Jelly BeanのTestModeには要注意!!

以前のエントリに「Galaxy S II GT-I9100をAndroid 4.1(Jelly Bean)版NeatROM Liteへアップデートしたら、TestMode(*#*#4636#*#*)が起動できなくなった」と書きました。


Galaxy S II(GT-I9100)にジェリービーンズを食べさせた


その後これに関する情報を探したり、いくつかアプリを試したりしてようやくたどり着いたのが「TelInfo」という無料アプリ。
TestModeを開くためのショートカットとして機能するだけのアプリです。
この手のアプリは他にもいくつか見つかりましたが、Jelly Beanでは動作しないものばかりの中これは動作しました。


これでTestModeが起動しない問題は解決しましたが、これにより新たな問題が発生。
しかもそれは深刻なもの。
FOMAプラス対応化するための操作である「TestModeからバンド切り替えモードを呼び出し、そこで"Japan Mode"を選択」を行なうと"Successful"表示が出るにもかかわらず、ちゃんとバンド設定が切り替わらずFOMAプラス対応にならないのです。

左がバンド切り替えメニューを呼び出したところ、右がJapan Bandを選択し"Successful"のメッセージが出たところ。
この状態でServiceMode(*#0011#)で利用可能バンドを確認するとW-CDMA850/900/1900/2100にチェックが入った状態(Automaticと同じ)になってしまい、おかげでJelly Beanアップデート後も維持してきたFOMAプラス対応を失ってしまいました。
試しにJapan Mode以外の選択肢を選択してみると、Euro BandだとW-CDMA1900 Onlyになり(もちろん圏外になってしまう)、Aus BandだとGSM900 Onlyになる(もちろんこれまた圏外になる)といった具合におかしなバンド設定に切り替わってしまいます。
ちなみに本来ならば前者だとGSM900/1800+W-CDMA2100、後者だとGSM900/1800+W-CDMA850/2100に切り替わらないといけないのですが…
しかもTestModeが強制終了することもある。
OSバージョン(Jelly Bean)自体に問題があるのか、それともカスタムROMに問題があるのか(リーク版ファームウェアベースですし)は分かりませんが、これではTestModeでバンド設定を切り替えてFOMAプラス対応にしたり、それを解除してドコモ以外のキャリアを使えるようにしたりすることができなくなります。
それ故TestMode呼び出しコマンドが無効になっているのかも知れません。
日本国内でドコモを利用する時以外はAutomaticに設定していれば何の問題もないため、そのような仕様に変更された、という可能性もありますが、Jelly Bean搭載端末であってもXperia Zのように*#*#4636#*#*でTestModeを呼び出せる端末もありますから、それが理由とは思えません。
というわけでGalaxy S II GT-I9100などの隠れFOMAプラス対応のサムスン端末をTestModeでFOMAプラス対応化した上でJelly Beanにアップデートした環境で利用している方は絶対にTestModeでのバンド切り替えをしてはいけません。
FOMAプラス対応が失われるだけでなく、通常の方法では再びFOMAプラス対応に戻すこともできなくなります。


とは言え私のようにそれをやってしまい、FOMAプラス対応が失われてしまっても復旧手段はあります。
やり方はroot化されているか(もしくはroot化しても問題ないか)、Jelly Bean以前の環境(ICS/Gingerbread)で取ったNandroid Backupがあるかによって手順とかかる手間、時間が異なってきますが、基本的にはTestModeが正常に利用できる環境(ICS/Gingerbread)へ戻してそこで再びバンド切り替えモードをJapan Modeへ切り替えてFOMAプラス対応を復活させ、その後Jelly Bean環境へ戻す、という手法をとります。
ROM焼きのやり方やファームウェアの入手法については割愛します(必要な方はググってください)。


私の場合は旧環境のNandroid Backupがあったので、次の方法を取りました。
現在の状態(Jelly Bean環境)のNandroid Backupを取る(既にバックアップがあれば不要)。
Jelly Bean以前の環境(ICS/Gingerbread)で取ったNandroid Backupでリカバリー。
これでTestModeが正常に利用できる状態に戻るので、TestModeを呼び出し再びJapan Bandに切り替え。
そしてJelly Bean環境のNandroid Backupでリカバリーして元の環境に戻す。
私はこの方法で元に戻し、FOMAプラス対応を復活させました(ただし100%確実、というわけではないので要注意)。


旧環境のNandroid Backupがない場合は
現在の状態(Jelly Bean環境)のNandroid Backupを取る(既にバックアップがあれば不要)。
ICS/Gingerbreadのファームウェアを入手してそれを焼き、root化済ファームウェアでなければroot化。
これでTestModeが正常に利用できる状態に戻るので、TestModeを呼び出し再びJapan Bandに切り替え。
そしてJelly Bean環境のNandroid Backupでリカバリーして元の環境に戻す。
現在root化されておらず、今後もroot化したくない場合は(現在Galaxy S II GT-I9100などをJelly Beanにアップデートしている人でそういう人はいないと思いますが)
ICS/Gingerbreadのファームウェアを入手してそれを焼く。
これでTestModeが正常に利用できる状態に戻るので、TestModeを呼び出し再びJapan Bandに切り替え。
そしてJelly Beanのファームウェアを焼いて元の環境に戻す。
という方法で元に戻せると思います。
しかしこれらの方法は私自身では試していないため、ちゃんと元に戻る確証はありませんので要注意。
やる場合は自己責任でお願いします。
そして後者の場合は端末がハードリセットされ、設定を一からやり直す必要があるかも知れないので要注意。


このようにサムスンGalaxyシリーズ端末をJelly BeanにアップデートするとTestModeが使えなくなり、自由にバンドモードを切り替えて使うことができない、というのは私のように通常はドコモSIMを利用しており、たまにSIMを他キャリアのものに挿し替えて使う、という使い方をしているユーザーにとっては非常に使い勝手が悪くなるため本当困ります。
実質的にドコモSIMを挿しっぱなしにし、日本国内専用で使え、ということですから。
切り替えが完全に不可能、というわけではないとは言えそのためだけにNandroid Backupでバックアップ/リカバリーなんてやってられませんからね。
これに関してはリーク版ファームウェアベースのカスタムROMを利用していることが原因で、正式版Jelly Beanファームウェアでは解決していることを願いたいところです。


最後に関連するネタをもう一つ。
既にご存じの方もいるかと思いますが、TestModeからバンド切り替え画面を呼び出した際に「Automatic」の選択肢がない端末の場合は即座にバンド切り替え画面をキャンセルし、絶対にバンド設定をいじってはいけません。
何らかの選択肢を選び、バンド設定を変更してしまうとユーザーでは元に戻す手段がなく、修理に出さなければならなくなります(保証期間内でも有料になる可能性あり)。

例えばこれはHuawei IDEOS U8150-BのTestMode画面ですが、バンドモード切替の選択肢には「USA Band」しかありません。
間違ってこれを選んでしまうと北米以外では電波を掴まなくなってしまい、しかも上にも書いたように元に戻せなくなります。
Automaticの選択肢があればそれを選択することにより元に戻せるので、問題ないのですが…
今更なネタかも知れませんが要注意。