Galaxy Tab(初代)にキットカットを食べさせた

またもや間が空いてしまいましたが、片付けておきたいネタを片付けてしまうことにします。

Xperia acro HDに海外版(Xperia acro S)向けAndroid 4.1(Jelly Bean)ファームを焼いたのと同じ頃、Galaxy Tab(初代、ドコモ版)にAndroid 4.4(KitKat)のカスタムROMを焼きました。

以前Android 4.2(Jelly Bean)のカスタムROMを焼いた時同様、今回焼いたのもGalaxy Tab向けのCyanogenMod(CM)11非公式ビルド。


(ROM)SGT7 CM11.0 UNOFFICIAL (4.4.2)(P1/L/N)(Kernel 3.0.x)(2014-02-23) - xda-developers


ROMの焼き方については上記XDAスレッドを参照、ということで割愛。
私のGalaxy TabはCM10.1(Android 4.2)が導入されていたため一気にCM11へはアップデートできず、一旦CM10.2(Android 4.3)にアップデートする必要があったのですが、「どうせすぐに次のROMを焼くから」と手を抜いてハードリセットせずにCM10.2のROMを焼いて再起動すると、CyanogenModの起動ロゴから先に進まず、通常起動しなくなりました。
「再度ハードリセットしてCM10.2のROMを焼き直さないといけないな」と思いカスタムリカバリーで起動すると、CM10.1のTWRPではなく、CM10.2のCWMに置き換わっていました。
そこで懲りずにまたもや手抜きしてCM10.2を焼き直すのではなく、CM11のROMをハードリセットありで焼くことに。
これがうまくいき、無事CM11が導入されてAndroid 4.4搭載になりました。

今回特にROMの中身をいじることはしなかったのですが、以前CM10.1のROMを焼いた際に導入していたドコモ版ラジオファーム(modem.bin)がそのまま残っていて、FOMAプラス対応が維持されていました(ベースバンドバージョンが「SC01C」で始まるものになっている)。

このCM11にはサムスン互換のServiceModeアプリが導入されており、このようにサムスン純正ファーム同様接続中の周波数バンドを確認することができます(電話アプリから*#*#0011#*#*で呼び出す)。


今回カスタムROMでAndroid 4.4化してよかったところとイマイチだったことをまとめてみると…
(Good things)
・何と言っても最新版OS
Nexus端末以外でAndroid 4.4を搭載している端末はまだ多くなく、私が知る限りでは日本キャリア端末では皆無なので、それだけでも大きなアドバンテージです。
Android 4.2(CM10.2)の時よりも動作がスムーズで安定している
以前Android 4.2にした際は動作が重く、不安定だったこともあり結局ほとんど使うことがなかったのですが、確かに動作は重いものの安定性が増しているおかげで何とか実用に堪えるようになりました。
・非純正充電器/PCのUSBポートからでも充電できる
Galaxy Tabは充電環境がシビアで、普通のGalaxy Tab Dockケーブルでは純正充電器(2A出力)またはGalaxy Tab対応を謳うACアダプター、もしくはそれに対応させるアダプター等が必要となりますが、今回のCM11では設定で「Fast Charge」を有効にするとそのような制限がなくなり、非純正充電器/PCのUSBポートからでも充電できるようになります。

ただしこの状態だとUSBデータが使えなくなるという欠点がありますが(adb shell接続できず焦った)、それでも充電環境の制限がなくなるメリットの方が勝ります。
PCに接続して何か作業したい時はFast ChargeをOFFにすれば済む話ですし。
サムスンServiceModeアプリが使える
上記の通りですが、サムスン純正ファーム同様FOMAプラスチェックができたりするので便利です。
スクリーンショット撮影音がカメラのシャッター音ではない
以前から「場合によっては誤解を招くことがあるため、スクリーンショット撮影時にカメラのシャッター音が鳴る必然性は全くない」と思っていることもあり、この仕様は素晴らしい。
と思ったら実はこの時鳴る音がデフォルトのカメラシャッター音(camera_click.ogg)で、単にカメラのシャッター音がそれっぽい音ではないため、スクリーンショット撮影音もそうではない、というだけなのはちょっと残念ですが、消せないのなら音を違ったものにしちゃえ、というのは逆転の発想、ということで好感が持てます。
とは言えrootedなのでどうしても消したければゴニョゴニョして消すことは可能ですが…


