光回線転用への道(その2)

間が空いてしまいましたが、フレッツ光+OCNからmioひかりへの回線転用についての話の続きです。


前回のエントリ:光回線転用への道(その1)


mioひかりのIIJmio SIM契約者向けの割引及びキャンペーン適用にはIIJmio SIMを契約しているmioIDでログインした状態で回線契約手続きをする必要があるので、それに従って手続きしました。
しかし手続き中に表示される月額料金が割引を反映したものになっておらず、本当に割引が適用されるのかが分からない、というのはいただけない。
とは言えそれ以外は特に問題なく回線転用手続きを済ませました。
次に手続き時に指定した日(9/3)に各種状況を確認し、回線開通日を決定するためのコンサルティングの電話がかかってくることになっていたのですが、これが0570番号(ナビダイヤル)からかかってくるというサプライズが。

私は各種セールスなどの迷惑電話を受けなくするためにフリーダイヤル等の番号をブロックする設定にしているのですが、そのブロックリストに0570で始まる番号を登録していたためその電話を受けられなかったのです。
よく考えてみるとボッタクリ料金がかかるナビダイヤル番号に折り返し電話するバカはいないのだから、ナビダイヤル番号でセールスの電話をかけてくるアホな奴はいない、ということでこの設定は無意味、ということもあり登録を解除。
そして再度電話がかかってくると思って待っていても全くかかってこない。
もしかして着信ブロックで即回線切断、といったことをしたので申し込みがキャンセルになった? と思ったものの4日後の9/7にようやくかかってきました。
申込時に指定しない限りは土日にコンサルティングの電話がかかってくることはない、ということのようです。
そこで回線開通日は3日後の9/10に決定。
その際契約手続き中に割引を反映した月額料金が表示されない件とコンサルティングの電話がナビダイヤル番号からかかってくる件について要改善とコールセンタースタッフに話しておきました。
後者に関しては最初に電話がかかってきた際に受けられず、その後なかなか電話がかかってこないのでこちらから電話してみよう、と思ってもナビダイヤル番号だと通話料金が高いためそれを躊躇してしまいますから。
ナビダイヤル番号への通話料金は非常に高い上に携帯だと通話定額プランや無料通信料を含むプランで契約していてもそれが適用されず別途従量課金(NTTコムから請求され、契約キャリアが代行徴収する)になりますからね。
って言うか消費者側のメリットがほとんどないナビダイヤルなんか滅んでしまえ、と思わずにはいられません。


そして回線開通日の9/10になっても回線転用元のOCNで接続され続けており、強制解約/回線切断にはなっていない。
ということでルーターの設定を変更し接続を切り替え、スピードテストをしてみるとこれが驚きの結果に。

これはその時の結果ではないのですが、夜は常時この程度の速度しか出ません。
試しに接続をOCNに切り替えてみると、上下共100Mbpsオーダーの速度が出るため、明らかにフレッツ回線の問題ではなくその先のISPの問題。
IIJは老舗のISPで品質に定評があり、MVNOサービスでも非常に高い評価を受けていますが、それなのにこの回線品質の低さは何だ、と言わざるを得ません。
これについてTwitterでぼやいていたら「mioひかりはゴミですよ」という返事を頂いたりするし…
IIJmioMVNOサービスをサービス開始当初から利用してその品質に満足していることもあり、当然固定ネット回線も品質が高いだろう、と思っていただけあってショックが大きく、それ程下調べせず回線転用を決めたことを後悔してしまいました。


mioひかり回線の通信速度を夜の時間帯にその他の回線と比較してみると…

mioひかり

OCN

IIJmio MVNO回線(3G)

