ここにも携帯電話業界の悪癖が…

先週やっと自宅のネット回線をWiMAXから固定回線に変更しました。
1年程前から切り替えよう、と思いつつずっと先延ばしにしていたのですが、これまで自宅回線として使っていたWiMAXの通信速度が最近23:00を過ぎる頃になると極端に低下するようになってしまい、さすがに耐えられなくなって重い腰を上げて切り替えました。

平日の23:30頃にGalaxy Noteを使いWiMAXLTE、3Gそれぞれの通信速度を測定した結果。
上からWiMAX(BIC WiMAX)、LTE、3G(いずれもIIJmio回線)となります。
下りはWiMAXが3つの中で最低の通信速度を記録し、MVNOボトルネックありのLTE回線だけでなく3Gにも負けていますし、上りもさすがに3Gには勝っているものの(自宅はHSUPA非対応エリアですし)LTEには負けていると、通常時の通信速度(下り10Mbps、上り3Mbps程度)から比べるとかなりの速度低下が発生しています。
余談ですがIIJmio LTEはコンスタントにこれぐらいの通信速度が出てもらわないと困るんですがね(回線のポテンシャルからするとこれでも遅いですが、MVNOなので許せる範囲内)。
混み合う時間帯でもないのに下り1Mbps以下とか勘弁して欲しいところです。


切り替え先の固定回線は結局FTTH(フレッツ光マンションタイプ1Gbps+OCN)にしました。
価格的にはCATV(J-COM)が優位だったのですが、やはり一度はFTTHを使ってみたかったし、料金もキャンペーン等のおかげで以前より安くなり、CATVとの価格差が小さくなっていたのでこちらを選びました。
あとCATVに比べ上りの利用に制約がかかりづらい(CATVは上りを酷使するとすぐに帯域制限をかけられる:クラウド時代には致命的、といえる欠点)、というのも理由の一つ。
実は自宅室内で光ファイバーをどう引き回すか、という懸念があったのですが、工事時に担当者に事情を話してマンションタイプの光ファイバーの引き込みで一般的な電話のモジュラージャック部に光ファイバー用のモジュラージャックを取り付ける方式ではなく、モジュラージャック部から直接10m程の光ファイバーを引き出してもらうことにして問題解決。

契約は高額のキャッシュバック(55000円)につられて天神ビックで行ないました。
フレッツ対応ISP経由の契約でもキャッシュバックはありますが、キャッシュバックがもらえるようになるまで回線開通後半年以上先、ひどいところになると9ヶ月後、といったこともあり、回線開通後即キャッシュバック(ビックの商品券)がもらえるこちらにしました。


私が固定ネット回線を契約したのは久々(全国区のサービスだと9年程前にフレッツADSLを契約したのが最後:長野にいた際はローカルCATV会社と契約)なのですが、その間に固定ネット回線の世界も携帯電話業界の悪癖に染まってしまっていました。
最初に各種の契約縛り。
まずはNTTとのフレッツ契約に縛りがあり、最初は2年、その後は3年の縛りがかかります。
NTT西日本のフレッツが利用できない場所(NTT東日本エリア及び海外)へ引っ越すために解約する場合は違約金はかかりませんが、それ以外は縛り終了月以外の解約には違約金がかかります。
FTTHが利用できない場所へ引っ越しする場合も引っ越し先でフレッツADSL/ISDNを利用しないと違約金対象です。
昔はこのような縛りはなかったのに… と思うのですが、その代わりに工事費用が高かったからなぁ。
それにしても最初の2年縛りの後は3年縛り、というのはかなり厳しい。
とは言えBBIQのホームタイプは5年縛り、という更に厳しい縛りがかかるので、それよりはマシですが…


そしてISPとの契約にも2年縛りがあり、それが終わる前に解約すると違約金がかかります。
しかも通常のフレッツ契約よりも高い料金プランで契約させられる。
OCNのフレッツプランの料金は私の場合通常903円なのですが(NTT東西、ホーム/マンション、後者の場合世帯数により異なる)、私の場合はなぜか「おまかせプラン」なるものに加入させられ、1585円/月と通常料金に比べ700円近い差が。
この「おまかせプラン」、OCNのHPやパンフレットには記載がなく(私が見つけきれないだけ?)、この700円程の差で得られるものもよく分からない。
とは言え契約後送られてきた利用規約の紙に「メールウイルススキャンやスパムメールブロックなどが利用できる」といったことが書いてあったのですが(このエントリを書くために読み直していて見つけた)、こういったことは契約前に分からないといけないはずなのに… と思ったのは言うまでもありません。
最初に天神ビックで問い合わせた時は通常料金でキャンペーン適用OKだったのに、光ファイバーの引き込みについてNTTに問い合わせしたりしていた数日の間に改悪されていたのです(実際には通常プランでOKにもかかわらず、店員がウソをついている可能性もありますが)。
NTTへの問い合わせは結局無意味だったので、最初にビックに行った際に契約を済ませておけば… と後悔したのですが、その代わりにキャッシュバックが増額(30000円→55000円)されたため改悪分の追加料金を相殺でき、2年後の縛り終了時にISP契約の切り替え/乗り換えでISP料金を安くできるので、さほど大きな問題ではない、ということで結局契約しました。
とは言えWebやパンフレット上には存在せず、違いがよく分からない上位プランに強制加入、というのはどうかと…
この「おまかせプラン」ですが、もしかすると家電量販店専用のプランなのかも知れません(店へのキックバックを増やすために存在している?)。


