雲端化進行中:NAVER Nドライブは問題多し

昨日のエントリの続きです。
Dropboxに続いて導入したのがNAVER Nドライブ。

韓国のポータルサイト運営企業NAVERが提供する無料で10GBのディスク容量を利用できるオンラインストレージサービスです。
Webブラウザからだけでなく、スマートフォン(iOS/Android)向けアプリと、PC上のローカルドライブとして扱えるようにするユーティリティー(Nドライブエクスプローラー)が用意されており、ディスクスペースへの多彩なアクセス方法が用意されています。


これだけ読むと非常に魅力的なサービスですが、実際にはイマイチな点が多い。
iOS向けアプリには問題がなく、iPhone 3GSで普通に利用できているのですが、Android向けアプリにはいくつか問題が。
一つ目の問題はWiMAX回線から接続できないこと。
アプリをインストールして自宅WiFiから接続しようとすると、「接続できません」というエラーが出る。
WiFiをON/OFFするなどの対策をいくつか試してみましたが、どれもダメ。
しかしドコモデータ回線からは接続できる(端末上のパケット接続、テザリングどちらもOK)。
「どうしてWiMAX回線からは使えないんだろう?」と思っていたところAndroid MarketのNドライブアプリに関するコメントに、「ISW11HTのWiMAXから接続できない」という書き込みを発見。
つまりAndroid向けアプリとWiMAX回線との相性が悪く、それ故接続できない、という可能性が高い。
これでは自宅では使い物にならず本当困ってしまいます。


そしてもう一つの問題は端末のロケール設定が英語になっているとUIが英語と韓国語がミックスされたものになってしまい、韓国語が分からないと非常に使いづらいこと。

英語ロケールに設定しているMilestoneでNドライブアプリを起動し、Nドライブロゴの右側にある韓国語表記のボタンを押すと出てくるメニューがこれ。
これまた韓国語表記で、それぞれの選択肢が何を意味しているのかが全く不明で使い物になりません。
ところがその下の「Sort」ボタンは英語表記となっていて、統一性がない。
普通なら全て英語表記にならないとおかしいはずですが…
ところが日本語ロケールの端末ではこの症状は出ず、全て日本語表記になるため利用に支障が出ることは全くありません。
ちなみに上のメニュー(ファイル管理メニュー)は上から「アップロード、ダウンロード、削除、新しいフォルダの作成」という機能になります。
英語ロケールの端末で使うには日本語ロケールの端末でボタンやメニューの内容を確認し、記憶しておくしかないですね。
実はAndroid端末向けNドライブアプリは私が導入した後一度アップデートがあったのですが、それでも上記の問題は全く解決されておらず、これでは使い物になりません。
あまりにもツメが甘すぎる、としか言いようがないので、早急なアップデートを望むところです。


ところが問題はそれだけではなく、PC向けクライアント、Nドライブエクスプローラーに「致命的」とも言える更に大きな問題が。
私はPCのセキュリティーソフトにKaspersky Internet Security 2011(以下Kasperskyと略)を使っています。
ところがKasperskyはNドライブエクスプローラーのインストーラをウイルスとして検出してしまうのです!!

Nドライブエクスプローラーをダウンロードした際にKasperskyが出したウイルス検出ログ。
これに関してはNAVERKaspersky双方からの何らかのアナウンスがあってしかるべきですが、実際にはどちらからのアナウンスもなし。
そこでこれに関する情報をネットで探してみましたが、なかなか見つからない。
ようやく見つけた


激便利な NAVER Nドライブエクスプローラー 『超おむすび』


には「Kaspersky側で対策されている」とありますが、実際には何も対策されておらず、現在でもウイルスとして検出されてしまうことは変わらず。
上記のブログエントリは一年以上前のものですが、それなのにNAVER側でも、Kaspersky側でも対策がなされていないというのは大きな問題と言わざるを得ません。
これは明らかに「無料サービスなんだから仕方ないだろ」、では済まないレベルの問題であり、特にNAVERにとっては企業の信用に関わる問題のはずですが、それを放置というのは何を考えているのか全く分かりません。


そういうこともあり利用を止めようか、とも思いましたが、既にアカウントを作成して利用し始めていますから今更どうにもならないかな、ということで使用は続行。
そこでNドライブエクスプローラーに関してはVirusTotalを利用してインストーラをウイルススキャンしてみて、その結果を見て判断することに。

そしてこれがその結果。
VirusTotalがウイルススキャンに利用する42種のアンチウイルスエンジン中、Kasperskyのみがウイルスとして検出しました。
ということは単なるKasperskyの誤検出である可能性が高い、ということでKasperskyを一旦OFFにしてNドライブエクスプローラーをインストールし、その後NドライブエクスプローラーのインストールフォルダをKasperskyの保護除外フォルダとして登録して再びKasperskyをONにして準備完了。
これでNドライブがマイコンピュータ上にリムーバブルディスク(ネットワークディスクではない)として割り当てられ、そこからNドライブ内のファイルにアクセスできるようになります。
PC上のローカルドライブとして扱われるのは本当便利です。


ここまで書いた通りこのサービスに対するNAVERのやる気のなさが非常に気になりますが、それが解決すればディスク容量が10GBあるし、使い勝手もいいしサービス自体にも欠点が少なく、いいサービスだと思うのですが。
というわけで早急にAndroid向けアプリとNドライブエクスプローラーのアップデートを期待したいところですが、期待するだけムダなのかなぁ。