IIJmio MVNO回線(LTE)
とにかくmioひかり回線の通信速度の遅さが際立っています。
同じ光回線であるOCNと比較すると下り通信速度は2ケタ異なり、1/80程の速度しか出ていませんし、同じIIJmioMVNOモバイル回線にも劣るという結果には呆れて物が言えません。
下り通信速度がLTEよりはるかに劣り、3Gと同程度しか出ない光回線、って一体何だよ、そんなの有り得ない、と思ったのは言うまでもありません。
当然これだけ通信速度が遅いと実用でも明らかな悪影響が出てしまいます。
テキスト中心のサイトを見る分にはそれ程違和感はないですが、レイテンシが長くなる分反応は鈍いですし、動画視聴や大容量ファイルのダウンロードといった通信速度が物を言う用途は厳しい。
本当困ってしまいます。
それ故mioひかりを見限ってまだ回線契約が生きていてまともな通信速度が出るOCNで接続するようになってしまいました(とは言え既にOCNの解約手続きをしたので今月末までしか使えませんが)。


この通信速度の遅さは夜の時間帯に限らず、固定ネット回線が混み合わない昼の時間帯であっても遅い。

mioひかり

OCN
夜の時間帯のような極端な通信速度の落ち込みはなく、実用上全く問題ない速度が出ているとはいえ下りはOCNの半分程の通信速度しか出ていない。
しかし上りはほとんど変わらない通信速度が出ている(このスピードテストの結果ではむしろ高速)にもかかわらず下りがかなり遅くなる、というのは何か裏があるな、という疑念が生まれてきます。
自宅の回線インフラは同じなので(私の場合は回線転用なので当然)、これ程までの通信速度の差が出る原因はもしかして光コラボという契約/回線形態なのでは、と思い調べてみるとドコモ光など他の光コラボ回線でも通信速度が遅い、という話がいくつか見つかりました。
つまり光コラボでは通常のフレッツ契約とはネットに接続されるまでの通信経路が異なり、NTT東西のフレッツ網(地域NGN網)とISPの間に光コラボ用のゲートウェイがあって、それを光コラボプランを提供するISPが共用することでコストを抑えることができるものの、それが混み合う時間帯には通信上のボトルネックとなり通信速度が低下する原因となってしまう、つまり通常のフレッツ契約だと

ユーザー→地域NGN網→ISPゲートウェイ→ネット

という通信経路なのに対し光コラボだと

ユーザー→地域NGN光コラボのゲートウェイISPゲートウェイ→ネット

となっていて、混み合う時間帯は赤い部分がボトルネックとなってしまうのではないか、というわけです。
とは言え調べてみてもこれに関する情報は見つけられなかったので、あくまで推測でしかありませんが。
この仕組み、何だか携帯のMNO純正契約とMVNOの違いみたいだな…


ということで結論ですが、個人的にはmioひかりに限らず光コラボプランはお勧めできない、と言うか契約してはいけない、ということになります。
現在フレッツ光を利用中の人はいくら料金が安くなると言っても回線転用してはいけませんし、現在光回線の導入を考えている人は選択肢から外す方が無難でしょう。
IIJmioという回線品質に定評のあるISPであってもこれですから、他のISPは推して知るべし、契約して後悔すること請け合いです。


それにしてもこれ程通信パフォーマンスが低いと品質の高さが売りであるはずのIIJmioというブランド及びIIJという企業の価値を棄損してしまう、と思わずにはいられません。
ですからIIJには早急にmioひかりの混雑時間帯の通信パフォーマンスの大幅な改善を望みたいところです。
これは他の光コラボプランを提供するISPも同様。
ISPは「ベストエフォートなんだから仕方ないだろ」と開き直っているのかも知れませんが、いくらベストエフォートとは言え混雑時にはMVNOモバイル回線の3G接続並みの下り通信速度しか出ない、というのはユーザーが期待する光回線の通信速度ではないのは明らかで、ベストエフォートという言い訳が通用しないレベルでしょう。
つまりベストエフォートのサービスですから、混雑時等に通信速度が遅くなる、というのは理解できるものの(それを受け入れて契約しているのですから当然)、それも程度問題、ということです。