(Bad things)
・起動が遅い
上にも書いた通り動作速度は利用に支障をきたす程遅くはないのですが、起動は非常に遅い。
電源をONにして起動後、全てのウィジェットがロードされるまで5分程かかる。
セットアップ中はシステムファイルの書き換え、Xposedモジュールの導入などで再起動することが多いですが、その度に5分も待たされる、というのはなかなか辛かった。
OSのサイズが大きくなったことで必要なファイルを読み込むのに時間がかかるからでしょうね。
・SMS非対応のMVNO SIMを挿した際の各種問題がきつい
SMS非対応のMVNO SIMを挿しているとセルスタンバイがバッテリーを食う症状がひどく、バッテリーの減りが早いし、アンテナマークは表示されるもののキャリア名表示は「Emergency Call Only」になる。
しかもこれらの問題を解決するためのパッチ当てをするXposedモジュールがAndroid 4.4非対応らしく、きちんと動作しないため、SMS非対応のMVNO SIMでの利用は厳しいと言わざるを得ません。
・3HKプリペイドSIMとの相性が悪い
私のGalaxy Tabは純正ファーム時代にSIMロック解除(正確にはSIMロック先の変更)していたことで3HKプリペイドSIMが利用できるのですが、なぜかこのSIMを挿すと動作が非常に不安定になる。
ちゃんとSIMを認識することもあるのですが、高い頻度でSIMを認識しないし、突然SIMを認識しなくなって再起動がかかったりする。
そのため3HKプリペイドSIMをこの端末で利用するのは止め、SIMなし運用にすることにしました。
本当はネットワーク時刻補正の関係で回線が有効なSIMを挿しておきたかったのですが…
端末の時刻補正はroot化されているためNTPサーバの時刻情報を使って時刻合わせをするアプリが利用できますから(私は「NTPSync」を利用)それを使って定期的にNTPサーバと同期することにして問題を解決しました。
WiFiに問題あり
自宅ネット回線がFTTHであるにもかかわらず、スピードテストを実行すると10Mbpsも出ないし、PCの共有ドライブへのアクセスも遅く、ファイルコピーに時間がかかる。
ネットワークを使う作業全てに時間がかかることもあり、かなりイライラします。
そしてAndroid 4.2の時同様802.11a(5GHzバンドWiFi)が使えないのもいただけない。
ハードウェアは対応しているのに利用できないのですから、何か理由があるのでしょうか。
まさか802.11aのドライバはオープンソースではないため非ストックベースのカスタムROMには組み込めないとか。
となるとGalaxy Tabに限らずどの端末でも非ストックベース(AOSP/AOKP)のカスタムROMでは802.11a/acは使えない、ということになりそうですが…
GPSがウザい
Xperia acro HDをAndroid 4.1.2にした際にも書きましたが、GPSをONにする度に位置情報利用の許諾を聞いてくるのが本当ウザい。
どうしてGoogleはこのような仕様にしたのか全く謎ですし、これについて不満を持つ人の少なさも不思議でなりません。
Androidはバージョンが上がるにつれかつての自由がどんどんなくなってきているようで不満ですね。
そろそろAndroidからの乗り換え先を考える時期に来ているのかも、とも思います。
現状有望な乗り換え先がないのがあれですが…


といったところでしょうか。
国内キャリア向け端末でも、グローバル版とハードウェアの差異の少ない端末はこのようにカスタムROMの導入で寿命を大幅に伸ばせるのがいいですね。
ですからOSアップデートが遅く、rootも取れず、キャリアがアップデートを提供しなくなったらそれでおしまいの国内キャリア向け端末は全く買う気がしない。
ドコモ版のXperiaやGalaxyはroot取れるし、海外版ファーム+ドコモ版ベースバンド、といったことができるためまだマシですが(XperiaはBootloaderロックがあるため自由にカスタムROMを焼くことができないのが難)、あのダサいドコモ/Xiロゴがなぁ。
あれだけで買う気をなくすからな。


上に書いた通りAndroid 4.2の時はほとんど使わなかったのですが、今回はその時よりも動作が安定していることもあり、ステレオスピーカー搭載であることを生かしてネットラジオ再生端末として利用しています。

WiFiが遅いとは言えネットラジオをストリーミングする分には全く問題ない通信速度が出ますし、ステレオスピーカー搭載とは言え音質は大したことはないもののBGMとして流す分には十分。
発売から今年で4年になる古い端末ではありますが、カスタムROMのおかげで新たな活躍の場を見つけることができ満足しています。