LED電球は買うな:Be a smart consumer

客を騙して売ろうとするからこういうことになるんだよ…


販売業者に措置命令 LED「明るさ足りない」


「節電しよう!!」ということでLED電球を買ってみたら思ったよりも明るくない、という話ですが、LED電球に関しては消費者を惑わす罠がいくつも仕掛けてあり、知らずに買うとそれに引っかかってしまいますから、それも当然です。


そもそも現状では白熱電球のリプレースとしては電球型蛍光灯を買うべきで、LED電球は買ってはいけない、というのが私の意見。
LED電球は105円ショップでも売られている電球型蛍光灯よりもはるかに高く(価格差10倍以上)、それでいながら消費電力はそれ程変わらない(LED電球よりも消費電力が少ない電球型蛍光灯もあるぐらい)ですから、現状では電球型蛍光灯の方が断然コストパフォーマンスがいいので、こちらを選ぶべき、というわけです。
ではなぜメディアは「節電するならLED電球」と言って電球型蛍光灯はまるでこの世に存在しないかのような扱いをし、量販店は販売に力を入れるのか。


答えは単純で、メーカーが「利ザヤが大きいうちに売っておけ」と思っているから。
LED電球はこれから参入する企業が増え、技術革新も進むことで今後更に安くなります。
そうなるとメーカーとしては価格競争に巻き込まれ、利益率が下がりますから、そうなる前にできるだけ多くLED電球を売って稼げるだけ稼いでおきたい、と思うのは当然。
そこでメディアに圧力をかけ(メーカーからすれば造作もないこと)、「節電するならLED電球」という情報をガンガン流させて消費者を洗脳する。
これがメーカー、メディアがLED電球の普及を異常な程推進する「裏の事情」です。
まぁこのぐらい少し考えれば分かることですから、騙される奴が悪いのですが…


そもそもLED電球の明るさ表記の分かりづらさが諸悪の根源。
LED電球になって明るさの表示に「ルーメン(lm)」が使われるようになりましたが、これまで電球の明るさ表記には使われなかった単位なので、何lmが白熱電球何W相当であるか、ということを知らない人が多い(というか大抵の人はそうでしょう)。
ですからそこに消費者を騙す余地があるわけです。
LED電球のパッケージに「60W電球相当」と書いてあれば、たとえ実際の明るさが600lmであっても消費者はそれを信用して購入してしまうので、メーカーからすれば「うまく消費者を騙して売りつけた」ということになります(本当は騙すつもりではないのでしょうが、私にはそうにしか見えない)。
60W電球相当であれば810lmが必要ですから、600lmだと当然「暗い!!」になります。
実際私は量販店でそういう製品を見たことがあり、値段が異常に安かったので(1000円ぐらい)、「おかしい」と思ってパッケージをよく見ると「600lm」(うろ覚え)と書いてあったのです。
50W相当にもならないものを「60W相当」として売る、というのは一体… と思った出来事でした。
と思ったら電球型蛍光灯にもそういったものがある。

自宅にストックしている電球型蛍光灯たち。
左の2つが105円ショップダイソーで購入したもの(もちろん1本105円)、右の2本パックがIKEAで購入したもの(600円程)です。
いずれも白熱電球60W相当の製品(IKEAのものには記載なし)ですが、明るさは左から700、650、850lm。
白熱電球60W相当(=810lm)」というスペックを満たしているのはIKEAのものだけで、中には50W相当しかないものもあります(IKEAのものは確認して購入したので当然)。
まぁ1本105円ですからまだ許せる、と言えますが…
明るさ表記が怪しいのはLED電球だけではない、ということですから気をつけないといけませんね。


そして電球型蛍光灯/白熱電球にはルーメン表示がないものが多く(特に後者は)、LED電球との直接の比較がしづらいのも問題(上記のダイソー製品に表示があったのは意外)。
まぁこれは「直接比較ができてしまうと(消費者を騙せないので)困る」とメーカーが思っているからでは、と私は穿った見方をしていますが…
親切な量販店では「白熱電球相当W数/ルーメン」の換算表が売り場に掲示されていたりしますが、そういったところはあまりないですし。


昨今ではLED電球に限らず「客を騙して売りつける」的なやり口が様々な業界で跋扈していますから(携帯電話業界とか:その手ではSoftBankの悪名が高いですが、最近は他キャリアも…)、消費者がきちんとした知識を持って、メーカー/販売店の陰謀に騙されない「賢い消費者」になることが必要ですね。