海外メーカーは冷遇?:au秋冬モデル(訂正あり)

今日auの秋冬商戦向けの新モデル発表会が行なわれ、夏モデル発表会の際に「秋モデルでWiMAX対応スマホを複数機種出す」というKDDI社長の発言があった通り、今回4機種のWiMAX対応スマートフォンが発表されました。
それに対しWiMAX非対応モデルが2機種、ということを考えるとauWiMAX対応スマートフォンにかなり力を入れている(=3G回線の逼迫に苦しんでいる)ことが窺えます。


ニューモデル | 製品ラインアップ | au by KDDI


そのWiMAX対応スマートフォン、海外メーカー製端末が2機種(HTC、モトローラ)、国内メーカー製端末が2機種(富士通、京セラ)ですが、端末スペックを見て気づいたのが


海外メーカー製端末は冷遇されている


ということ。
もちろん「ガラケー機能を搭載していない」ではありません。
海外メーカー製2機種はどちらも新800MHz/2100MHzのみの対応で、来年7月に旧800MHz帯が廃止され、新800MHz帯に完全に切り替わるまでは利用可能エリアが狭くなりますし、WIN High Speed(EV-DO Rev.A Multi-Carrier)非対応で、パケット通信のスペック上の最高速度が下り3.1M/上り1.8MとWIN High Speed対応機種(下り9.2M/上り5.5M)と比べて遅い、国際ローミングはCDMA2000のみで、GSMローミングには対応しない、といった具合に国内メーカー製端末に比べ明確に劣る点があるからです。
周波数バンドの件はあと10ヶ月程我慢すれば済む話ですし、国際ローミングの件はGSMローミング対応au端末またはSIMロックフリーGSM/W-CDMA端末にSIMを挿し替える、という手がありますがパケット通信速度の件はどうにもならない。
(訂正)
HTC EVO 3G(ISW12HT)、Motorola Photon(ISW11M)両者ともSIMカード非対応端末のため、GSMローミングを利用するためにSIMを挿し替える、という手は使えません(下記のauユーザーの友人に指摘された)。
そういうわけでこれらの端末はGSMローミングが必須のユーザーにとっては選択肢に入らない、ということになりますね(そもそも国際ローミングを重視する人にとってはau自体が選択肢に入らない、といえますが)。


そう言えば国内主要キャリア3社の中で通信速度が最も速いのはau、という調査結果が最近出ましたが


速度で選ぶならau?――MMD研究所が携帯3社の3G通信速度を比較


その大きな理由が最大3本の回線を束ねて利用できるWIN High Speed(EV-DO Rev.A Multi-Carrier)であることを考えると(W-CDMAで使われるマルチキャリア技術(DC-HSDPA/DC-HSPA+)では最大2本までなので、よほど条件がよくないとその恩恵を享受できない)、それに対応しない、というのでは魅力半減です。
WiMAXがあるからいいだろ、ということかも知れませんが、WiMAX非対応エリアではCDMA2000網を使った通信になるわけですから、そこで大きな差がついてしまうのはいかがなものか、と思います。
auのCDMA2000ネットワークの都合もあったのでしょうが、せめてパケット通信速度の件はどうにかして欲しかったですね。


auからWiMAXテザリング対応端末としてHTC EVO 3DかMotorola Photonが出るらしいから、出たらどちらかを買う、と言っていたauユーザーの友人がいるのですが(どちらも出たことできっと喜んでいることでしょう)、私としては上記の理由で「利用環境を鑑みると、root化するつもりがなければ国内メーカー製端末の方がよくね?」とアドバイスしようか、と思っているところです。


最後に余談を一つ。
富士通WiMAX対応の新モデルArrows Z(ISW11F)ですが、ドコモからWiMAXLTEに変更したモデル(Arrows Z LTE?/F-02D?)が出てきそうな気がします。