URoad-Homeインプレ(修正あり)

前に使っていたWiMAXルーター(NEC WM3400RN)が壊れた? ということで(先日エントリした通り実は壊れてはいなかった)急遽導入した新しいWiMAXルーター、URoad-Home。
今回はそれについて書いてみることにします。

使ってみた印象を一言で言えば…


WiFiルーターとしてはゴミだが、WiMAX通信性能は高い」


といったところでしょうか。
とにかくWiFiルーターとしての機能が貧弱過ぎで、使い物にならない、というのが本音。


何がダメなのかというと…
その1:WiFi接続台数制限がある(最大10台)
モバイルルーターであれば分かるのですが、据え置きタイプの端末で接続台数制限があるのはいただけません。
以前使っていたNEC WM3400RNにはそのような制限はないのにどうして、と言わざるを得ません。
しかもその接続台数制限の設定が変で、上記の通り最大10台とはいうものの、実は1つのSSIDに最大5台、そしてSSIDは2つ利用できるため5x2=10台、という設定になっています。
WiFiで接続する端末数が1、2台というのであれば問題ないでしょうが、5台以上、となると2つのSSIDに接続する端末を振り分けないといけないため非常に使い勝手が悪くなります。
セキュリティーの関係でそれぞれのSSID間の通信は不可ですから、違うSSIDに割り当てた端末間でのデータのやりとりができないですからね。
その2:デュアルSSID周りの使い勝手が悪い
今時のWiFiルーターですから、2つのSSIDをそれぞれ違うセキュリティーレベルで運用できるデュアルSSID機能を搭載しています。
ところがその実装に大きな問題が。
利用状況によっては2つのSSIDが必要ではなく、1つで十分、というケースもあると思います。
しかしURoad-Homeは常に2つのSSIDを使う設定になっており、どちらか1つのSSIDだけを使う、ということができない。
片方のSSIDに対する接続可能端末数を「0」にし、そのSSIDをステルス設定にすることで同等の効果を得られますが、方法がトリッキー(SSIDが2つ、ということは変わらない)な上に全体のWiFi接続可能端末数を減らす結果になるため、あまりいい方法とは言えません。
NEC WM3400RNにはプライマリ、セカンダリそれぞれのSSIDをON/OFFできるようになっており、どちらか一つだけを使う、という設定が可能なことを考えると、どうしてこのような仕様になっているのか謎です。
とは言えもしそれができたとしても上記のWiFi接続台数制限の関係で、接続可能なWiFi端末の数が減ってしまう、という落とし穴がありますが。
その3:802.11n完全準拠ではない(最大150Mbps)
WiMAXの最大通信速度は40Mbpsですから、フルスペックの802.11n(300Mbps)は必要ない、ということかも知れませんが、LAN内の通信では通信速度は速いに越したことはない。
共有フォルダへのアクセスが速くなる、といったメリットがありますからね。
NEC WM3400RNはURoad-Homeよりも本体サイズが小さいにもかかわらず、フルスペックの802.11n対応であることを考えると「手抜き」と言わざるを得ません。
ついでに言うと有線側もGbEには対応せず、100Base-TX対応にとどまる点も不満ですが、まぁこれは仕方ないかな、という気がします。
NEC WM3400RNも同じ仕様ですし。
しかしイーサネットハブをつないでの利用はサポート外、となっているのはいただけません。
ルーター側で200台以上の端末へのIP割り当てが可能な仕様になっているにもかかわらずどうして? と言いたくなります。
その4:動作ログ機能が貧弱
購入直後からいきなり回線トラブルで利用ができない状態だった、ということもあり動作ログを確認することが多かったのですが、動作ログにエラー情報の類が一切記録されないため、全くと言っていい程役に立ちませんでした。
しかもログにイベント発生時刻が記録されないため、イベントの発生頻度といったことが分からない、というゴミ仕様。
一応ログ機能がある、というレベルの代物で、ログをトラブル解決に役立てるために使う、といったことには全く期待できない、と思っておいていいでしょう。
これ程動作ログ機能に問題のあるルーター(有線/無線を問わず)は初めてです。
その5:マニュアルがPDFで提供されていない
これはハードウェアの問題ではありませんが、メーカーサイトにあるマニュアルはWeb形式となっていて、PDFファイルではありません。
ですからオンラインでしか参照できません。
PDFで配布されていればそれをダウンロードしておいて後から必要な時にすぐに参照できる(ネット接続ができなくても!!)のに、それができないのはトラブル時のことを考えると不便。
そしてマニュアルはPDFではないのに、FAQ集はPDFで配布されている、というのもおかしな話です。
普通は逆のような気がしますが…


そういうこともあり、私はURoad-HomeのWiFi機能をOFFにし、別途WiFiルーターを有線接続して使っています。

バッファロー802.11a/b/g/n、GbE対応WiFiルーターをつなぎ、LAN周りは全てこれに任せる形で運用しています。
つまりURoad-HomeはWiMAXモデムとしてしか機能していないことになります。
実はNEC WM3400RNを利用していた時も同じ体制でした。
NEC WM3400RNはDNS周りが腐っていたため(DNSによる名前解決ができなくなることがある)、バッファロールーター側でUQ WiMAXDNSサーバー設定をして(DNSサーバー設定は国内全WiMAXキャリアで共通=UQのものを使う)強制的にそれを使う形にしていました。
(修正)WiMAXDNSサーバーアドレスはMVNO先によってはUQのものではなく、自社のものを使うところもあります。
この問題、ファームウェアアップデートで解決すれば、と思っていましたが、結局一度もアップデートされることはありませんでした。
ですからURoad-Homeにはこのような使い方で便利に使えるようルーター機能をOFFにする機能(=WiMAXモデムとして動作する)を搭載して欲しかった、と思っています。
据え置き利用では現状のLAN環境をそのまま利用したい、というニーズもあるでしょうから。
そういう環境では二重ルーター状態になりますから、管理が面倒ですからね。


とここまでURoad-Homeをけなすだけけなしてきましたが、当然ダメなところばかりではありません。
上にも書いた通りWiMAX通信性能が高く、これまでよりも更に高速に通信できるようになりました。
NEC WM3400RNを使用していた時は下り4M、上り2M程度の通信速度でしたが、URoad-Homeでは下り5M、上り3M程度が普通ですし、通信状況がよければ下り6M、上り4M程度出ます。
下りが最大50%、上りに至っては最大2倍のパフォーマンス向上です。
WiMAXの電波受信状態がよくなっているので、通信パフォーマンスの向上はそれによるものでしょう。
上に書いた通り欠点の多い端末ですが、それだけでも乗り換えした価値はありました。
端末の欠点については端末値段が1円(1年縛り付き)であることを考えれば目をつむれますし、利用料金も以前(Wireless Gate WiMAX利用時)よりも安くなっていますしね。


結果としていいところよりも悪いところの方が目立ってしまった製品ですが、WiFi周りのクソ仕様の多くはファームウェアアップデートで何とかなる問題なので、メーカーには早急に機能向上のためのファームウェアアップデートを実施して欲しいところ。
NEC WM3400RNのような放置プレイは勘弁してもらいたいですね。