次に各種オプションの強制。
今回55000円のキャッシュバックを受けるために加入させられたオプションサービスは次の通り。


(NTT側)
光電話A(エース)(1575円/月+初期費用1050円)
リモートサポートサービス(525円/月、1ヶ月無料)
フレッツスポット(210円/月、最大12ヶ月無料)
WiFiカード(105円/月)※
セキュリティー機能ライセンスプラス(399円/月、1ヶ月無料)
(OCN側)
マイポケットプラス(525円/月、回線開通月無料)
※フレッツサービスを利用するためのONU(FTTHモデム)/ルーターに付いているExpressCardスロットに挿してWiFi対応にするためのExpressCard(802.11b/g/n対応)のレンタルサービス。


となり、料金の合計は3066円/月、縛り期間は6ヶ月となります(それ以前に解約した場合のペナルティーは不明:キャッシュバックを返還しろ、ということかも)。
とは言えフレッツスポットは最大1年間無料なので、実質的には2856円/月となります。
縛り期間である半年間にかかるトータルの追加コストは18325円。
上記のようにキャッシュバックが25000円増額されているので、十分相殺できていますが、縛り期間が終了した後いちいちこれらのオプションを解約する手間を考えると実質6500円強のプラス、というのは割に合わない気もします。
そしてISPの通常プラン/おまかせプラン間の料金差の縛り期間2年間の合計は16368円。
両者を合計すると34693円となり、55000円のキャッシュバックが得られるとは言え、実質的なキャッシュバック額は20000円程、ということになります。
となると実際に得られるキャッシュバックが少なくなったとしても縛りが少ないプランで契約した方がベター、となるかも知れないので、縛り期間にかかるトータル追加コストをきちんと計算した上で契約するか否かを決めるようにしないと損します。
ここにそのことを書いているぐらいなので当然ですが、私はきちんと計算した上で「損しない」ということで契約しています。


それにしても契約縛りに各種オプション強制、いずれも携帯電話業界ではおなじみの悪癖ですが、固定ネット回線でもこれか… というのには呆れてしまいました。
そういった悪いところはマネしなくてもいいのに、と思ったのは言うまでもありません。
この中でも特に問題なのが後者。
私のようにコスト計算をきちんとし、縛りが終了したら不要なオプションをすぐに解約する、というユーザーばかりであれば問題ないのですが、実際にはそういったことを全く気にせず、ムダに高い料金を払わされているにもかかわらず不要なオプションを解約せずそのまま、という人が大多数。
例えば上記のオプションてんこ盛り状態で2年間契約し続けると、追加コストがキャッシュバック額を超えてしまい、当然損になります。
まぁサービス提供側としてはそれが狙い目、契約内容をよく理解していない無知な客から継続的に金をむしり取ってやろう、という魂胆な訳ですが。
携帯電話業界の話になりますが、何しろドコモだけでもユーザーの不要なオプションの解約忘れによる追加収入は年1000億円オーバー、というのですから、サービス提供側としては笑いが止まらないわけで、それ故このような悪行が大手を振ってまかり通るのです。
というわけでユーザーとしてはそのキャンペーンオファーは本当に得なのかをきちんと検討した上で契約、そしてその契約内容をきちんと理解し、不要なオプション契約は縛りがなくなった時点ですぐに(縛りがなければ翌日)解約する、といったことを心がけましょう。
縛り終了月などの情報はGoogleカレンダーなどに入力して、忘れないようにする、というのも大事ですね。
まぁこれを読んでいる人にとってはこういったことは常識かも知れませんが、気をつけましょう。


上記の各種オプションの縛り終了月は来年2月なので、言うまでもなく2月中に月末で契約が終わるよう解約手続きをするようにします。
とは言えマイポケットプラス(OCNのクラウドストレージサービス、64GBのストレージが与えられる)はそれなりに大容量で、国内業者が運営するクラウドストレージサービス、という点で魅力がありますから、もし使い勝手がよさそうなら下位プランのマイポケット(315円/月、ストレージ容量はプラスと同じ)に契約を変更して残すかも知れませんが。
そしてフレッツ/ISPの縛り終了月である再来年(2015年)9月には回線そのものの見直しをしないといけません。
フレッツ/ISPの契約を縛りがないものに変更するか、それとも他社へ乗り換えるか(auひかりの設備が入らないかなぁ)を検討することになりそうです。
今年年末からサービス開始予定のWiMAX2のサービス内容次第では再び無線系を検討してもいいかも、と思っていますが、WiMAX2はTD-LTEベースなので、現行のWiMAXとは異なり従量制のサービスになりそうなのが気がかりです。