住信SBIデビットカードをナンバーレスカードに切り替え

GW前に住信SBIネット銀行(住信SBI)のデビットカードを今年3月下旬から発行開始されたナンバーレスカードに切り替えました。

表面。

ナンバーレスカードなので当然カード番号などの記載はなし。

裏面。

記載されているデビットカードに関する情報はカード保有者名と口座がある支店名のみ。

それ以外のデビットカード番号、セキュリティーコード(CVV)といった情報はスマホアプリで確認する仕組みになっています。

非常にスッキリしたデザインで、カード裏面も表面と同色で安っぽさを感じさせないのがいいですね。

率先して使いたくなる優れたカードデザインと言えます。

 

ナンバーレスカードへの切り替えはWebサイト/スマホアプリから「カード不良」を理由とした再発行を申請すればOK。

費用は無料で、今回の私のケースでは新カード到着まで1週間程。

カード再発行手続きの途中で「再発行申請が受理されるとその時点で現在のカードは使えなくなる」という警告が出るのですが、実際には新カードが届くまで利用可能でした。

デビットカード番号が強制的に変更になる紛失、盗難、不正利用によるカード再発行の場合は当然使えなくなりますが、カード不良による再発行の場合はカード番号が変わらないので旧カードを使い続けられる、という事のようです。

しかし有効期限は再発行のタイミングに基づいたものに変更され(つまり延長される)、セキュリティーコードも変更されるのでスマホアプリで再度確認する必要があります。

カードの有効期限、セキュリティーコードが変更になるとデビットカードで行っていた自動支払いの類ができなくなる(カード情報を更新する必要がある)可能性があるのですが、Revolutのオートチャージ、モバイルPASMOの手動チャージはカード切り替え後もこれまで通り(カード情報の更新なしに)行なう事ができました。

 

話は変わりますが、今回のデビットカードのナンバーレスデザインへの変更と同時に住信SBIが改悪をぶっこんで来ました。

今年10月から実カードの発行に手数料を取るとのことです(11000円/年の会費がかかるプラチナデビットカードの発行手数料は無料)。

 

住信SBI銀、スマホデビット即時発行。カードレス推進 - Impress Watch


企業が環境、エコ、SDGs云々言うのは所詮は自分たちのビジネスのためであり、本当の意味での環境保護のためではない、つまり"Just for business,not for the environment"であると信じている私としては「何がカードレス化でプラスチック削減を実現しエコだ、ふざけんな」と思ったのは言うまでもありません。

そもそも環境保護を目的としてプラスチック削減を目指すのであればプラチナデビットカードに対しても発行手数料を取らないとおかしいですし。

要するに実カードの発行数を減らす事でコスト削減を実現したいだけで、そのためには顧客に不便を強いても構わない、「環境保護のため」といえば文句を言わないだろうと客を舐めているとしか思えません。

発表時点ではGoogle Pay(GPay)にもApple Payにも対応せず、実店舗でデビットカードを利用する手段がないと使い物にならなかったですし、それ以前に非接触決済のみで日常の買い物ニーズを満たせるような状況にもなっていない現状では実カードは絶対に必要なのですから。

ネット専業銀行としてのサービス内容が非常に優れている銀行だけに本当残念です。

まぁ私は既に実カードを持っているので影響を受けませんが…

これから住信SBIの口座を新規開設したいと思っている方は9月中に口座開設し、それと同時に実カードを申し込むようにしましょう。

それ以前に客に不便を強いるだけで、単なる住信SBIの自己満でしかないこの改悪を撤回してもらいたいものですが…

 

とここまで住信SBIの環境保護にかこつけた改悪を批判してきましたが、これにより住信SBIは「スマホファースト銀行」としての立ち位置を確立したと言えそうです。

とは言え既にそうなっており、スマホアプリを利用していないといくら預金残高があろうがプラチナデビットカードを発行しようが何しようが顧客ランク(スマプロランク)は最低ランクの1にしかならず(逆にスマホアプリを利用するだけでランクが2になる)、言い換えると「スマホアプリを使ってない人は客じゃない」というスタンス。

そしてナンバーレスデビットカードスマホアプリがなければカード情報を確認できないため実店舗以外では利用できませんし。

PCからログインしデビットカード情報を確認しようとするとこのようなエラーメッセージが出てしまいます。

しかしみんなの銀行のような「スマホ専用銀行」ではないので、スマホアプリだけでなくWebサイトからもほとんどのサービスを利用可能なため「スマホを紛失したりすると詰む」といった事はないのはいいところ。

そういう意味ではバランスが取れています。

 

