先日発売されたiPhoneの新モデルiPhone 8/8 Plus。
そのiPhone 8/8 Plus(そして11月発売予定のiPhone Xも)、au回線での3G(CDMA2000)回線の利用ができなくなり、LTEのみの対応(音声通話はVoLTEで行なう)になりました。
とは言えau向けAndroid端末では既にそうなっており、iPhoneもそれと同じになるだけなので今更とも言える話なのですが…
しかしそれにより3Gでしか通信できないところで利用できなくなる、つまりこれまでのiPhoneよりもカバレッジが狭くなることを危惧する意見が改めて出るようになりました。
CDMA2000対応端末であってもデータ通信はLTEでしか行えないUQ Mobileユーザーの私も同意見です。
au LTE回線の最大の弱点は屋内カバレッジの貧弱さで、とにかく屋内でLTEが圏外になるケースが多い。
福岡市の東隣、新宮町にあるIKEA店内でLTEが圏外になり、3Gに落ちて(UQ Mobile回線のため)データ通信ができなくなっているところ。
屋内でUQ Mobile回線を運用しているGalaxy Note 3(SCL22)の画面を見るとLTEが圏外で、データ通信ができずやりたいことができなくてイライラ、ということが頻発してうんざりさせられます。
実家でも使えないし、いくら混雑時に通信速度が落ちないUQ Mobileとは言えこれでは… と言わざるを得ません。
恐らくauのメインLTEバンドである800MHz(Band 18/26)の建物内への伝播力を過信し、屋内基地局の整備を怠っているのが原因でしょう。
そういったこともあり、auのLTEカバレッジがイマイチな場所ではUQ Mobile回線を当てにせず、最初からIIJmio回線を利用するようになりました。
ドコモ回線利用のMVNOはau回線利用のそれとは異なり3Gでもデータ通信できるので、LTEカバレッジがイマイチで3Gに落ちるような場所でも通信速度は落ちるものの全くつながらない、といったことにはならないですからね。
しかしau側の考えはというと…
「半分以上はXに」「3Gは必要なし」――KDDI田中社長が語る「iPhone 8/8 Plus/X」 (1/2) - ITmedia Mobile
3Gなんかイラネ
だそうです。
社長がきちんと自社のサービスを利用していない、ということがバレてしまいましたね。
自社のサービスをきちんと使い、その実情を知っていれば絶対にこんなことは言えないはずだからです。
3G非対応でLTEオンリーだと様々な屋内施設内で圏外になりまくり、音声通話すら使えず非常に不便、という状況になるのですから当然です。
そしてそういった状況をどうにかしないと、という流れになりその貧弱な屋内カバレッジを改善すべく動くはずなのですが、社長すら問題を認識していないのですから期待薄でしょうね。
そもそも屋内LTEカバレッジがイマイチな現在の状況で3Gを切り捨てるなんて有り得ない、時期尚早としか言いようがない愚行です。
「携帯電話」なのに音声通話ができない、といったことはあってはならないのですから。
au回線利用のMVNO/UQ Mobileのようにデータ通信がLTEでしか行えない仕様、というのはまだ許せますが、LTEが圏外だと音声通話すらできなくなる、というのはLTEのカバレッジが3Gのそれ以上になり、LTEから3Gに落ちることが絶対にない状況が実現するまでは絶対に受け入れられません。
しかしauはそういう状況を自ら積極的に作っているのですから呆れます。
auは他社と異なり3GサービスにCDMA2000を採用していることもあり、3Gを早く止めたい、というのは理解できるのですが、あまりにも強引で拙速すぎるが故にこのような問題が起きている、ということをauは認識し、カバレッジの弱点を潰す努力をしてもらいたいものです。
回線の仕様、屋内カバレッジのイマイチさといったこともあり個人的にはau系回線はメインにしない方がいいな、と思うようになっていたのですが、今回の件で改めてそれを再認識しました。
特にMVNO/UQ Mobileではなく、au本体との契約は有り得ない、としか言いようがありません。
カバレッジにおいても使い勝手においても(音声通話、データ通信共に)3Gも利用できるドコモ系回線の方がはるかに優れているのですから。
とは言えUQ Mobileの通信パフォーマンスは非常に優れていて、データ回線としての魅力は非常に高いですから、それを活かした利用法に価値を見出すのがベターでしょうね。