許し難い過渡期を悪用したボッタクリ行為


本当は今月が縛り終了月だったau回線をMNPし、ドコモデータ回線にしたことを先にエントリする予定だったのですが、今日許し難い出来事に遭遇したので、それについて先に書くことにします。


今日中洲のドンキに立ち寄り、私が自宅で使っている電動歯ブラシの替えブラシを買いました。
既に20本近く買い込んであるため買う必要は全くなかったのですが、つい「増税前にもう少し買い込んどこう」と思って4本購入。
そしてレジへ向かい支払いをしようとすると、なぜか以前の価格よりも2円高い。
消費増税に備えた措置で店内の価格表示が税込から税別に変更されていることが原因と思われますが、まだ増税前ですから価格は以前と同じのはず。
なのに2円高い合計金額になっていたのです。


当然レジのおねいさんにクレームしたのですが、結局「消費増税に備えた価格表示の変更による過渡的なもの」ということで結局うやむやになり、その2円はレジ脇に置かれた1円玉が入った箱から出して支払って追加出費を回避したので、それ以上は追求しませんでした(しかし後から考えると責任者に話をするべきだった)。
しかし「おかしい、と思ったことは追求し、はっきりさせないと気が済まない」私としては不満が残り、モヤモヤしていたので、帰宅後改めて計算してみました。
すると計算方法の違いで税込価格が変わることが分かったのです。


私は当初「(税抜価格+5%※)*購入個数」(※:1円以下の端数は切り捨て)で計算するものだと思っていたのですが、実際には「(税抜価格*購入個数)+5%」で計算されていたのです。
実際今回のケースを前者の計算法で計算すると以前と同じ価格となり、後者だと2円高くなるため、辻褄が合いますし、上の今回の税別価格(左)と以前の税込価格(右)のレシートの画像からもそれが分かります。
つまり税込価格時と同じ販売価格にするには前者で計算しなければならないのに、なぜかそうではない後者の計算法を用いているため、販売価格が高くなっている、というのが事の真相のようです。
これにより消費税額が変わるわけではないので、この差額分は丸ごと店側の儲け、言い換えれば客の損となりますが、これはよほど気をつけていないと分からない。
私は税込価格時に同じものを購入していてその時の値段を覚えていた(というかここで買うのが最安なので、ちゃんと値段を覚えていた)から気づいたようなもので、そういったことがなければまず気づかないでしょう。
店側としてはそれを利用して「税率変更の過渡期だから」という名目で客からボッたくれるわけで、よく考えたものだと感心します。
しかしこれは過渡期だから発生するものではなく、税別価格を採用する以上は避けられないものです。
事実今回のケースを4月からの消費税率8%で計算し直すと、差額は3円になります(言うまでもなく+1円分は消費税分の増加ではない)。
ですから本来は消費税率変更による過渡的なものだからといってこのような問題がある税別価格を認めず、これまで通りの税込価格を義務づけていれば済む話で、そうしなかった政治屋と役人に責任がある、と言わざるを得ませんし、こういった問題があることを指摘せず、全く報道しないマスゴミも同罪。
消費者側からすれば全くひどい話です。
日本以外のVAT/GSTを採用する国では私が知る限りは全て税込価格表示を採用しており、税別表示をしている国はないと思われるので尚更です。


更に気になって既に税別価格を採用している他店のレシートも確認してみました。
サニー(西友)は今回のドンキと同じ後者の計算法を採用しており、今回のケース同様価格が税込価格時よりも高くなる可能性があることが判明。
そしてMr.Max(九州で店舗を展開するディスカウントストア)は逆に前者の計算法を採用しており、税込価格時と税別価格時で価格の差が発生しない。
つまりどちらの計算法を採用するかは完全に小売店側の裁量に任されている、ということになり、そこに悪意を持つ経営者が付け入る隙がある、というわけです。
余談ですがどちらの計算法でも支払い価格が変わらない店(100円(税別)ショップなど)もあります。
そういうこともあり私は可能な限り税込価格を上記計算式前者(各商品の税込価格を先に計算し、それを足し合わせて合計額を出す)で計算する店を選ぶようにするつもりですし、それ以前に4月以降も税込価格を維持する店を優先的に利用するようにしようと思っています。
消費者の立場を考えて価格を維持する努力している店を応援したいですしね。
消費増税により出費が嵩むようになっても収入が増えるわけではないので、生活防衛の観点からすれば当然の措置です。


こういったことを書くと「たかだか1円2円のことでわざわざブログに書いて大騒ぎするな」などと思う人もいるかも知れませんが、そういう態度がこのようなボッタクリ行為を助長するのです。
「どうせバレないし、客は文句を言わないから何をやってもいい」ということで。
たとえ一回の買い物で余分に払う額が1円、2円であってもそれが積み重なれば店側からすれば一日数千、大きな店では数万円もの「不当な」売り上げ増となりますし、消費者側からすれば月数百円を余分に払わされるハメになるのですから、決して無視できるものではありません。
消費増税により出費が嵩むようになっても収入が増えるわけではないので、1円でも出費を抑えたい、と思っている人が私を含め多い中、このような制度の隙間を突いたボッタクリ行為はたとえ1円であっても決して許されないのですから。
だからこそ私はこのことを書いたのです。
以前から何度も書いていますが、日本人は「これはおかしい」と思っても文句を言わず、当然それに対して怒りを抱いたり抗議したりすることもなく、安易に「仕方ない」と諦めてしまう不思議な人種ですが、そういった態度が回り回って最終的に自分の首を絞めることになる、ということを認識して欲しいところです。


4/1から税別価格に移行する小売店も多いですから、これからは税込価格の計算法についても注意を怠らず買い物しないといけませんね。
というかこういったことをいちいち気にしながら買い物しないといけない、というのは面倒だ…
増税して国民に痛みを強いてでも自らの利権、既得権益を維持したい政治屋、役人のエゴがこのようなことをもたらした、ということを考えると本当腹が立ちますが、この件についてはこのエントリの趣旨ではないので割愛します。