あと気になるのが速度低下する時間が長い、ということ。
17:00頃から速度が低下し始め、速度が低下した状態が翌2:00(26:00)辺りまで続く。
UQ Mobileを除くMVNOモバイル回線は通信速度が極端に低下するのは平日昼食時間帯(12:00〜13:00)のみであり、その時間帯以外は夕方の帰宅時間帯などに速度低下することはあっても実用に支障が出る程ではないのでそれ程不満が出ることはなく、しかも料金はMNOの数分の一なので納得できますが、毎日9時間近くも速度低下した状態での利用を強いられる上に料金がそれ程安くなるわけではない(キャンペーン等を利用しない定価だと1割引ぐらい?)というのはさすがにきつい。
そしてmioひかりの場合は契約縛りがゆるく、2年以内の解約の場合5000円の違約金がかかるだけなので(2年縛りの自動更新はなし、ただし回線敷設工事を伴う場合はその違約金/残債の支払いが発生する場合あり)回線品質に不満を持ったユーザーが「こんなクソ回線から離れられるのなら5000円ぐらい喜んで払うわ」と言って解約し、他のサービスに乗り換えられてしまう(そしてその悪評をネットでバラ撒く)ケースが多発することが容易に予想できます。
つまりそれはブランド及び企業価値が棄損される、ということであり、それを防ぎユーザーの満足度を高める(そして新規ユーザーを獲得する)ためにもmioひかり及び光コラボプランを提供するISP各社は混雑時の通信パフォーマンスを大幅に上げてもらいたいものです。
非常に大事なことなので二回書きました。
私自身もあまりの通信パフォーマンスの低さに違約金を払ってでも乗り換えたい気分なのですが(違約金5000円は「光コラボ回線はゴミ」ということを学んだ授業料と考えれば割り切れる)、解約しなくてもこの問題を解決できる方法はあるのでそれで乗り切ろうか、と思っているところです。
上で「mioひかりを見限ってOCNでつないでいる」と書いたので、その方法が何なのか気づいた方もいるかも知れませんが…
もしかしたらこの件については(その3)としてまとめるかも。


最後に余談ですが、今回固定ネット回線、特に光コラボ回線について調べていると意外に情報が少ないことに驚きました。
光コラボ回線についてはサービス提供開始から半年程しか経っていないので情報が少ないのも分かるのですが、とにかく固定ネット回線についての情報自体が減っている、という感じがします。
価格.comなどを見ても古い情報ばかり並んでいたりしますし…
SoftBank光はクソ」という情報はたくさん流れていますが、それ以外の光コラボプラン提供ISPの情報は少ないですからね(携帯キャリア以外が提供する光コラボプランは特に)。
そういうこともあって「光コラボ回線は通信パフォーマンスがイマイチ」という情報があまり行き渡ってないのではないかと思います。
それと最近ではFTTHが一般的になって一般的な利用においては十分過ぎる通信速度が出るようになったこともあり、それ程ISPの差を気にする必要がなくなった、というのもあるでしょう。
実際私が利用していたOCNも通信速度がイマイチと言われながら実際にはそれ程でもなかったですし。
とは言えたまにmioひかり以上に通信速度が遅くなる(そしてレイテンシが200ms以上になったりする)こともありましたが…
そして気になったのが「ISP比較、紹介記事/サイトにはアフィリエイト目的で都合の悪いことは書かれていないことが多い」といった情報。
アフィリエイト云々は執筆者/サイト開設者の考え方もありますからそれを否定することはないですが、それによって情報が歪められるのはなぁ、と私は感じます。
私は以前友人に「ブログの内容を充実させてアフィリエイトを貼れば小遣い稼ぎできるじゃん」と言われたことがありますが、アフィリエイトが絡むと書きたいことが書けなくなる、という理由で導入していません(無料アカウントですし)。
私のブログ運営ポリシーは「自分の書きたいことを書く」なので、それを曲げることはしたくないですから。


さてあと1時間半程でOCNともお別れ、明日からクソ遅いmioひかりしか使えない生活が始まるとなると憂鬱…