楽天モバイル新料金プランは0SIMの再来?

ドコモのahamoに続きauはpovo、SoftBankSoftBank on LINEとオンライン契約専用の(サブブランドっぽい)新料金プランを出してきたことで更なる劣勢に立たされ「もう終わった」という声すらあった楽天モバイルですが、それに対抗すべく一昨日(1/29)新料金プランを発表しました。

 

楽天モバイルが段階制料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」発表、1GBまでは無料 - ケータイ Watch

これまでは3281円/月で自社回線利用時はデータ通信無制限(パートナー回線(au網)では月5GBまで)、音声通話/SMSはクソゴミ専用通話アプリ(Rakuten Link)を利用すれば定額かけ放題、という無制限プランのみのサービス提供でしたが、1プランであることは変わらないものの利用データ量で料金が変わる段階制料金に変わりました。

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この新料金プラン、驚きなのはデータ通信量1GB/月までであれば料金は無料であること(ただし最初の1回線のみに適用)。

そして音声通話/SMSはRakuten Linkを利用すればこれまで通り定額かけ放題、つまりデータ通信量が1GBを超えた、もしくは端末標準ダイヤラ/SMSアプリによる音声通話発信/SMS送信を利用した月だけ料金がかかる、ということになり、これってもしかして昨年サービスが終了したSo-net 0SIMの再来では、と思ってしまいました。

0SIMでは音声通話/SMSは有料オプションで別途月額基本料がかかり、無料で利用できるデータ通信量は500MB/月、しかも通信速度は遅く(MVNOですし)いくら条件が良くても10Mbpsを超える事はなかった上にYouTubeなど動画サービスのトラフィックはブロックされていたこともあり使い勝手はあれでしたが、楽天モバイルの新料金プランはMNOのそれですから無料であっても通信速度が遅い、ということはないでしょうし(1GBまでの通信は速度を落とすといった変な細工をしてこない限りは)、音声通話/SMSも使えるため(ただし発信はクソゴミアプリを使わないと有料ですが)お得度では0SIMを大きく上回ります。

 

今回の料金プラン改正で楽天モバイルが新料金プランを月額0円スタートにしてきたのはTwitterにも書きましたが「回線契約数の維持」が最大の目的なのは明白でしょう。

先着300万契約までは1年間基本料金無料を謳い利用者を集めている楽天モバイルですが、今年4月に最初期に契約したユーザーの基本料金無料期間が終了し、その後もそのようなユーザーは増えていきます。

元々メイン回線としてではなく「1年間無料だから」ということでサブ回線として契約しているユーザーがほとんどであると見られ(私もそのクチですし)、そのため基本料金無料期間が終了する前に解約/MNP転出するつもりのユーザーが大多数のはずで、そうなると4月以降大幅な契約者数の減少になるのは明らか。

そこで新料金プランを月額0円スタートにすることで「回線を無料で維持できる」というメリットを打ち出し、基本料金無料期間終了後の解約を防ぎ契約者数の大幅減少を避けようと考えている、というわけです。

元々の基本料金無料期間が終了した後も回線を無料で維持できるのであれば解約せず、バックアップ用の回線などとして持っておくのは悪くないですからね。

それどころか基本料金0円スタートを目当てにした新規契約者も見込め、更なる契約者数増加に繋がると契約者数を増やすことが至上命題である楽天モバイルにとっては一石二鳥。

とは言え無料目当てのユーザーが増えることは下手すれば負債になりかねませんが…

うまいこと考えたな、と思ってしまいますが、もしかすると0SIMが念頭にあったのかも知れません。

 

実は来月にでも楽天モバイル回線を解約しようかと思っていたのですが、今回の新料金プラン発表により解約は一旦保留し、しばらくは回線を維持することにしました。

元々基本料金無料期間が終了するユーザーが出てくる今年4月を前に解約絡みの改悪を仕掛けてくることを警戒していたのでそうなる前に解約しようと思っていたのですが、今回回線を無料で維持できるような施策を取ってきたことでそれはなさそうですし、それなら各種検証用、バックアップ用の回線として持っておいてもいいかな、と考えを変えました。

とは言え楽天モバイルのことですからどんな改悪を仕掛けてくるか分からないですし、基本料金0円スタートもいつまで続くか分からないので今後も警戒は必要でしょうが…

自社カバレッジが十分広がった時点で「1GBまで無料になるのは自社回線上での通信のみ」とか言い出しそうですし。

 

余談ですが以前この過去エントリで「楽天モバイルは本来20MHz割り当てられている周波数幅を5MHzしか使用していないため通信速度がイマイチ」と書きましたが、最近ようやくそれをフルに使うようになりました。

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これにより通信速度が大幅に向上しましたから、自宅の非常用ネット回線としても実用になりそう。

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自宅の楽天モバイル自社回線の電波状況がいい場所(キッチンの窓際)でスピードテストをすると下り150Mbps、上り50Mbpsを超える値を叩き出しました。

実際に自宅の非常用ネット回線として使うのであれば手持ちのイーモバイルモバイルルーターでも問題ないですが、LTE Band 3に対応し、Band 18/26には対応しないCPE(モバイル回線利用据え置きルーター)が欲しい気がします。