やっぱり厳しかったか…

通信パフォーマンスの高さで非常に評価が高く、私も今年初めに契約して利用しているUQ Mobile
しかし昨日UQKDDIバリューイネイブラー(以下KVEと略)を吸収合併し、UQ Mobileの事業を引き継ぐとの発表が。


UQコミュニケーションズとKDDIバリューイネイブラーが合併へ - ケータイ Watch


自社で手がけるUQ Mobile以外にau回線を利用するMVNOが出て来ず、事業としてうまくいっていないのがKDDIがKVEを手放し、UQ傘下にした理由でしょうが、いくら他のMVNOが大幅に速度低下する平日昼食時間帯であってもほとんど速度低下がなく快適に使えるといったメリットがあっても、最大の問題である「利用端末の供給が基本的にau LTE端末の白ロム頼みで、ドコモ回線利用のMVNOに比べ端末の選択肢が極めて狭い」に対してほとんど対策、改善がなされていないのだから無理もない、というのがこのニュースに対する私の感想。
この問題に対してmineoは「ドコモ回線も提供する」という方法を取りましたが、これはあくまで「逃げ」であって、本質的な問題解決策ではない。
Zenfone 2などLTE Band18に対応したSIMロックフリー端末がいくつか出たものの、実際には(Band1を含めて)技適を取得していない、ということで(法的に)使えない、といったこともあり、au及びMVNO事業者が販売する端末以外の選択肢はほぼゼロ、という状況は変わりませんでした。
そもそもau回線を利用するよう設計されていないLTE端末での利用は制約が多く、ハードルが高い、というのもありますが(そう言えばこの件についてエントリするつもりだったのに書いてない…)、それにしてもせっかくハードウェア的には利用できるのに時代遅れなクソゴミ電波法のせいで(合法的に)利用できない、というのはいただけません。
恐らくメーカーとしては「CDMA2000非対応のため音声通話をサポートしないので、利用できるようにするとそれ絡みでトラブルになる」ということで意図的に技適を通していないと思われるので、一方的にメーカーを責められませんが…
しかしモバイルルーターなどのデータ端末であれば音声通話を気にする必要がないのですから、ちゃんと技適を通して合法的に利用できる仕様で発売して欲しいものです(ネットギアお前だよ)。
余談ですがこのau回線向けの技適について「LTE Band1の技適を通していても、auが利用している周波数帯域での技適は通っていないのでau回線は(法的に)利用できない」というクソゴミな話がありました。


「SIMフリー」スマホのほとんどがなぜmineoの動作確認端末一覧に載ってないの? | 王国通信 | マイネ王


これを見て「日本の役人共は国際標準、グローバルスタンダードというものを知らんのか」と思ったのは言うまでもありません。
国際標準の周波数バンドに対する利用認可を出しているくせに、特定の事業者だけ利用不可、っていうのはおかしい、グローバルスタンダードを無視した愚行であり「相変わらず日本は国際標準よりも自国独自仕様を優先するガラパゴスな国だな」と言わざるを得ません。


UQ MobileUQ傘下になることについて現状では「KVEの事業はそのまま継承される予定で既存サービスに変更はない」とのことですが、個人的には利用するゲートウェイが現状のauゲートウェイ(au-net.ne.jp)からUQのそれに切り替わることによる通信パフォーマンスの低下、すなわち他のMVNO同様平日昼食時間帯などに通信速度が大幅に落ち込むようになり、UQ Mobile最大のセールスポイントが失われてしまうことが懸念されます。
もしUQ Mobileからそれが失われてしまえばただでさえサービス内容が貧弱なこともあり、過酷なMVNO間の競争についていくことができず終了、という結末が待っていることは想像に難くないでしょう。
データプランは3GB従量データと500Kbps定額の2つのみ、従量データの追加購入不可、といったサービス開始当初から弱点とされる部分がほとんど改善されていないのですから。
来年4月に私が今メインデータ回線として使っているドコモ純正データ回線の縛りが終了するため、この回線はUQ Mobileの音声回線にMNPしようと考えているのですが(そして現在契約しているデータ回線は解約)、もし実際にゲートウェイが切り替わり、それによって平日昼食時間帯の通信パフォーマンスが低下するようであればこれはなしにして、MNP先をドコモ回線利用MVNOの音声回線にすべきか、と思っています。
これについては今後の接続先ゲートウェイ、通信パフォーマンスの変化を見た上で判断するつもりです。


とは言え逆にKDDI傘下からUQ傘下となることによって上記のUQ Mobileの欠点とされる点が改善される可能性もあります。
KDDIは自社回線利用のMVNOが自分たちのライバルとなることを恐れてUQ Mobile及びKVEにあまり力を入れてこなかったとも言われていますから、UQ傘下になることでそういうしがらみがなくなり、サービスの自由度が高まることが期待できます。
UQ Mobileは非常に通信パフォーマンスがいいこともあり、3GBでは足りない、と感じているユーザーも多いと思われるので(私はサブ回線としての利用なのでそれ程通信量は多くないですが)、従量データの多いプランの導入や従量データの追加購入ができるようになるといった改善がなされればより魅力が高まり、混雑時の通信パフォーマンスを維持できればまだまだ挽回するチャンスはあると思います。
端末調達に問題があるとはいえ、平日昼食時間帯といった混み合う時間帯に通信パフォーマンスが落ちない、というのは唯一無二であり、強力なセールスポイントですからね。
UQによるKVEの吸収合併をプラスとすべく新生UQ Mobileにはそのメリットを失うことなくこれまで以上のサービス向上に励んで欲しいものです。