今日VAIOブランドのスマホ、VAIO Phoneが発表されました。
日本通信×VAIOから「VAIO Phone」、5万1000円で - ケータイ Watch
近日中にVAIOブランドのスマホが発売される、という発表がなされた時点で「よりによって『MVNO界のSoftBank』(自称)日本通信と組むのか。失敗することが約束されているのに」と思っていたので、ひどい内容になることは最初から予想がついていたのですが(だから別に期待もしていなかった)、今回発表されたVAIO Phoneの内容は私の予想を超えたひどさでした。
何しろ発表会が開かれている中VAIO Phoneの正体がバレ、パナソニックが台湾で販売している端末と同じものであることが判明してしまう、という始末。
【速報】「VAIO Phone」正式発表、「ELUGA U2(3万円)」と同モデルを5万1000円で販売する暴挙に | BUZZAP！（バザップ！）
VAIO Phoneよりも高速なCPU(SoC)を搭載し、ディスプレイ解像度はフルHD、4GB RAM搭載モデルもあるASUS Zenfone 2の日本での販売価格が3万円程と予想されていますから、端末スペックに対して非常に割高なのは明白で、誰がこんなの買うんだよ、と言わざるを得ません。
そんな価格に不釣り合いな低スペックのゴミを日本通信は「プレミアムスマホ」「ストライクゾーンど真ん中」とか言ってるのですから呆れて物が言えません。
ストライクゾーンど真ん中ではなく暴投だろ。
しかもVAIO Phone契約のSIMを他のドコモ/SIMロックフリー端末に挿しても利用できない、というおまけ付き。
VAIO Phone自体はSIMロックフリーですが、端末単体で購入できず2年縛り契約する必要があるのであまり意味がないですしね。
そう言えば日本通信にはSIMロックフリーを謳いながら他社SIMに対応しない自社提供の接続ソフトを使わないと利用できないUSBモデム(b-mobile hours150に付属のZTE製USBモデム)を出した過去があったなぁ(しかしちゃんとSIMロックフリー端末として使う方法はある)。
さすがは「MVNO界のSoftBank」(自称)日本通信だけのことはあります。
日本通信は日本におけるMVNOの先駆者、という意味では評価できるのですが、元から通信パフォーマンスに関しては評判が悪く、それについては私も以前利用していた際に何度かネタにしています。
平日昼食時間帯の通信パフォーマンスで当時128kbps通信しかできなかったIIJmioミニマムスタートプランに速度制限なしのb-mobile fairが負ける、という体たらくでしたし(その時のエントリはこちら)。
それに加え最近ではおかしな施策が多く、「最強のSIM」を謳ったSIMを出してみたり(何が「最強」なのか謎)、競合MVNO事業者(IIJmio、OCN)のパクリプランを出してみたり(こういうところもかつてドコモ、auのパクリプランを出していたSoftBankそっくり)と迷走気味。
かつての選択肢がない時代とは異なり今やドコモ回線利用のMVNO事業者は掃いて捨てる程あり、競争も激しいですから、今更このような低レベルなサービスしか提供できない事業者を選ぶ必然性は全くない。
素直にIIJmio及びそれをMVNEとする事業者(BIC SIM、hi-ho、DMM Mobileなど)を選べばいいのですから。
ですから個人的には日本通信はドコモ回線利用のMVNO事業からさっさと撤退してくれないかな、と思っています。
MNOがユーザーから搾取することばかり考えている中MVNOはきつい契約縛りや不要なオプション/コンテンツ契約を強制させるといった罠がなく、健全なサービスが提供されている中MNO的な要素を持ち込んでせっかくの健全な市場を汚すのは止めて欲しい、と思っているからです。
既に「ドコモ回線利用のMVNOサービス向けなのにFOMAプラス非対応の端末を2年縛りで押し付ける」BOOK OFFの「スマOFF」という悪しき前例が出ていますから、これ以上こういう事業者が出てきて欲しくない、そして既存の事業者がこのような手法に手を染めるようになって欲しくない、と思うのは当然です。
日本通信は低レベルなサービスしか提供できない「MVNO界のSoftBank」(自称)なのですから、ドコモ回線ではなくSoftBank回線利用のMVNOサービスに切り替えれば、と思いますし、それ以前にMVNOビジネスからすっぱり足を洗って欲しい、と思っています。
「かつてのパイオニア」の時代は過ぎ去り、ただの「健全な市場を汚す怪しいMVNO事業者」にまで落ちぶれてしまったのですから。
「販売前から失敗することが約束されている」VAIO Phoneがどれだけ盛大にコケるかが見ものです。
