9/23に西九州新幹線(武雄温泉~長崎)が開業し、それにより既存の在来線特急かもめ(博多~長崎)は廃止となります。
私は長崎本線の有明海沿いを走る区間(諫早~肥前鹿島)が大好きなのですが、西九州新幹線開業後はこの区間を特急で移動する事はできなくなるため、以前からその前に一度乗っておかないと、と思っていたもののいろいろあって実現できずにいたのですが、先日何とか時間を作って日帰りで行ってきました。
いわゆる「葬式鉄」というやつです。
上に書いた通り有明海沿いを走る区間が大好きなので、車窓の風景を愛でるため当然有明海側になる座席(座席番号A)を指定。
博多駅改札前の出発案内ディスプレイ。
9/23以降はここに「特急かもめ」という表示が出る事はなくなります(「リレーかもめ」になる)。
そして有明海沿いの風景を愛でながら長崎へ。
訳あって浦上駅で下車。
いつの間にやら高架駅になり、昔の面影はゼロ…
浦上駅の出発列車案内。
ここに「特急かもめ」の表示が出るのも9/22まで。
今回は「帰省」ではなく、運行終了前に特急かもめに乗る事が主目的だったので長崎での滞在時間は6時間程。
慌ただしくあちこち回りましたが、それについてはまた改めて。
長崎駅周辺は工事中で雑然としていて、駅への入口が(仮)感満点。
建設中の西九州新幹線改札口。
改札を入った先に新幹線/在来線乗り換え改札もありました。
長崎駅改札前の出発列車案内。
9/23以降はここにも「特急かもめ」の表示が出る事はなくなります。
これも9/23以降は見られない光景です。
本当は白いかもめ(885系)にも乗るつもりだったのですが、「確か肥前山口に停車し、二日市に停車しないのが白いかもめだったよな」と思い往路にそのような列車を予約して当日博多駅のプラットホームに行ってみるとそこにはなぜかガンメタかもめが…
結局白いかもめには乗れずじまいになってしまいました。
JR九州の公式時刻表検索サイトをちゃんとチェックすれば列車詳細に「白いかもめで運転」と書かれているものを選べばいい(一方「DXグリーンがあります」と書かれているものがガンメタかもめ)という事が分かったのですが、It's too late...
西九州新幹線はこの後東方向へ曲がっていき、八千代町付近でトンネルに入り諫早に向かいます。
夕刻の有明海を愛でながら博多へ戻りました。
というわけで今回慌ただしく葬式鉄してきたわけですが、そもそも明らかに不要で「税金のムダ使い」でしかない西九州新幹線ができるせいでこんな事をする必要が出てきたわけですし、西九州新幹線の開業により確かに博多~長崎間の所要時間は短くなるものの当然運賃はアップ、しかも武雄温泉駅で乗り換えが必要と不便になるのですからたまりません。
ですから今後帰省等で長崎に行く際は高速バスかなぁ、と思っています。
とは言え路線自体が廃止されるわけではないですし、他地域の整備新幹線とは異なり肥前鹿島~諫早の運行は今後も引き続きJR九州が行いますから、今後もこの区間をJRで移動する事は可能ですし、青春18きっぷなども利用できますが、普通列車のみで本数も大幅に減りますから、このルートを移動するのもこれが最後になりそうです。
最後に長崎本線特急以外に西九州新幹線の開業と共になくなるものをいくつか。
9/23に駅名変更が行われ、江北(こうほく)駅になるため長年親しまれたこの駅名も消える事になります(もちろん駅自体はなくならない)。
そう言えばスペースワールドがなくなったにも関わらず駅名は変更なく「スペースワールド」のままで、現状に合わないので変更されるべきだと以前から思っているのですが、肥前山口駅はそういった理由がないのに駅名が変更されるのはなぜなんでしょうか。
以前ネットで「スペースワールド駅の駅名が変更されないのはJRの駅名の変更は予約システムなどの絡みでJRグループ全社に影響が及ぶ事なので安易に変更できないから」という説を見たことがあるのですが、そんなのウソじゃん、と思ってしまいます。
もしそれが理由なら基本的に普通列車しか停車しない(しなくなった)スペースワールド駅の駅名が変更されず、特急停車駅の肥前山口駅のそれが変更されるのはおかしいですからね。
長崎本線を走る普通電車。
9/23以降肥前鹿島以南を特急列車が走らなくなる事で肥前浜~長崎間が非電化となるため、その区間を走る普通列車は電車から気動車へ変更となります。
日常生活でこの区間の列車を利用する人達にとっては明らかなダウングレードとなるわけで、本当迷惑な話です。
つまりこれによって長崎駅に在来線の電車が乗り入れなくなるわけで、県庁所在地のターミナル駅にJRの在来線電車が乗り入れないのは九州では長崎駅のみ、全国でも数少ないのですが(山陰や四国ぐらいにしかないと思う)、こういったところにも長崎という街の凋落が現れているんでしょうね。