ドコモはもっと外国人訪問者に対する配慮を

隠れFOMAプラス対応端末についてのお知らせを書いている途中別途書きたいことが出てきて、当初先程のエントリの余談として書いていたのですが、余談としては量が多くなりそうだったので独立したエントリとして分離しました。


昨日のエントリに「auは800MHz Band 26対応端末でBand 18で提供されている自社のLTEを掴むことができるようにしているのだから、ドコモもそれに倣って850MHz Band 5対応端末でFOMAプラス/800MHz LTE(Band 6/19)を掴めるようにすべき」と書きましたが、まかりなりも日本は「観光立国」を目指しているのですから(詳細は割愛しますが、そのための施策が全くなってない:海外自由旅行などしたことがない無知な役人が立案した、としか思えない)外国人訪問者の便宜を図る意味でも今すぐにでもそうして欲しいものです。

中国地方のドコモ3Gカバレッジマップ。
内陸部の多くの地域がFOMAプラスエリア(黄色)となっていて(LTEも800MHzエリア)、非対応の端末を持つ外国人にとってはこれらのエリアは「圏外」であり、非常に狭いカバレッジしかない、ということで「ドコモでローミング利用したが、利用可能なエリアが狭すぎて使い物にならない、クソ」という評価を下されることにもなりかねないので、これに対して対策する必要があるでしょう。
そして最近では外国人訪問者をターゲットにしたドコモMVNOプリペイドデータSIMが登場していますから、これらのSIMを利用するユーザーもその影響を受けるのですから尚更です。


そもそもドコモは外国人訪問者のローミングインには消極的なようで、海外SIMでドコモにローミングしてもウェルカムSMSすら送ってこないのに対し、SoftBankローミングするとウェルカムSMSが届き「日本国内最大規模のWiFiホットスポットを提供しています」(いわゆる白い犬が目印のあれ)といった自社サービスを使ってもらうための情報提供を行なっているのとはエラい違いです。
海外では外国人訪問者に対していかに自社へローミングしてもらうか、とキャリアが様々な工夫を凝らしていますが、それは外国人訪問者のローミングインが重要な収入源になるからなのですが、ドコモはそれが分かっていないようです。

これがそのSoftBankローミングすると届くウェルカムSMS(利用SIMは確かタイDTAC)。
そして利用する周波数バンドも3Gが2100/900MHz(Band 1/8)、LTEが2100/1800MHz(Band 1/3)という国際標準であるバンドを利用しており、実質2100MHz(Band 1)しか利用できないドコモよりも有利。
そういうこともあって我々日本在住者からすればSoftBankのネットワークはクソ、ドコモとは比べるまでもない、というのが当たり前の認識になっていますが、外国人訪問者からすれば逆の評価になりかねないわけです。
SoftBankは外国人訪問者向けのサービスに力を入れている、とは言えサービスの中身を見てみるとモバイルネットワークはデータがスムーズに流れないわ通信速度は遅いわ、挙句の果てには音声通話がブチ切れしたりするひどいものですし、WiFiホットスポットもその裏側を見てみるとWiFiルーターの先に3G UltraSpeed USBモデムが挿してある、といったクソなものなのですから、ドコモは外国人ローミングユーザー向けのサービスを充実させれば十分勝てると思うのですが。
しかしそれを実現するには外国人訪問者であってもドコモ端末を持つ日本在住ユーザーと同等のカバレッジでサービスを利用できなければ意味がないですから、最初に書いたBand 5対応端末でFOMAプラス/800MHz LTEを利用できるようにすることが重要なのです。
技術的にはできないことはない(基地局のソフトウェア更新で実現可能?)はずなので、是非やって欲しいものです。


もしそれが実現すれば私がこれまで更新してきた隠れFOMAプラス端末リストも用無しになってしまうわけですが、隠れFOMAプラス端末でなくても850MHz Band 5に対応した端末であればFOMAプラスエリア及びLTE 800MHzエリアで利用できるようになるわけで、むしろそうなって欲しいですからその方が断然ありがたいので私としては大歓迎です。
私のメイン端末であるGalaxy Note 3(SM-N9005)でもFOMAプラス/800MHz LTEを掴めるようになり、これまた昨日のエントリに書いた室内カバレッジの弱さに悩まされることも少なくなるわけですし。
とは言えこれは今検討されている電波法の「ダブルスタンダード」改正(外国人訪問者にのみ技適マークのない端末の利用を許可する)がなされない限り無理でしょうが(外国人訪問者はOKで日本人はNG、というダブルスタンダードについては既に書いたので割愛)。