オリンピックなんかいらない

ただ今絶賛開催中の平昌オリンピックも明日で終わり。
以前「オリンピックが始まると日本選手がどうしたこうしたと国を挙げての大騒ぎになり、突然ナショナリズムが変な形で湧き上がることにうんざり」というエントリを2回しているのですが、今回もそういったことが全く変わっていないことに改めてうんざりしています。


日本の歪んだナショナリズムを感じるオリンピック(2008年)
いつものことながらうんざり:ロンドンオリンピック(2012年)


過去にも同じようなことをブログに書いていて、しかもTwitterでもつぶやいているのにしつこいようですが、オリンピック開催期間中はTVのニュースもオリンピックの話ばかりで、他に伝えるべき重要なニュースがあってもそれらについてはほぼスルーしメダリストの人生ドラマといったどうでもいい話にばかり放送時間を割くことには本当腹が立ちます。
特に今回は国会で我々国民にとって非常に重要な自称「働かせ方改革法案」の審議がなされているのにそれについての報道をほとんどしないのはそれについて国民に詳しく知られると困る権力側の都合に配慮した暴挙としか思えません。
私は以前から政治屋や役人といった連中がオリンピックを目眩ましに使って国民に都合の悪い決定を行う、という手を使うのではないかと懸念していたのですが、まさにその通りになってますね。
まぁ日本のメディアはマスゴミと呼ばれるだけあって権力側に忖度するのがデフォルト(と言うか彼ら自身が権力側にいる)ですから、別に驚くことではないですが。


そして今回の平昌オリンピックでは金儲け至上主義が蔓延っているのも特徴の一つ。


平昌五輪、なぜ“そんな時間”に競技本番? テレビマネーに左右される選手たち (1/4) - ITmedia NEWS


にあるようにアメリカで人気の高いフィギュアスケートアメリカが夜になる午前中、ヨーロッパで人気の高いスピードスケートやスキージャンプはヨーロッパの昼になる夜に競技が行われる、といったことにその金儲け優先、選手軽視の姿勢が現れていてこれまたうんざりさせられます。
そして2020年の東京オリンピックもその金儲け至上主義の犠牲になり、真夏の開催となりましたが、これだと熱中症で死亡する選手や観客が出るのでは、と心配になりますし、当然記録も伸びないでしょう。
近代オリンピックの父クーベルタンがこの状況を知ったら「オリンピックの精神が金儲けのために踏みにじられた」と嘆き悲しむことは間違いないでしょうね。


このようにオリンピックはもはや「平和とスポーツの祭典」ではなく「金儲けのためのスポーツ興行」に成り下がってしまったのですから、今後も続ける必要ってあるの? という疑問が湧いてきます。
だから私は「オリンピックなんかいらない」と思っています。
そもそも世界的に見ればオリンピックの人気は低下傾向、つまり「オワコン」ですし(それからすると日本での熱狂ぶりは異常と言える程)、それは開催に名乗りを上げる国、都市が減少傾向で、オリンピック誘致に名乗りを上げても後に撤回するケースも多いことにも現れています。
その国の国民からすればただの金儲け目的のスポーツイベントを開催するために自分たちが払った多額の税金を投入することは許しがたい行為なので、当然猛反対しますからね。
2024年と2028年の夏季オリンピックの開催都市が同時に決まった、というのもそういう流れを反映したものでしょう。
ですから今後オリンピック開催に名乗りを上げる国/都市が出てこなければ当然オリンピックを開催できず、オリンピックがなくなってしまう流れになるので、是非そうなってもらいたいものです。
しかし「オリンピックはもはやオワコン」というのが世界の潮流であることを知らずバカ騒ぎする日本のようなアホな国があるからな…
その日本は札幌が2026年冬季オリンピックの誘致に名乗りを上げていますが、土建屋を肥え太らせるだけの税金のムダ使いでしかないのだからさっさと誘致を諦めろ、というのが私の意見。
2020年の東京オリンピック絡みであれ程ゴタゴタしているのにまだ懲りないのか、と呆れる他ありません。
しかし日本人は税金に対する意識が低く、その使われ方にも関心が薄いですし、メディアも「マスゴミ」らしく都合の悪い話は一切しないからなぁ。
最悪のシナリオは他に誘致を目指す国/都市がなく、無投票で開催地が札幌に決まってしまうこと。
そもそも冬季オリンピックの誘致を目指す国は夏季のそれよりも少なく、元から立候補国が少ない上に国民の反対を喰らい撤回になることも多いですから、その可能性が十分すぎるぐらいあるのが恐ろしい。
ですからさっさと諦めて誘致を撤回すべきなのです。
って言うか長期経済低迷に陥って没落し、下手すれば先進国の地位から滑り落ちかねない状況に置かれている国がオリンピックなんかやる経済的余裕があるのか、ということを国民は考えないといけないと思うのですが。
それを考えれば自ずと答えは出るはずなんですけどねぇ。


最後に余談ですが今回の平昌オリンピックを見ていると日本人のオリンピック観戦姿勢って世界のそれとかけ離れているような気がするなぁ、と思うようになりました。
日本人は自分の興味にかかわらずとにかく日本人選手が出ている競技であれば何でも観る、という観戦スタイルで、特定の競技、選手に興味があって観る、という感じではないことに違和感を覚えたのです。
結局のところこれは日本人は確固とした自己、自分の考え方を持たず、他のみんながやってるから私も、という横並びに走りがちな国民性、そしてそうしないと周りから叩かれがちな社会が原因なのでしょうね。