoftBankのSIMを利用し、OpenSoftBank接続で使うの図。

そしてb-Mobile 3GのSIMを利用するの図。
ちゃんとHSDPAで接続されています。


日本、韓国以外の国で使う場合は一つ注意点が。
b-Mobile USBモデムのネットワークモード設定の既定値は「UMTS Only」になっているので、このままの状態では3Gがサービスされていない国では電波をつかみません。
これを切り替えるにはTTCMのネットワーク設定(歯車マーク→Networkボタン)で「Automatic(3G Pref)」もしくは「GSM Only」に切り替える必要があります。
通常は3G/GSMを自動で切り替えてくれる前者にしておくとよいでしょう。
利用周波数バンドの設定は「Automatic」のままにしておきます(手動設定の選択肢にはUMTS/850のようなb-Mobile 3G USBモデムでは使えない設定も含まれているため)。


結局のところこの方法はb-Mobile 3G USBモデムを単にSIMロックフリーのUSBモデムとして使いたい人(=b-Mobile 3Gのサービスは利用しない)、もしくは複数のSIMを使い分ける、ということを重視しbアクセスの使用を諦める、という使い方をしたい人向けのものである、ということのようです。
bアクセスには1セッション最大1時間の接続時間制限や、通信速度のボトルネックといった欠点はあるものの、リアルタイムで残り利用可能時間が分かるのが何と言っても便利。
bアクセスを使わなくても残り利用可能時間を確認する方法はありますが、かなり面倒。
私の場合はもう一台SIMロックフリーのUSBモデム(3HK 3reedom USBモデム)がありますから、複数のSIMを使い分ける用途にはそれを使えばいいわけですし。
というわけでb-Mobile 3Gモデムの利用には素直にbアクセス(或いはWindows標準ダイヤルアップ)を使うことにします。