b-mobile WiFiインプレ

先日の休みにお出かけした際にb-mobile WiFiを持って行ったので、出先で使ってみました。
そこでb-mobile 3Gのファーストインプレッションを。
ちなみに使用したSIMはb-mobile 3G SIM、クライアントとして使った端末はMilestoneとiPhone 3GSです。

(外観/UI)
b-mobile WiFiには動作状態を示す4つのLEDと2つのボタンしかなく、非常にシンプルな端末です。
外観も高級感といったものはなく、値段相当、といった感じ。
D25HWは動作状態を表示するディスプレイを搭載していることもあり動作状態が分かりやすいですが、b-mobile WiFiの4つのLEDでも基本的な動作状態は分かるので、大きな問題ではありません(Huawei E5830も同じような仕様ですし)。
とは言え詳細なバッテリー残量や電波状態が分かりづらいので、もう少しLED表示の種類を増やして分かりやすくして欲しかった、とは思います。
そしてマニュアルを見る限りでは3G/GSMのどちらで接続されているかの区別が付かないので、これもちょっとなぁ、というところ。
実際にはLED表示の色が違う、などで分かるようになっているかも知れませんが、GSMがサービスされている国に行かないと確認できませんし…
海外版ZTE MF30のマニュアルを入手して確認したいところです(本家ZTEのサイトにもまだMF30に関する情報はない)。
対応周波数バンドから考えると(詳しくは下記)、b-mobile 3GのUSBモデム(ZTE MF626)同様オーストラリアのTelstraからも発売されると思うので、そこから情報を仕入れられそうです。


(SIMロックについて)
b-mobile WiFiSIMロックフリー端末として発売されていますから、当然どのキャリアのSIMでも使えます。
(b-mobile WiFiが対応する周波数/通信方式でサービスが提供されている、という条件が付きますが)

これはお約束? b-mobile WiFiSoftBank SIMで使っているところ。
そして3HKプリペイドSIMでも試しましたが、ちゃんと使えました(いろいろ試していたら、プリペイド残高がHK$100近く減っていた…)。


(バッテリー駆動時間)
カタログスペック上は連続通信時の駆動時間は約4時間、となっています。
先日の休みに使った際は9:00頃に電源を入れてずっと電源ON状態にしてGoogle Maps MobileやWebで調べ物、といった使い方をしていたところ16:15頃バッテリー切れで電源がOFFになりました。
つまり7時間ちょい稼働した、ということになります。
もちろんもっと通信量が多いとバッテリーの減りは早いでしょうが、それでもD25HWよりは長く使えそうです。
(と言うより私のD25HW、バッテリーが持たなすぎ!!)
そしてバッテリーの充電も一般的なUSB充電アダプターやUSB出力のモバイルバッテリーで充電可能で、充電ケーブルを選ぶ、ということもないので、癖がなく扱いやすいです。
それに対しHuawei E5830はバッテリー充電に非常に癖のある端末、と言われていますから、この点はいいですね。
D25HWはそのようなことはないのに、どうしてなんでしょうか。


(電源、通信管理)
D25HWは一定時間(管理画面から設定可能)データ通信がない時はパケット通信WiFiが自動的にOFFになり、節電モードに入ります。
そしてこの状態から再度通信する必要が出た際はCONNECTボタンを押してWiFiをONにした上でWiFi接続している端末から通信リクエストすると再度パケット接続されます。
しかしb-mobile WiFiにはこのような機能はありません。
電源を入れている状態では常にWiFiとパケット接続がされた状態で、端末からの接続を待っている状態になります。
つまり電源のON/OFFでWiFiパケット通信のON/OFFを行う、ということになります。
しかしこれだと電源OFF状態の時に使いたくてもすぐに使えないので(電源ONしてからWiFi接続できるようになるまで1分程かかる)、できれば電源ON状態で通信のON/OFFが可能(できれば自動で)な方がいいのですが、電源ONなら使える、OFFなら使えないというのはシンプルで、これはこれで理にかなっています。
とは言えやっぱりこれはちょっといただけないかな。
コストダウンのための仕様、と言えなくもないですが…
ファームウエアアップデートで改善されるといいのですが、管理画面にファームウエアアップデートのメニューがない…
そして常時パケット接続された状態、ということはb-mobile 3Gなどパケット通信が時間課金制のSIMだと電源を入れている間ずっと課金される、ということになるので要注意。
つまり私は今回b-mobile 3Gのチャージを7時間以上使ったことになります(まぁ有効期間は残り1ヶ月程で、しかも利用可能時間はたっぷり余っているので問題ないですが)。


(利用可能周波数)
カタログスペック上ではb-mobile WiFiの3G/HSPAの対応周波数は2100/800MHzのデュアルバンドとなっていますが、管理画面からダウンロードできるPDFマニュアルでは2100/1900/800MHzのトライバンドとなっています。
海外版ZTE MF30では対応周波数が2100/1900/850MHzのトライバンドとのことなので、恐らく後者が正しいと思われます(850MHz対応を800MHz対応に変えたのがb-mobile版、ということのよう)。
海外版ZTE MF30の対応周波数に関する情報元はこちら
つまりb-mobile WiFiは北米の1900MHz帯3G/HSPAでも利用できる、ということになります。
Huawei E5830の3G/HSPA対応は2100MHzのみのシングルバンド(=北米ではGSMのみ)ですから、これはb-mobile WiFiの優位な点となりそうです。


(ルーターとしての機能)
b-mobile WiFiにはWiFiルーターとしての機能は一通り揃っていますが、D25HWと比べるとDMZホスト機能や独立したMACアドレスフィルタリング機能といったものが搭載されておらず、少々劣ります。
(後者はファイアーウオール機能でMACアドレスによる接続許可/拒否を設定すれば同様のことはできますが、設定が少々面倒)
そのため設定画面でも設定項目はそれ程多くありません。
そして初期状態ではWiFiの暗号化がOFFになっているため、初期設定の際は注意が必要です(D25HWは初期状態でWEPが有効)。
特に日本通信が提供するSIM(b-mobile U300やb-mobile 3G)を使う場合はパケット接続設定がプリセットされていて、電源を入れるだけですぐにネット接続が可能になっていますから、注意が必要です。
最初はSIMを挿さずに電源を入れて初期設定を行い、それが済んでからSIMを挿して運用開始、という方法を取るのがいいかも知れません。
管理画面へは他のルーター同様、ブラウザからアクセスします。
モバイルガジェットからの管理画面へのアクセスですが、iPhoneとMilestone(どちらも標準ブラウザ使用)からは問題なし。
これなら出先でb-mobile WiFiの設定変更が必要、というシチュエーションでも対応できます。
しかしNokia E90からは標準ブラウザ、Opera Mobileのどちらでも問題があり、b-mobile WiFiの管理には使えない、と言わざるを得ません。


(まとめ)
本体の作りは少々安っぽく、機能的にもD25HWに劣りますが、必要な機能は一通り搭載されているので、特に大きな問題があるわけではありません。
バッテリーの持ち(電源ON時は常時パケット/WiFi接続状態なのに!!)やHSPAトライバンド対応といった優れた点もありますし。
FOMAプラス(W-CDMA 800MHz)にも対応するSIMロックフリーモバイルWiFiルーター、ということを考えると十分価値があると思います。
買って損はなかったかな、と思っているところです。