ドコモのこのやる気のなさはちょっと問題

今更な話ですが、昨日ドコモの冬モデル端末の発表会が開かれました。
発表会を生でチェックすることはできなかったので、後からUstの録画を視聴し内容を確認。
それを見て感じたのが「ドコモのどうしようもない程のやる気のなさ」。
「ちょっとこれヤバいよ」と言いたくなる程でした。


ではドコモのどこがやる気がないのか、というと…


LTEエリアの拡大速度が遅い
auSoftBankiPhone 5の絡みでLTEのエリア拡大競争を繰り広げ、その流れでSoftBankイーアクセスを買収したりと競争がこれまでになく熾烈になっているにも関わらず、それに比べてドコモのLTE対応エリアの拡大は非常に遅い。
発表会でもこれに関しては大した言及はありませんでしたし。
これだとauが800/1500MHzバンドでのLTEを開始すると同時にauに追い越され、いずれイーモバイルLTEネットワークを取得することになるSoftBankにも抜かれることになりかねません。


端末のLTEマルチバンド、新規格通信への対応が遅い
Xi対応の冬モデル端末は全て1500MHzバンド(Band 21)に対応するLTEデュアルバンド端末で、15MHz幅で100Mbpsの通信が可能ですが、それに加え800MHzバンド(Band 19)にも対応するLTEトライバンド端末はわずか4機種。
800/1500MHzバンドによるサービスは来月から始まるのですから、新機種は全てLTEトライバンド対応なのが当然だと思うのですが、そのような端末はほんの一部、というのは本当いただけません。
1年も経てばそれが確実にLTE利用可能エリアの差となり、非対応端末を購入したユーザーが悔しい思いをする、ということが分からないのでしょうか。
そして来年春から一部地方都市で開始予定のUE Category 4(最大112.5Mbps:1500MHzバンド利用)によるLTEサービスに対応する端末は一台もなし。
サービスは半年後に始まるのですから、それに対応する端末が数台はあってもいいはずですが、対応端末は来年春モデル端末からとなる、とのこと。
せめてモバイルWiFiルーターのL-03Eぐらいは対応して欲しかった、と言わざるを得ません。
イーモバイルは現状では割り当てられた周波数帯域が足りないためサービスを開始できる見込みがないにもかかわらずUE Category 4対応端末を出しているのとはえらい違いです。
将来開始予定のサービスに対応する端末を事前に出しておけば、それを購入したユーザーはサービス開始後すぐにそれを利用できるし、サービスを利用するために購入してからそれ程経っていない端末を買い換える必要がない、といったメリットがあるのに、なぜかドコモはそういったことはしない。
ユーザーは基本的に2年縛りで端末を購入するのですから、そういったことは当然考慮すべきだと思うのですが…


しょうもないコラボ端末が多すぎる
ドコモはやたらとコラボ端末を出しますが、今回発表された冬モデル端末にも当然のようにコラボ端末が複数含まれています。
エヴァジョジョの次はワンピースですか。
いい加減にして欲しいですね。
これはどう考えても「通常版端末のラインナップに自信がないから、コラボ端末で注目を引こう」という卑しい考えとしか思えません。
実際ドコモ向けのAndroid端末は動作が重く不安定で、しかもゴミアプリが多い(しかもアンインストール/無効化できない)、OSアップデートの提供が遅いと評判はあまりよろしくありませんし。
ついでに言うとGalaxy S III α(SC-03E)は夏モデルのGalaxy S III(SC-06D)をクアッドコアCPU搭載、LTEデュアルバンド対応にアップグレードし、Android 4.1(Jelly Bean)搭載にしただけのモデルで、Galaxy S III(SC-06D)を購入したユーザーのことを考えるとこんなモデル出すかなぁ、と思ってしまいます。


こういったことを何とかしないと、いずれドコモの暗黒時代が訪れることになるかも知れません。
auLTEサービスの内容如何ではユーザーが一気にauへ流出する、ということになるでしょうね。
ドコモにはそういったことを認識して、LTEサービスエリアの拡大とLTEマルチバンド、UE Category 4対応端末の充実を早急に進めて欲しいところです。


しかし今回の冬モデル端末ラインナップには久々にガラケーの新モデルが含まれていた、というのは評価できます。
音声通話を最重視する人にとってはガラケーがベストなことには変わりありませんから(よほどの技術革新がない限り、これは今後も変わらないでしょう)、ガラケーのラインナップを維持することは絶対に必要ですからね。
とは言えここでもドコモのツメの甘さが見られます。
auは冬モデルでは新たに開始するLTEサービスを売りにするためガラケーの新モデルは出してこないと思われるので、そこで逆張りガラケーの新モデルラインナップを更に充実させることでガラケー派のauユーザーを取り込む、といった戦略をとれるのに、ドコモはなぜかそうしない。
ついでに言うとガラケーは多機能、ハイスペックな端末だけでなく、音声通話とガラケーメールの利用ができればいい、というユーザー向けにもっとシンプルで安い端末も用意すべきでは、と思います。
ガラケーにこだわるユーザーはそういった層が多いと思われるので(逆に多機能な端末が欲しい人はスマホにするでしょうし)、そういった端末も用意して欲しかったですね。


私はもうキャリア版端末には全く興味がなくなってしまったので、今回のドコモ冬モデル端末はまぁどうでもいいのですが、そう言いながら今回発表された端末の中に一つだけ気になっている端末があるので、それはもしかすると手に入れるかも(もちろん白ロム:そのためだけに2年縛りは嫌ですからね)。


後は10/17に開催されるauの冬モデル端末の発表会がどうなるか。
上記のように新しく開始される800/1500MHzバンドLTE対応のAndroid端末がメインになると思われますが、私が気になっているLTE対応モバイルWiFiルーターは出るかなぁ。