マルチナンバーサービスを使ってみた(訂正あり)


先日ドコモショップで申し込んだマルチナンバーサービスについての続きです。


マルチナンバーサービスを申し込んでみた


結果から言うと、マルチナンバー非対応端末及び非ドコモ端末でも問題なく利用できました。
上の画像はドコモ音声SIMを挿したiPhone 3GSからマルチナンバーの付加回線を使ってSoftBankポストペイド回線SIMを挿したMilestoneに電話をかけてみたところ。
着信を受けているMilestoneにはちゃんとマルチナンバー付加回線の番号が通知されています。
逆にMilestoneからマルチナンバー付加回線の番号に電話をかけると、これまたちゃんと着信します。
iPhone以外にもAndroid端末(Galaxy S II海外版)、ノキア端末(N82NM706i)でも利用可能でした。


非ドコモ端末での利用方法はドコモが公開しているマルチナンバーの利用マニュアルとは異なります。
サービス非対応端末では発信電話番号にコマンドを付加して発信番号を切り替える方法を利用しますが、非ドコモ端末ではマニュアルにある発信番号切り替えコマンド(*59x#)がUSSDコマンドとして認識されてしまうため、発信できません。

ドコモのマニュアル通りのコマンドで発信すると、このようなエラーが出ます(画像はGalaxy S II海外版のもの)。
そのため以前紹介した


16.マルチナンバーは? - docomoでiPhoneを使おう!


にある通り、発信時に利用する番号を切り替えるコマンドの最後に「7」を付けて発信します。
つまり発信する際に電話番号の後に


基本番号(SIMの番号)で発信:*590#7
付加番号1で発信:*591#7
付加番号2で発信:*592#7


を付けて発信することによって発信する番号を切り替えます。
例えば「090-1234-5678」に電話をかける場合


基本番号で発信:09012345678*590#7
付加番号1で発信:09012345678*591#7
付加番号2で発信:09012345678*592#7


とダイヤルして発信します。
コマンドを付けない場合はデフォルトでは基本番号での発信(=*590#7を付けた場合と同じ)となります。
(デフォルト発信番号は*2002へダイヤルすることで変更可能)
しかし私が試した端末の中でNM706i(マルチナンバー非対応ドコモ端末)での挙動が変だったのが気になりました。
NM706iはドコモ端末ですから、マニュアル通りのコマンドで発信番号を切り替えることができるはずですが、私のNM706iではNGで、コマンドの最後に「7」を付けないと発信できませんでした。
もしかするとバンコクのMBKにある携帯修理屋でSIMロック解除したのが原因かも知れません。

上記のコマンドを付けた番号で電話帳に登録しておくことも可能ですから、発信先によって番号を使い分けるのも容易です。


一つの番号で通話中に別の番号からの着信を受けた場合、ビープ音がして着信があることを知らせます。
そして携帯のディスプレイにはその着信に対してどう対応するかを選択する画面が表示されます。
(発信側では呼び出し音が鳴る)

「着信を無視する」「通話を保留して電話を受ける」「通話を終了して電話を受ける」からの選択となります。
通話中に着信があった場合は相手に「ちょっと待って」と言ってディスプレイを確認し、それに対してどう対応するかを決めればいいわけです。
ただし着信を無視した場合(または着信に対応する前に相手が電話を切った場合)、その着信は不在着信として記録されないので注意が必要です。
(修正)通話中にもう一つの番号に着信し、それを受けられない場合はちゃんと不在着信として記録されます。


結論として、このサービスは使えます。
一つの回線(SIM)/端末で複数の番号を切り替えて利用できる、というのは単純に便利ですし、利用料金も安く(付加番号1つにつき525円+ユニバーサルサービス料)、付加番号からの発信にも契約料金プランに含まれる無料通信料が利用できる(ただし無料通信料利用の優先順位は基本番号の方が上)、という経済的なメリットもあります。
そして何と言っても普通の回線契約で課される2年縛りがなく、使い始めたい時にいつでも始められ、止めたい時はすぐに解約できる、というのが最大のメリットでしょう。
とは言え付加番号ではSMSが使えない、国際ローミング時の発信ができない(着信はできる)といったサービス上の制約がありますし、対応端末では可能な発信時のメニューから発信に使う番号を選んで発信できる(=コマンド入力による切り替えが不要)、着信時にどの番号への着信であるかをディスプレイで確認できる、といった機能が非対応端末では使えない、といったデメリットはありますが、個人的にはメリットの方が勝る、と思っています。
ということでいずれSoftBankポストペイド回線をMNPしてドコモ音声回線のマルチナンバー付加番号として追加することにするつもりです。


このマルチナンバーサービス、このように非常に便利なサービスでありながらほとんど知られていないのが残念、と言わざるを得ません。
このサービスで割り当てられる付加番号はドコモの交換局で切り替えられるだけのいわば「バーチャルナンバー」であることから実回線数にはカウントされず(よって回線純増数としてもカウントされない)、その上利用料金が安く、契約縛りもないためドコモとしては利用者が増えてもメリットが少なく、おいしくない、ということであまり知られたくないのでしょうね。