上に「実カード発行有料化発表時点ではGPayにもApple Payにも対応しなかった」と書きましたが、その後Apple Pay、少し遅れてGPayに対応しました。

有料で実カードを発行しないと実店舗で利用する手段がない、というのは有り得ないのでGPay/Apple Pay対応は当然ですし、いずれ対応するだろうと思っていましたが…

しかしGPayはApple Payに比べ圧倒的にサービス内容が劣るのがAndroidユーザーとしては腹が立つ。

Apple PayではMasterCard Contactless(以下MCCLと略)とiDの2つの非接触決済サービスに対応するのに、GPayではMMCLのみの対応。

Apple Pay対応の発表時に「iDにも対応するのか、それだと以前から住信SBIデビットカードでチャージでき、iDが付与されるキャッシュレス決済手段を探しているので好都合」と思っていたらGPayではiD非対応。

GPayでは一つのカードに複数の決済手段を付与する事ができないためこのような仕様になっているとの事ですが、本当がっかりさせられました。

 

とは言えGPayへの対応が発表されるとすぐ登録を行ない、利用してみました。

しかしその挙動がかなり変。

まずMMCLに対応しているのに利用できない店舗がある事。

そのような店舗でNFC Pay払いするためにスマホをリーダーにかざすとスマホ側でこのような表示が出てしまい決済できません。

もしかして端末のロックを解除する必要がある? と思い、ロック解除してからかざしてみても結果は同じ。

ちなみに決済端末側では決済処理待ち状態になったままフリーズしたようになります。

こうなると一旦決済をキャンセルして再度始めからやり直すか、実カードをかざし直すしかなくなります。

もちろん実カードのMCCLや、GPayのVISA Contactlessは問題なく利用可能。

なのにGPayのMCCLは使えない。

本当謎です。

この症状、今のところダイソーでしか出くわしていませんが、今まで利用したことのない店舗で使おうとすると「また同じ症状が出るのではないか」と思ってしまい、通常の有人レジだとレジ店員に余計な手間をかけさせる事になるよなぁ、と余計な心配をしてしまいます。

そして利用後GPayの利用通知がなく、利用履歴も残らない事。

これについては決済後デビットカード利用通知メールが飛んできますし、スマホアプリにも通知が来ますから(私はOFFにしてますが)そちらで管理すれば済むとも言えるのでそれ程問題ではないかも知れませんが、本来の挙動とは異なる、というのは確か。

最後に利用通知のメールに利用店舗名が記載される事。

日本におけるMasterCardデビットカードの仕様で国内店舗で利用した際の住信SBIデビットカードの利用通知メールには利用店舗名が記載されませんが(いい加減このクソ仕様を直せMasterCard)、GPayのMCCLだと利用店舗名が(ローマ字で)記載されるのです。

そして決済が確定し、利用店舗名が明細に載っても利用店舗名の記載はローマ字のまま。

つまり海外決済として扱われている、という事になるのですが、なぜこのような仕様になっているのかが謎ですし、この「日本国内での利用なのに海外決済として扱われてしまう」仕様がダイソーなどで決済が通らない原因でしょうね。

とにかく現状ではサービス内容が荒削り過ぎて、同じGPayでもVISA Contactlessに比べ圧倒的に劣るのが難点。

その中でもMCCLに対応していながら利用できない店舗がある、というのは致命的。

住信SBI、Google及びMasterCardには早急な修正を望むところです。

 

って言うかGPayの仕様でMCCLまたはiD、いずれか一つにしか対応できないのであればMCCLではなくiDに対応して欲しかった、と思わずにはいられません。

MCCLは実カードで対応できるので、GPayはiDに対応する方が利用の幅が広がりより便利なのに、なぜわざわざ初物で各種トラブルを起こす可能性が有り得るMCCLを選択したのかが謎です。

それ以前に一つの決済サービス/カードに複数の決済手段を割り当てる事ができないGPayの仕様が諸悪の根源ですが…

GoogleがGPayに対応する新規の決済サービス向けにiD/QUICPayを提供したがらなくなった」というTwitterのフォロワー情報があるのですが、そんな事をするとライバルのApple Payに(既に劣っているサービス内容が)更に劣ることになり、ただでさえiPhoneのシェアが高い日本において競争にならないと思うのですが。

しかし今後GPayが全面的に刷新され、Walletという新サービスに置き換わるとの事なので、その暁にはここに挙げたGPayの不満点が解消される事を期待していますが、そもそもGoogleに決済サービスへのやる気がなさそうなので、あまり期待しない方がいいのかなぁ。