L-03E購入から1ヶ月(回線編)

先日「端末編」をエントリしてから少し間が空いてしまいましたが、続いてドコモXi回線及びIIJmio SIMをL-03Eで使ってみての印象について書きます。


(LTEカバレッジ)
他社よりもかなり先行してサービス開始したにもかかわらず貧弱で、最後発のau LTE(800/1500MHz)に圧倒的な差を付けられてしまったドコモのLTEですが、auロケットスタートでようやくケツに火が付いたのか、LTEカバレッジが急速に拡大しつつあります。

現状での九州北部のXiカバレッジエリアマップ。
1年程前に「ドコモXiは現状ではお勧めできない」とエントリした時に比べると大幅に拡大(予定、のエリアも含みますが)しており、実際私の日常生活の範囲ではほぼ常時LTEで接続されていて、3Gに落ちてしまうのは元々ドコモの(3G)電波が弱い建物内ぐらい。

このように福岡の地下鉄車内でもLTEの利用が可能。
LTEカバレッジについては現状不満はないですが、まだまだau LTE(800/1500MHz)と比べるとかなりの差があるので、ドコモには更なるLTEカバレッジの拡大を進めて欲しいところです。


(通信速度)
L-03Eは最大下り通信速度100Mbps対応(15MHz幅。 1500MHzバンド利用のため現状では九州では利用不可)ですが、実際の利用ではあまり通信速度が出ず、下り通信速度が10Mbpsを越えたことが一度もない。

L-03E+IIJmio SIMの組み合わせでの最高速度がこれ。
そして平均的な通信速度は下り3〜6Mbps、上り2〜4Mbpsといったところ。
ここにもあるようにMNO契約よりも速度が劣るのはMVNOの宿命ですから、通信パフォーマンスが劣るのは納得はいくのですが、下手すると3Gよりも通信速度が遅くなることもあり、LTEの高速性を十分享受できていない、と考えるとやはり不満があります。
とは言えレイテンシ(Ping値)が小さいため反応が非常に速く、上り通信速度は3Gに比べ圧倒的に速いので、そういったところでは(かなり割高な白ロム端末を購入してまで)LTEを導入した価値はあったので、後悔はしていませんが、LTEの優位性を十分に感じられるよう10Mbps程度は普通に出るようにして欲しいところですね。
しかしこれによりはっきりしたことがあります。
それはMVNO各社とドコモのゲートウェイ間を接続している回線の容量が明らかなボトルネックになっている」こと。
3G接続ではほぼフルスピード(3Mbps以上)が出るにもかかわらず、LTEではさほど通信速度が出ない、ということから考えると、3Gではさほど問題とならない回線容量の少なさがLTEではそのハイスペック故に如実に表われてしまう、ということのようです。
それならユーザー数が少ない深夜、早朝は通信速度が出るのか、と思い2:00頃スピードテストをしてみましたが、通信速度はあまり変わりませんでした。
以前b-mobile 3Gを利用していた際は深夜、早朝は速度制限がかからず快適に利用できたので、IIJmioも同じか、と思ったのですが…
そういうこともあり、LTEに割り当てられている周波数幅による最大通信速度の差も実パフォーマンスにはほとんど影響しません。
実際10MHz幅(最大下り通信速度75Mbps:2100MHzバンド)が割り当てられている場所でスピードテストを行なっても、これまた通信速度の向上は見られず、これからするとMVNOで利用する限りはLTEへの割り当て周波数幅は気にする必要はなさそうです。
スピードテストを行なった場所が場所(ヨドバシ博多店内:しかも日曜)だけにLTE回線自体の混雑が原因の可能性もありますが、同じ場所で3Gだと4Mbps近く出るんだよな…
LTEの通信パフォーマンスをフルに享受したいのならMNOと直接契約しろ、と言われているようで悔しいですが、利用料金が安く、契約期間による縛りもないですから、それとのトレードオフ、と考えるしかないですね。
ちなみに通信速度が大幅に低下する平日昼食時(12:00〜13:00)の通信パフォーマンスはというと…

6/17〜28の2週間LTE/3G両方でスピードテストを実行してみましたが(場所は日によって異なる。 3Gで500Kbps以上の上り速度が出ている日はHSUPA対応エリア(天神)で測定)、私がIIJmioの契約をファミリーシェアプランに切り替えた直後のような極端なパフォーマンス低下はしておらず、最低限実用に堪える速度を確保できています。
ビックカメラでもIIJmio回線を利用したMVNOサービスの提供が開始されたこともあり、それに伴い回線容量を増やしたことで多少余裕が出てきた、ということかも知れませんが、通信パフォーマンスが実用に堪えない程低下しても大した回線増強を行なわない同業他社と比べきちんとした対応をしているのがIIJmioのいいところ。
IIJには今後もユーザー数の増加に見合った回線容量の増強を行なって、極端に通信パフォーマンスが低下しないようにしてもらいたいところです。


(総合図書館ベンチ)

私が新端末を導入した際に必ず行なうことにしている福岡総合図書館での電波受信感度テスト、自称「総合図書館ベンチ」ですが、電波状況がよくないここではさすがにLTEでの接続はできず、3Gに落ちてしまいます。

Galaxy Note GT-N7000ではFOMAプラスを掴んだ状態でアンテナマーク2本、電波強度は-106dBmの状態でL-03Eは3Gでアンテナマークフル点灯(L-04D Monitorでの表示。端末上でも同様)となっており、それだけ見ると受信感度は悪くない、と思われます。
しかしGalaxy Noteで-106dBmの電波強度でアンテナマークフル点灯、ということから考えるとL-03Eのアンテナマーク表示の閾値はかなり甘いようです。
とは言え実際の利用では圏外ギリギリのところでも粘って接続を維持する傾向がありますから、アンテナマーク表示の閾値が甘いとはいっても実際の受信感度はそれ程悪くない、と思われますが、dBm値で比較できないため断言はできません。
余談ですがL-04D Monitorのアンテナマーク表示と、端末上のアンテナマーク表示は目盛り数が異なるため(前者は4段階、後者は3段階)、それから考えるとL-04D Monitorは電波強度情報をdBm値で読み取っていて、それを独自にアンテナマーク表示に変換しているのかも、と思うのですが、もしそうなら電波強度をdBm値で表示するオプションも欲しいところですね。
そんなものを欲しがるのは私ぐらいかも知れませんが…
そしてこれによってもう一つ分かったのがドコモのLTEはまだ3G同様の800/2100MHzのマルチバンド展開にはなっておらず、都市部は2100MHzのみ、過疎地は800MHzのみ、というエリア展開になっていること(1500MHzが利用可能になっている地域では1500/2100MHzのマルチバンドで展開されているところもあるのかも)。
福岡市総合図書館内では基本的に3Gで接続され、希にLTEに切り替わる、という挙動を見せていたので、うまく2100MHzの電波を受信できた場合はLTE、それができない場合は3G(800MHz)で接続されていたと思われます。
それからすると現状では実家でのLTE利用は厳しいかな、と思わざるを得ません。
FOMAプラス非対応の端末(2100MHzでのみ利用可)ではほぼ圏外になってしまい、FOMAプラス対応端末では800MHzでの接続になってしまいますから、恐らく3Gに落ちてしまい、LTEの利用はできない可能性大。
これに関しては帰省してみないと真相は分かりませんが、ドコモのLTEが800/2100MHzのマルチバンド展開を開始する、もしくは1500MHzバンドによるサービスが開始されるまでは実家でのネット接続手段としてイーモバイルは手放せないのかな、と思いますね。