auの黄金時代とドコモの暗黒時代

今日のお昼にauの冬モデル端末の発表会が開かれました。

ここでauの800/1500MHzバンドLTEサービスとそれに対応する端末が発表される、ということで注目度が高かったこともあり、録画ではなくUstの生中継を視聴することに。
それを見て感じたのがauが新たに開始する800/1500MHzバンドによるLTEサービスと、それに対応するAndroid端末に対する尋常ではない程の力の入り方。
auのこの新サービスに賭ける思いをひしひしと感じ、「これからauの黄金時代が始まるな(そしてドコモの暗黒時代が始まる)」と確信するに十分な今回の発表会でした。

このようにサービス開始時から広い利用可能エリアを確保してのスタートで、サービス開始と同時にドコモXiの利用可能エリアを追い越すのはまず間違いないでしょう。
しかも800/1500MHzバンドでのサービス提供エリアのほぼ全てで75Mbpsでのサービスを提供と、利用可能エリアの広さだけでなく通信速度でも他社を圧倒することになりそうです。

UE Category 4によるLTEサービスも来年から提供と、まさに最強とも言えるサービス内容です。

対応端末もサービス開始時に8機種を同時発売。
来年にならないと発売されない端末まであるドコモ冬モデルとはえらい違いです。


このように開始直後から他社を圧倒するサービスになりそうなauLTEサービスですが、今回発表された800/1500MHzバンドLTE対応端末はAndroidスマホ/タブレットのみで、モバイルルーターなどのデータ端末は一つもなかったことが残念です(やはり事前の予想通りでしたね)。
今回発表されたAndroid端末は(そしてiPhone 5も)全てテザリング対応なのでそれを使えばいい、という考えなのでしょうが、専用のモバイルルーターと比べるとテザリングには劣る点が多いこともあり、「スマホテザリングよりもモバイルルーター」というユーザーも多いでしょうから、そういった端末も用意すべきだったのですが。
イーモバイルSoftBankに買収されることで現在イーモバイルを利用中のユーザー、そしてイーモバイルLTEを検討していた消費者が「確実に通信パフォーマンスが落ちることになる」ということでそれを見限り他社へ、という動きが今後出てくることが予測され、そういったユーザーをすくい取るためにもLTE対応モバイルルーターの提供は必要なのに、auがそれをしないのは「アホ」としか言いようがありません。
そういう動きに乗りたかった私としては本当ガッカリです。
そしてこれまで(CDMA2000サービス/端末)同様スマホは音声契約しかできず、データ専用契約ができないのもマイナスポイント。
ドコモはスマホをデータ専用契約で契約して端末を購入、利用できますから、音声通話は今使っているガラケーで、各種Webサービスはデータ契約SIMを挿したスマホで、といった使い方ができて便利なのですが。
ついでにもう一つ言うとauは現状のLTE利用可能エリアの詳細を発表していない(=利用可能な市区町村のリストのみで、エリアマップがない)のもいただけません。

au 4G LTE紹介ページに行くとこのようにLTE対応エリアのページへ行くボタンがグレーアウトしていて"Coming soon"となっています。
自宅や職場などの日常行動するエリアがLTE対応エリアか否かを確認してから購入するかどうかを決めたい、と思うのが当然なのですから、情報は事前に出すべきなのになぜかそれをしない。
対するSoftBankは天神や博多駅といった繁華街ですら穴がある状態であるにもかかわらず、ちゃんと利用可能エリアマップを公開している(ただし未来の時点での整備予定エリアを表示したインチキマップですが)のとはえらい違いです。
利用可能エリアに自信があるのであれば堂々とマップを公開すればいいのに、どうしてこんなことをするのだろう、と思わずにはいられません。


auがサービス開始時からこれだけの内容でLTEサービスを展開するとなると、他社、特にドコモには厳しいものになりそうです。
auLTEサービスに比べるとドコモのそれはかなり劣っていますから当然と言えるでしょう。
ドコモには約2年のアドバンテージがあるにもかかわらず、利用可能エリアでは後発であるauにサービス開始時からいきなり追い越されそうですし、高速通信対応エリアでも現状では極めて限定されたエリアでしか75Mbpsサービスを利用できないドコモに対し、auはサービス開始時から800/1500MHzバンド利用エリアのほぼ全てで75Mbpsでのサービスを提供と圧倒的な差がついてしまう。
端末の面でも近日中に提供予定のサービス(800/1500MHzバンドによるLTEサービス)に完全対応しない端末を平気な顔して冬モデルとして出すドコモに対し、auは当然のことながら全ての端末が新サービスに完全対応。
そして発表→発売のタイムラグが短く、今回発表された端末のほとんどが来月のサービス開始時に発売、と来年にならないと発売されない端末まであり、発売までのタイムラグがやたらとあるドコモとはえらい違いです。
常識的に考えれば年末商戦に間に合うタイミングで全端末を発売開始するのが当然だと思うのですが…
それにしてもドコモはauが最後発であるというハンデを克服するべくサービス開始時にロケットスタートを狙ってLTE基地局の整備を急速に進めていることぐらいは分かっていたはずなのに、それに対する危機感を持たず、対策を全くと言っていい程取っていないことには本当呆れてしまいますし、こういったところにドコモの役所的、官僚主義的な部分が見えてしまう、と言わざるを得ません。
まぁドコモはそのルーツをたどっていくと役所(電電公社)だから、無理もないのかな。


これによりau LTEのフルサービスが開始されることで今後auが大幅にユーザー数を伸ばすことが予想され、「auの黄金時代」が始まりそうなのに対しドコモはただでさえiPhone 5目当てのMNPポートアウトでユーザーが流出しているのに、それに歯止めがかかるどころか更なる流出が続き「ドコモの暗黒時代」が始まる、ということになるのは間違いないでしょう。
そうなってからドコモは自らの戦略の間違いに気づき、ケツに火がついて一気にLTE利用可能エリアの拡大、高速通信対応エリアの拡充といったサービス内容の向上を進めることになるでしょうが、果たしてどうなるか。
ドコモにはau LTEサービス開始によるダメージを最低限にとどめ、既存ユーザーに対しよりよいサービスを提供するためにも早急にこういった対策を取って欲しいところです。


上にも書いた通り今回のau冬モデルLTE対応端末にモバイルルーターが含まれていなかったことで、以前から何度か書いている私のLTE回線導入計画の結論がようやく出ました。
それについてはまた改めてエントリしようと思っています。