Xperia acro HDにジェリービーンズを食べさせた その3

Xperia acro HD(SO-03D)にacro S(LT26w)のファームウェアを焼きAndroid 4.1.2(Jelly Bean)にアップデートしたネタもこれで最後。
今回は「これはイマイチ」と思ったことについてまとめます。


・通知領域のトグルがショボい
Jelly Beanにアップデートすると標準で通知領域から各種設定をON/OFFできるトグルが利用できるようになりますが、しかしICSの時に導入していたトグル(要root)に比べシンプルなもので、切り替えられる機能が少ない。

上がICSの時に導入していたもの、下がJelly Bean標準の通知領域のトグル。
前者はここに表示されている5つだけでなく右へスクロールさせることで10個のトグルボタンが利用でき、その内容もカスタマイズできるのに対し、後者はトグルで切り替えられるのはここに表示されている項目のみで、カスタマイズも不可。
GPSやフライトモードをトグルで切り替えたいのに…
これまで標準状態で使っていたユーザーにとってはアップグレードになりますが、私にとっては大きなダウングレード。
そこで通知領域のトグルメニューを以前と同じような機能を持つものに変更しようとあれこれやってみましたが、全て失敗で、結局諦めました。
・カメラが相変わらずイマイチ
私の手持ちデジカメ専用機(PowerShot S90)よりも画素数の多い1200万画素センサーを搭載し、ハードウェアシャッターボタンを持つことでカメラとしての性能が高いにもかかわらず、画質がイマイチなのが欠点だったのですが、Jelly Beanアップデート後もそれは変わらず。
今では当たり前になりつつあるファインダーのグリッド表示もありませんし…
しかもカメラの起動が遅くなった、というおまけ付き。
XDAで見つけたCyber-Shotアプリ(元々は海外版のXperia V向けらしい)を導入してみましたが、大した改善は見られませんでしたし…
ソニーはカメラに非常に力を入れているスマホメーカーであるにもかかわらず、画質、使い勝手共にサムスンに負けているのは本当いただけません。
・USBホスト(USB OTG)の相性のきつさは相変わらず

以前「Xperia acro HDはUSBホスト対応だが、利用できるストレージ機器(メモリーカードリーダー、USBメモリー)がほとんどない」と書きましたが(その時のエントリはこちら)、これはJelly Beanアップデート後も変わらず、しかもexFAT非対応。
Jelly BeanはexFATサポートが追加されているはずなのに…
恐らくacro HDはmicroSDXCカードに対応していないためでしょうね(SDXCカードの標準ファイルシステムexFATのため、microSDXC対応=exFAT対応)。
・非公式マルチナンバーアプリAddPhoneが使えない
acro HDはICS搭載にもかかわらずAddPhoneが使える希有な端末なのですが、Jelly Beanにアップデートすると発信番号の頭に「*31#」という謎のプリフィックスが付いてしまう症状が出るようになり使えなくなってしまいました。
海外版端末/ファームでも利用できる端末は私が知る限りないので、この件に関してはもう諦めているのですが、やはり残念です。
NFCは使えない
Xperia acro Sにはacro HDのおサイフケータイ(Felica)に代わりNFCが搭載されていますが、ファームがacro SのそれになったからといってNFCが使えるようにはなりません。

設定にはこのようにNFCに関する項目がありますが、ここでNFCをONにしようとしてもできません。
ハードウェアが異なるので使えなくて当然なのですが、使えれば便利なのに、と思わずにはいられません。
Google Nowがウザい
Jelly Beanにアップデートするとホームボタンの長押しでGoogle Nowが起動するようになります。
これがマジでウザい。
ICSで同じ操作をするとタスク切り替えメニューが開きますが、その癖でホームボタンを長押しするとGoogle Nowが起動してしまいイライラしっぱなしでした。
ちなみにタスク切り替えメニューはホームボタンを素早く二度押しすることで開くことができるのですが、他の端末と操作が統一されていないため頻繁に間違う。
結局こういったことをカスタマイズできるXposedモジュール(Tweakbox)を導入し、ICS時及びサムスン端末と同じ操作にして問題を解決しましたが、そもそもGoogle Nowいらない。


そして最大の不満点はGPS
受信速度や精度に不満があるのではありません。
不満なのはGPSをONにする度に位置情報の利用許諾を聞いてくること。

通常この手の利用許諾は最初の一度だけしか聞いてこないものなのに、GPSをONにする度に聞いてくるのですからウザいことこの上ない。
ICSでも同様だったのですが、この時は解決策がありました。
しかしJelly Beanでは/system/appにLearningClient.apkがないため、この手は使えない。
あれこれ調べてみても解決策が見つからず、結局放置しています。
一応Xposedモジュールはあったのですが、これは「GPSをONにした時に自動的に『許諾(Agree)』を押したことにする」というものなので、許諾しない(Disagree)にしたい私のニーズには合致しない。
って言うかそういうオプションがあってもいいはずなのに…
しかしサムスン端末はそのようなウザい仕様にはなっておらず、位置情報の利用許諾が出るのは最初にGPSをONにした時だけ(Galaxy Note 3で改めて確認済)。
それが当たり前だと思うのですが、どうしてそうなっていないのかが謎です。


といったところでしょうか。
改めて感じたのが国内キャリア仕様がOSアップデートの妨げになっている、ということ。
海外向けの同等モデルでは更なるOSアップデートが提供されているにもかかわらず、日本版ではアップデートされない、またはアップデートが非常に遅い、といった事象が頻発します。
例えばGalaxy Note 3は海外版には既にAndroid 4.4(KitKat)が提供されていますが、日本キャリア版(ドコモ/au)はまだ4.3(Jelly Bean)のままで、4.4へのアップデートは未定。
だから国内キャリアは国内向け機能ゴテ盛りの端末ばかり出さず、そういった機能は搭載せずOSアップデートの容易さを重視した端末も出して欲しいものです。
そういった機能は必要ない、というユーザーも多いですし、それらを省くことで端末調達コストを下げられる(=販売価格も安くなる)というメリットもあるのですから。