UQ Mobileの通信速度が…

サービス開始当初はauゲートウェイに直結していることでMVNOとは思えない程の通信速度を叩き出していたUQ Mobile
しかし去年11月にKDDI直轄(KDDIバリューイネイブラー:KVE)からUQコミュニケーションズによる運営へと事業形態が変更されたことで平日昼食時間帯など混雑時の通信速度が大幅に低下し、他のMVNOと変わらなくなってしまいました。
それについてはこちらに書きましたが、本当残念に思ったことを思い出します。


しかしお盆明け辺りから急に平日昼食時間帯の通信速度が大幅に向上し、KVE時代と変わらない通信速度が出るようになりました。

このように条件が良ければ下り70Mbpsオーバー、といった通信速度が出ることもあります。

8/22から9/2までの2週間分のスピードテストの結果。
変動はありますが下り10Mbps以上の通信速度がコンスタントに出ており、60Mbps以上を記録することもある程。
ちなみに上り下り共に高速な結果を出している8/30分は20MHz幅LTE Band 1基地局がある場所(自称ドーピング基地局エリア)でスピードテストしています。
しかしスピードテストで良好な結果が出ても、実利用でそれを実感できなければ意味がない。
FREETEL楽天モバイルといった一部MVNO事業者はスピードテストの結果が良くなるような通信制御を行っていると言われており、スピードテストで良好な結果が出ても実際の利用ではそれを実感できない、といったことが発生するようですが、UQ Mobileではそういったことはなく同じ時間帯にIIJmioと比較すると違いは明確で、スピードテストの結果通りの利用感を得られ快適に利用できます。
そして事業者側でメディアファイルを勝手に圧縮して通信量を抑える(それにより体感上の通信速度の向上効果が得られる)いわゆる「通信の最適化」を行っているかも気になったのですが、同じ画像ファイルを昼食時間帯にUQ Mobile回線でダウンロードしたものと帰宅後自宅回線(夜になると通信速度が低下する持病を持つmioひかり)でダウンロードしたもののMD5チェックサムを比較すると一致し、通信の最適化は行われていないことが確認できました(しかし利用規約上は「通信の最適化を行なうことがある」となっている)。
ということでこの昼食時間帯の通信速度の向上は本物のようです。


それにしてもなぜ突然このような平日昼食時間帯の通信速度の向上が見られるようになったのでしょうか。
猫のCMの効果もあってかワイモバイルがSoftBankのサブブランドとして利用者を増やしていることでKDDIとしてはそれに対抗する必要が出てきて、UQ Mobileにワイモバイルの対抗馬的な意味合いを持たせ、他のMVNOとは異なる立ち位置に立とうとしている、というのが根底にあるようです。
それは次のようなIT系メディア記事にも現れています。


UQ mobileは「総攻撃に出る」、au連携で家電量販1000店に展開へ - ケータイ Watch
MVNOに聞く:「auのサブブランドでは意味がない」――新生「UQ mobile」が目指す“第三極” (1/2) - ITmedia Mobile


とは言えワイモバイルはSoftBankのサブブランド、場合によってはMVNOといった扱いを受けているものの実際には自社で回線(FDD-LTE Band 3、UMTS Band 9、PHS)を持つMNOであり、それ故MVNOが悩まされている平日昼食時間帯などの混雑時の大幅な通信速度の低下はないため、これまでのUQ Mobileでは競争相手にならない。
そこでKVE時代同様の通信速度が出るようネットワークを見直し、ワイモバイルに対抗できる通信速度が出るようにした、というのが事の真相でしょう。
そうしなければ「こんな通信速度しか出ないくせにワイモバイル対抗なんて偉そうなこと言うな」といった意見が出てくるのは当然ですからね。
実際私も今回の通信速度の向上がなされる前はそう思っていましたし。

しかしIP確認サイトで確認できるIPアドレスUQコミュニケーションズに事業移管されてからのもののままのようなので、以前と同じようなauゲートウェイに直結、という形にはなっていないようです。


UQコミュニケーションズへの事業移管後は端末の調達などau回線を利用するが故のハンディキャップがあることもあり「もはや終わったMVNO」と言える状態でしたが、今回の通信速度の向上で再び魅力が出てきました。
端末調達もUQ Mobileが用意する端末が増え、auのVoLTEに対応するSIMフリー端末も出てきたことでこれまでのau端末の白ロム頼り、という状況から抜け出しつつあり、改善傾向にありますし。
とは言えそれでもドコモ回線利用のMVNOに比べれば端末のバリエーションには圧倒的な差がありますが…
何と言っても他のMVNOとは比較にならない通信パフォーマンスが得られるのに料金などの条件は変わらず、コストパフォーマンスが高いのが非常に魅力的。
ワイモバイルはSoftBankのサブブランド、MVNO的な扱いをされているとは言え契約周りはMNOのそれが基本のため自動更新ありの縛りがありますが、UQ Mobileは他のMVNOと同様データ回線なら縛りなし、(ぴったりプラン以外の)音声回線なら1年縛り、自動更新なしと契約の柔軟性で勝りますし。
それ以前にSoftBankと関わることはトラブルを招くだけなので、個人的にはワイモバイルとの契約はおすすめできませんが(回線自体は試してみたいのですがね)。
Twitterではつぶやいたもののブログに書いていなかったのですが、4月にドコモLTEデータ回線の契約縛りが終了した際にau回線利用のMVNOMNPすることにしてUQ Mobileとmineoのどちらにしようか悩んだ結果UQ Mobileを選んだのですが(それによりそれまで契約していたデータ回線を解約)、それで正解だった、と思わずにはいられません。


平日昼食時間帯といった混雑時に速度低下するようになったもののドコモ回線利用のMVNOより通信パフォーマンスが高いこともあり以前からUQ Mobile回線をメインデータ回線にしようか、と考えていたのですが、今回の混雑時の通信パフォーマンスの向上を受けて実際にそうする決心がつきました。
UQ Mobile及びKDDIの事業戦略次第で再び通信速度が低下する可能性が無きにしもあらずですが、ワイモバイル対抗を謳っている以上その可能性は低そう、ということもありますし。

Twitterでつぶやきましたが、そういうこともありこんなものを買いました。
詳しいことはまた別の機会に。