らくらくパケ・ホーダイが魅力的だけど…

昨日はau、今日はドコモの夏モデル発表会が行なわれました(後者はUstの生中継を視聴)。
私は国内キャリアが発売する端末にはもはや興味がないし(一時は期待していたこともあったんですがねぇ)、相変わらず顧客の囲い込みしか考えていない新サービス(自社ユーザー以外にもオープンにした方が儲かるとは思わないのかな?)とどうでもいいことばかりだったのですが、一つだけ「これは」と思ったものがありました。
それはドコモの新端末、らくらくスマートフォン向けの新パケット定額プラン「らくらくパケ・ホーダイ」。
これについては意外なことにIT系メディアでもスルーされていますが(意図的にそうしている?)、内容を見てみると実はかなり魅力的な料金プランとなっています。


http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2012/05/16_00_2.html#p06(プレスリリース)


2,980円/月で500MBまで、それを超えた場合は速度制限(128Kbps)がかかる、というらくらくスマートフォン専用のパケット定額プランです。
ライトユーザーやモバイルルーターを併用する前提で運用している人には非常に有用な料金プランだな、と思うのですが、らくらくスマートフォン専用プラン、というのが残念。
500MBの通信容量があれば動画視聴、ストリーミング、VoIPをガンガン使う、というのでなければほとんどのユーザー(80%ぐらい?)にとっては十分、といえますから、このプランに変更できればパケット通信料金を半額近くまで抑えることができますし、既存のキャリア純正パケット定額プランの料金の高さを嫌ってMVNOサービスを利用しているユーザー(私とか)にも訴求できると思うのですが。
確かにMVNO事業者のサービスの方が利用可能データ量は多い(1GB程)ものの、MVNOサービスは事業者が借りている回線容量の関係でパフォーマンスが落ちることがある(特に日本通信はその傾向が顕著:それ故乗り換えを検討中)ことを考えると、そういったことのないドコモ純正回線ですから利用可能データ量が少なくても十分競争力はあるはずです。
そういったことを考えると、このプランをらくらくスマートフォン専用、としているのは非常にもったいない。
もしらくらくスマートフォン専用プランではなく、既存ユーザーも利用が可能だと「このプランで十分」と思った既存ユーザーがプラン変更してしまい、それ程データ利用量が多くない既存の一般ユーザーから搾取できなくなる、とドコモが考えているからこその「らくらくスマートフォン専用プラン」でしょうね。
くどいようですが、いい加減ボッタクリとしか言えないパケット通信料金を設定して一般ユーザーから搾取するのは止めて欲しいところです。


そういえばテザリング利用時の料金はどうなるのかということも気になりますが、らくらくスマートフォンにはテザリング機能が搭載されていないため不可、ということかな(ターゲットユーザー層を考慮すると使わない機能でしょうし)。
それならたとえ将来既存ユーザーがプラン変更できるようになっても魅力半減だなぁ。


それ以外にドコモ、auの夏モデル発表会で発表内容で気になったことをいくつか。
auガラケーの新モデルを発表したが、ドコモはなし
初期のAndroidスマートフォンが発売されてから2年、ということで個人的にはこれから「ガラケー回帰が起こる」と思っています。
スマホを買ってはみたものの、バッテリーは持たない、動作は不安定と電話としての使い勝手の悪さにうんざりしたユーザーの一部が2年縛りの終了と同時にスマホ離れをするのではないか、と見ているからです。
「電話」としての使い勝手ではガラケー/フィーチャーフォンに敵うものはありませんから。
私もGoogle Contactsのデータを同期/インポートできるのであれば今でもメイン音声端末としてNM706iを使いたいぐらいです(それができない故にXperia ray)。
それ以外にも「電話」としての使い勝手を重視してガラケーにこだわるユーザーも相当数いると思われますから、そういったユーザーを取り込むためにもガラケーのラインナップもそれなりに揃えておく必要が。
auはそれが分かっているようですが、ドコモはそうではないようです。
まぁドコモは「らくらくスマートフォン」を出すぐらいですから、無理矢理にでも「ユーザーからより搾取できる」スマートフォンへの移行を進めたいんでしょうね。
ガラケー機能なしスマホはゼロ
今回の新モデルスマートフォン全端末がいずれかのガラケー機能(おさいふ、ワンセグ、赤外線、NOTTV)を搭載し、ガラケー機能なし端末はゼロ。
しかもドコモは既存のガラケー機能なし端末であるXperia NXとGalaxy Nexusを端末ラインナップから消してしまうという念の入れよう(でもXperia arcXperia Playは残っているのが不思議)。
ガラケー機能のないシンプルな端末がいい、という人にとっては新モデルの選択肢がなくなってしまいました(そういう人はクアッドコアCPU搭載の海外版Galaxy S III GT-I9300を買いましょう:ドコモ版はLTE搭載とのトレードオフデュアルコア)。
「必要なければ使わなければいいだろ」という意見もあると思いますが、そういう問題ではないんですよね。
特にワンセグ搭載が問題で、「自分はTVを見ることがない(それ故自宅にもTVがない)のに持っている携帯にワンセグ機能が搭載されているだけでNHKの受信料を取られる」という話を聞きます。
私としては「TVないから払わない」でいいと思うのですが、最近のNHK受信料徴収人は狡猾でそれが通用しないのだそう(この件はもしかすると別途雑記ネタにするかも知れません)。
そういったこともあるのでガラケー機能なしスマホもきちんとラインナップして欲しいところですが、ガラパゴス機能、自社限定サービスで顧客を縛りたい(ドコモクラウドなんてGoogleドライブがあるのだから不要では?)キャリアの戦略、そして「ガラケー機能全部入り」でないと評価されない(非IT系メディアが徹底してこき下ろす)日本のスマートフォン市場を考えると無理なのかな。
auLTEサービスの開始時期はまだ未定
まぁ今公表してしまうとそれ待ちする人が出てしまい、夏モデルが売れなくなるからでしょうが、そろそろサービス開始時期をはっきりさせて欲しいところです。
個人的にはLTEの本命、と思っているauLTEサービスなので、期待が大きいですからね。
らくらくスマートフォンのホーム画面は…
Windows Phone 7っぽい、と思うのは私だけでしょうか。
そしてらくらくスマートフォンGoogleアカウントの登録なしでも使える(代わりにdocomoアカウントを使う)そうですが、そういう(=Googleサービスに依存しない)Android端末って認められるのかが気になります。
とは言え中国国内版のAndroid端末はGoogleサービスを使わない仕様になっていますから(アプリのインストールも独自マーケットから)、ドコモのこの仕様も問題ないんでしょうね。


ドコモの夏モデル端末はもうスマートフォンラウンジに並んでいると思うので、いずれ購入したいと思っている(ただし海外版:GT-I9300ですが)Galaxy S IIIをおさわりしてこようかな、と思っているところです。
あとらくらくスマートフォンも(こちらは端末ではなく、料金プランに興味があるのですが)。