本格利用で分かったドコモLTEの弱点

Galaxy Note 3(SM-N9005)を導入したことでようやく本当のLTEデビューを果たしたわけですが、それによって分かってきたことがあるのでそれについてまとめてみます。


私のGalaxy Note 3は上記の通り海外版なので、ドコモ回線では2100MHz(Band1)しか利用できませんが(1800MHz Band3サービスは東名阪のみ)、それでLTEにつながらなくて困る、といったことは日常の生活範囲ではほとんどなく、屋外ではほぼ常にLTEで接続できています。

通信速度もドコモ純正回線だけあって非常に高速で、スピードテストの最高記録はこのように下り60Mbps近い値を記録。
これまで大した通信速度が出ず、MVNOだからダメなんだ、と思っていたIIJmio SIMの利用においても条件がよければ30Mbps以上の速度が出、これまで通信速度がイマイチだったのは端末(L-03E)と混み合う2.4GHzバンドWiFi経由であることが原因だった、ということが判明した、ということもありました。


しかしGalaxy Note 3LTEの電波受信感度が低いのが難点。
その上アンテナマーク表示がシビアで、アンテナマークがフル点灯することが滅多にない(-80dBm以上の電波強度が必要)、というのもいただけない。
自宅ではLTEのアンテナマーク表示は2〜3本で、電波強度は-90dBm程度、といった状態で、当然通信パフォーマンスもイマイチ(よくて下り15Mbps程度)。
ドコモ純正LTE回線を入手するためにMNPで手に入れたXperia Z1fではアンテナマークはフル点灯でしたし(ドナドナする前にTestModeでチェックしておかなかったのが悔やまれる)、ドコモショップ等でXperia Z2などと比較しても明らかに受信感度が低い。
購入前に「海外版Note 3は電波受信感度が低い」といった情報を得ていたので、気になってドコモ版Note 3と比較してみましたが、電波受信感度はほぼ変わらず、これは海外版なのが原因ではなくGalaxy Note 3という端末のハードウェアの問題、ということが分かりました。

家電量販店でSIMが挿してあったドコモ版Note 3(SC-01F、右)と比較しているところ。
私の海外版が-66dBm、ドコモ版が-65dBmですからほとんど変わりません。
余談ですがどこの展示機を見てもドコモ版が帯域幅が15MHzあり、より高速な通信が可能な1500MHz(Band21)を掴んでいないのが不満(Band1のみ対応の端末のために帯域空けろ!!)。
ちなみに3Gオンリーに切り替えると電波受信感度は他の端末(Galaxy S II/Note)とほとんど変わらず、なぜLTEだけ電波受信感度が低いのか不思議でなりません。


そういうこともあってか室内でのLTEの掴みが非常に悪く、頻繁に3Gへ落ちてしまいます(その3GもFOMAプラス非対応であることもあり圏内ギリギリのケースが多い)。
元々ドコモは建物内のカバレッジが弱いのが欠点なので(どうにかしろドコモ)、それはまぁ許せるのですが、許せないのが3Gでそれなりの受信感度(アンテナマーク3本点灯とか)であるにもかかわらず微弱なLTEの電波に切り替わりアンテナマーク1本になる、といったことが頻発すること。
この状態だと3Gの方が通信パフォーマンスがいいのに、なぜわざわざそれを悪化させるようなことをするのか、と毎回怒りを覚えます。
もし3Gを優先し、LTEの電波が微弱な場合はそれに切り替わらない、という設定だとLTEカバレッジが狭く見えてしまうから、というのが理由だと思うのですが、実際はそれがユーザーの使い心地を損なっているわけですからいかがなものか、と思ってしまいます。
隠しコマンド等でLTE優先か3G優先かを選べるといいのにな(もちろん私は後者に設定)、と思わずにはいられません。
とは言えこれはGSMがサービスされている海外ではありがちなことであり(私も海外で「やたらと通信速度が遅いなぁ」と思ったらGSM(しかもEDGE非対応でGPRS)を掴んでいた、といったことがありましたし)、その問題がGSMがサービスされていない日本ではこれまで顕在化しておらず、LTEが導入されたことで顕在化した、というだけのことでしょうが。
こんな状態でVoLTEを始めて大丈夫か、と心配になります。
あまりに腹が立つのでいっそのこと3Gオンリーに切り替えようか、と思うこともあるのですが、ドコモはLTEに注力するために3Gへの投資をケチり、HSPA+やHSUPAといった3Gの高速通信規格を導入していない(後者は導入されているものの利用可能エリアが極端に狭いのでないも同然)ためLTEからの落差が大きく、特に上りが遅いためさすがにそれはやっていません。
海外だとDC-HSPA+及び5.76Mbps HSUPAを導入し実測通信速度が下り10Mbps、上り3Mbps程度出るケースも多く(レイテンシは100msを切ることも)、これだけの速度が出ればLTEが利用できなくてもさほど不満がないため、いっそ日常的には3Gオンリーで利用し、LTEの電波状態がいいところでのみLTEに切り替える、という利用法も選択肢になり得るのですが、上りが非常に遅いドコモの3Gだとそういう気にはなりません(上りが360Kbps程度じゃなぁ)。


先日の久々のエントリで「LTEよりもFOMAプラスの方が重要」と書いたのがこういったことが理由。
それ故Galaxy Note 3を補完する端末としてLTE対応のL-03Eではなく、LTE非対応のためたとえ通信スペックが劣っていても、微弱なLTEを掴んでしまい通信速度が低下してイライラする、といったことがないGalaxy S IIを選んだのです。
そういったこともありドコモにはLTEの室内カバレッジを(そしてSoftBankにも劣る3Gカバレッジも)改善し、LTEを掴めないために3Gに落ちる、といったことが発生しないようにしてもらいたいものです。
そしてGalaxy Note 3LTE受信感度を改善したファームウェアが提供されれば、と思うところ。
香港版Note 3に新バージョンのKitKatファームが出ているので(ダウンロード済)、アップデートした方がいいかな、とも思うのですが、一度KitKatにアップデートするとそれが不満でもJelly Beanには戻せないのがネック。
しかしいずれアップデートしないといけない時が来るのでしょうが…


それにしてもドコモの屋外カバレッジは国内最強なのに、建物内のカバレッジは最弱クラス、というのは本当解せません。