iPhone 5ユーザーは涙目:au LTE(800MHz)のエリアは圧倒的

今月2日からauの800MHzバンド利用のLTEサービスがスタートしました。
同時に対応端末も発売開始。
そしてこれまで「Coming Soon」だったLTEカバレッジエリアマップも公開になりました。
さっそくそれをチェックしてみましたが、見た瞬間ぶっ飛びました。
他キャリアと比べ「圧倒的」としか言いようのない程のカバレッジをサービス開始直後からいきなり実現しているからです。
まさかこれ程までのロケットスタートをするとは思いもしませんでした。

九州北部のau LTE(800MHz)のカバレッジエリアマップ。
蛍光ピンク色が現状でのLTE利用可能エリア、薄ピンク色が来年3月までにLTEが利用可能になる予定のエリアです(オレンジ系の色はCDMA2000のカバレッジエリア)。
大都市中心部だけでなく郊外も広くカバー、そして地方の中小都市までもがカバーされていて、他のキャリアがまだ「点」でのエリア展開に過ぎない状況で既に「面」でのエリア展開を実現。
一瞬にしてドコモを追い越したどころかイーモバイルの全エリア(LTE/DC-HSPA+)すらも超えています。
そしてここで示されているLTE対応エリアのほぼ全てが下り最大75Mbpsに対応、というのも37.5Mbpsでのサービスがほとんどである他キャリアに比べて圧倒的な差となっています。
マップ上は博多駅で特急かもめに乗り、終着である長崎駅に到着するまでの道中ほぼ途切れることなく(もちろんトンネル内は除く)LTEでの通信が可能だったり(ちなみに九州新幹線だと八代駅まで)、これまで次世代モバイル通信とは縁がなかった長崎市中心部から車で30分程南に下った私の地元(というかオヤジの地元)がLTEエリア内になっていたりとマップを見ていると驚かされることだらけです。
ただ離島がまだ全くカバレッジに入っていない(LTE対応エリアがあるのは沖縄本島のみ)のはいただけませんが、この調子だと来年4月以降主要な島から順次カバーされるようになりそうで、現状でも「最強」であるau LTE(800MHz)のエリアが更に強化されるのは間違いないでしょうから、もう少し待ちですね。


それにしてもau LTE(800MHz)はサービス開始直後からこれ程の利用可能エリアの広さを実現しているのに対し、2年のアドバンテージがありながらそれを遙かに下回るドコモのLTEカバレッジって一体何、と思わずにはいられません。

そしてこれがそのドコモのLTEカバレッジエリアマップ。
オレンジ色が現在LTEが利用可能なエリア、紫/緑色が将来LTEが利用可能になるエリア(800/1500MHzバンドによるサービスの可能性あり:最近発売開始された秋モデル端末ですら非対応)ですが、一瞬で判別できる程の違いがあり、比較になりません。
これを見るとドコモのLTEサービス展開戦略に大きな誤りがあったのは明白、と言わざるを得ません。
既に3G(FOMA)で利用している周波数バンドである2100MHzを一部(5MHz幅)削ってLTEに割り当てる、というやり方ではなく、サービス開始時は東名阪では1700MHzバンド、それ以外では1500MHzバンドを利用し、800MHz帯の再編後Band 19が使えるようになったタイミングで800MHzバンドによるサービスを追加(今更Band 19をFOMAプラスでも利用するのは「愚行」としか言いようがない)、そして2014年に東名阪で1500MHz帯が使えるようになるタイミングで東名阪での1500MHzバンドによるサービスを追加、とした方がよかったのでは、と素人考えでは思ってしまうのですが、計画の段階ではLTE端末のマルチバンド対応が難しく、コストもかかる、といった理由で無理だったのでしょうね。
果たしてドコモがauLTEと対等に戦えるようになる日は来るのでしょうか。


以前auiPhone 5テザリングを利用してLTEの通信速度チェックを行なった(その時のエントリはこちら)博多駅前バスターミナル内のauショップau LTE(800MHz)対応端末(ARROWS ef)を使って同じように通信速度をチェックしてきました。

私のGalaxy Note GT-N7000とARROWS efをWiFiテザリングで接続し、Speedtest.netを実行したところ。

(左)ARROWS efとWiFiテザリングで接続されているところ(右)Speedtest.netの測定結果。
通信速度は下り15Mbps、上り7Mbps程と以前iPhone 5スピードテストをした際と同程度の速度を記録。
iPhone 5向けのLTE(2100MHz)は帯域幅が5MHzであることを考えればiPhone 5が健闘していると言えますし、逆に言うと帯域幅10MHzで、最大通信速度が75Mbpsのサービスであるのならもっと速度が出てもおかしくない、とも言えます。
しかしARROWS efのLTE電波受信状態がイマイチだった(アンテナマークフル点灯ではない)ので、速度が出なかったのはそれが原因の可能性大、ということで電波状態がよければもっと速度が出る(下り25〜30Mbps程度)と思われます。
ただしまだ発売開始から3日しか経っていないためユーザー数が非常に少ない、キャリアショップ店頭のデモ端末/SIMでテストしている、ということを考慮する必要があるため、単純には比較できませんが。


そう言えば今回発表されたau LTEカバレッジエリアマップは800MHzバンドサービスのものだけで、iPhone 5が利用する2100MHzバンドに関しては相変わらず対応エリアがある区市町村リストのみで、マップがない。
SoftBankに手の内を明かしたくない、ということでしょうが、これはいただけません。
しかし800MHzバンドLTEサービスのカバレッジを見れば、2100MHzバンドしか利用できないiPhone 5を今更選ぶのは「愚行」「情弱」としか言いようがないですし、既にauiPhone 5を買った人は涙目だろうなぁ、と思わずにはいられません。
私が「800MHzバンドLTE対応のAndroid端末が出るまで待て」とアドバイスしたにもかかわらず、auiPhone 5を買った友人がいるのですが、もしかするとこのカバレッジマップを見て涙しているかも知れません。
素直にHTCのちょうちょ(これは私も欲しい)にすればよかったのに…