回線ダウングレード後のイーモバイル3G

以前イーモバイルからの発表がなされた際にエントリした通り、今月からLTEサービスがアップグレードされるのと引き替えに3Gサービスがダウングレードされました。
これまで10MHz幅が割り当てられ、DC-HSPA+(最大42Mbps)でサービスされていましたが、LTEに10MHz幅を割り当て最大75Mbpsでのサービスを全国的に提供するために3Gへの割り当てが5MHz幅に縮小され、HSPA+(最大21Mbps)によるサービスに変更されました。

このようにEMチャージの定額プラン選択画面でも「最大21Mbps」となっています。
今回の回線ダウングレードにより通信パフォーマンスがどれぐらい低下するのか、というのが気になったので、ちょうどいいタイミングで帰省したこともあり、それを検証してみることに。

帰省時に行なったスピードテストの結果(Android版Speedtest.netアプリを利用)。
平均通信速度は以前とあまり変わっておらず、HSPA+へのダウングレードの影響はあまりなさそうなのですが、5Mbpsを上回る下り通信速度は以前よりも出にくくなっており、ピーク通信速度には影響を与えている、と言えそうです。
そして上り通信速度は1.5〜1.8Mbpsの間でほぼ安定しており、以前は上り通信速度があまり出なかった実家でも今回はDropboxのPhoto Upload機能の利用やTwitterのつぶやきがスムーズに行えました。

ちなみにこれが今年正月に帰省した際のスピードテストの結果。
この時の方がピーク通信速度は上回っています。
しかしこの時は通信速度の変動が大きかった(特に実家での上り通信速度が振るわなかった)ため、それが平均速度を下げていますが。
そういったことから考えるとHSPA+へのダウングレードによりピーク通信速度は出にくくなったものの、逆に安定性は増した、と考えることができそうです。
というわけで今回の回線ダウングレードにより大幅に通信パフォーマンスが低下する、といったことはなかったのでとりあえずはOKですが、SoftBank傘下になったことにより更なる改悪がなされる可能性があるため、油断はできません。
もうしばらくしてから改めて検証する必要がありそうですね。

今回の帰省時のイーモバイル回線利用で出した最高通信速度。
帰宅前に博多駅博多口で出したものですが、下りは10Mbpsを越え、上りは何と3.7Mbps出ています。
レイテンシ(Ping値)も低く、再度試した際は100ms切りも出て、一瞬「これLTE?」と思った程でした。


それにしてもイーモバイル3G回線はしばらく未通信の状態(アイドル状態)から通信を開始すると反応速度が非常に遅くなる(=レイテンシが長くなる)のが非常に不満です。
これは以前からそうなのですが、全く改善されていないのはいただけません。
普通にスピードテストを実行するとPing値1000ms以上が出ることはザラですし、TwitterのTLを更新しようすると「更新中」という表示が出たまましばらくフリーズしたようになる、という症状が出たりします。
そうでない時はスムーズな通信ができるのですが、これにより通信の快適性が大きくスポイルされてしまいます。
そのため今回はスピードテスト実行前にTwitterのTLを更新してアイドル状態から復帰させ、その後すぐにスピードテストを実行、という方法でなるべくその影響が出ないようにしたのですが、それでもPing値が1000msを越えてしまうことがありました。
同じ3Gでもドコモ回線ではこのようなことは起きないので(しかしレイテンシはイーモバイルよりも長め)、どうしてイーモバイル回線ではこのような症状が出るのかが謎です。
イーモバイルが採用する基地局設備(Huawei製)の特性かな、とも思うのですが、それならHuawei製端末との相性はバッチリのはずなので、それはなさそうですし。
まさかプリペイドだから、ということはないだろうな…


そして今回の帰省では「イーモバイル3G回線の電波強度をdBm値で測ることができる端末」Xperia acro HDを使って実家でのイーモバイル3G回線の電波強度を厳密にチェックしてみました。
GP02のアンテナマーク表示ではアンテナマークフル点灯or2本、というのが実家でのイーモバイルの電波状況ですが、Xperia acro HDではどうかというと…

この時はアンテナマーク3本点灯で、電波強度は-95dBm。
実家でのイーモバイルの電波強度は-85〜105dBmの間、アンテナマークフル点灯〜1本の間で収斂することが多く、実際にはそれ程電波状態はよくない、ということが分かりました。
通信速度が変動することが多いのは電波強度が安定しないのが原因、ということのようです。
そしてGP02のアンテナマークフル点灯の閾値は-100dBm辺りにありそう、ということも分かりました。
かなり判定が甘いですね。

場所によってはこれ程電波強度が低下することもあります。

そしてイーモバイルはやはり基地局密度が低いようで、このように近くのCell IDの表示が「No neighbouring cells」という表示になることもありました。
ちなみにXperia acro HDでスピードテストを実行してみると…

このように通信速度はイマイチ。
電波状態があまりよくない、というのもありますが、今回の回線ダウングレードにより最高通信速度が7.2Mbps(HSPA)になってしまったのも原因と思われます。


このように実家での電波状態はそれ程よくない、ということが分かりましたが、それでもドコモよりはマシなので、ドコモがLTEサービスのマルチバンド化を行なって電波状態がよくならない限りイーモバイル回線は手放せない、ということがはっきりした今回の帰省となりました。