もう一ヶ月以上経ってしまいましたが、帰省時のネタをもう一つ。
実家に電話し帰省する旨を伝えた際にオヤジから「携帯が水濡れしたせいで調子が悪くなった」という話を聞かされました。
当然その後ドコモショップへ行ったそうですが、言うまでもなく保証は無効で修理不可、機種変すると4万程かかる上に新料金プラン(音声通話定額)強制になる、と言われたので機種変せずそのまま使っている、とのこと。
そこで私は「それなら同じ端末の程度のいい中古が1万円以下で手に入るから、仕入れて持って来ようか」と言ったのですが「とりあえず今は動作しているからいい」と言うので何もせず帰省。
そして実家でもこの話が出たのですが、その際オヤジに「固定と携帯両方に金を払うのはもったいないから、今使っている端末が動かなくなったらその時点で携帯を解約しようかと思っている」と言われました。
それを聞いた私は当然「携帯を解約して固定を残すってアホじゃないのか」ということで料金が安く、どこででも発着信でき、発信番号表示機能が標準装備なので不審な電話は受けない、ということができるため詐欺電話に対して強い、といった携帯のメリットを説明してどちらかを解約するなら断然固定電話だろ、ということで「とりあえず同じ端末の中古を買ってあげるから、携帯を解約するのは止めなさい。料金プランはそのままで使えるから」などと言って説得を試みたのですが、オヤジはそれに対して聞く耳を持たず「固定電話の方を維持しないと」と言って聞かない。
経済的な理由で携帯か固定かのいずれかを解約する、というのであれば料金が高く、その分解約することによる節約効果が高い後者、と考えるのが当然なのですが…
しかも代替の端末はタダで手に入る(買ってもらえる)、となれば尚更です。
この件についてのやりとりから「固定電話を持っていないと一人前の大人とはいえない」といった古い価値観に囚われていることが分かり愕然としました。
確かに10年程前までは様々な手続きで携帯番号が使えず、固定電話番号でなければならない、といったことがありましたが、今やそういったことはほとんどない(SoftBank携帯の契約ぐらいですかね)ですから、固定電話に固執する理由は(少なくとも個人レベルでは)全くない。
むしろ電話が引き金となる詐欺(俗に言うニセ電話詐欺)が横行している昨今ではそれに対する防御がほとんどない固定電話はむしろ危険であり、着信時に相手の電話番号を確認し、知らない番号だと受けない、といったことが(無料で)でき、端末、キャリアによっては着信フィルタリングといった手法も利用できる携帯の方が安全。
料金面でも最安の料金プランであれば固定電話よりも断然安く(その上3G契約であれば無料通信料が付く:固定電話は完全従量課金)、通話定額プランを選択したとしても通話料金を合算して考えればほとんど通話しない、といったことでない限り携帯の方が固定電話よりも安く、その上通話し放題、というメリットが。
そして固定電話で携帯と同じ詐欺対策をしようと思えばナンバーディスプレイ契約と対応電話機、という追加出費がかかるためむしろ高くついてしまいます。
こういったことについてはこの過去エントリに詳しく書いています。
そういった現実を知っていれば「別に固定電話を維持する必要はなく『節約のために解約』という選択肢はあり」という結論に達するのは当然なのですが、昔の古い価値観に囚われ、時代の変化に目を向けない高齢者はそういった考え方ができず固定電話に固執してしまう。
詐欺の被害を減らすには脆弱性がある固定電話を止め、携帯に乗り換えるべき、と事ある度にブログに書いたり、Twitterでつぶやいたりしている私としては「高齢者の固定電話への執着心が強杉、これでは対策は難しいよなぁ」と思ったのは言うまでもありません。
当然私は固定電話の脆弱性についても話し「ナンバーディスプレイ非対応の電話機だから詐欺や悪徳商法にやられるぞ」と警告したのですが、オヤジは「俺は絶対に騙されない」と言って聞かない。
詐欺師のやり口は非常に巧妙化しており「自分は絶対に騙されない」と思っていた人たちが次々騙されている、という現実を知らない、としか言いようがない。
オヤジは新聞は読まないし、TVニュースもほとんど見ないから、今の詐欺の傾向について何も知らず「詐欺師からの電話を受けたら終了、騙される。だから不審な電話は受けない、というのが最大の防御策」ということが分かっていないんだろうなぁ、とこれまた愕然としました。
まぁうちは詐欺師のカモリストのデータベースに載っていないだろうから、詐欺師のターゲットになることはなさそうなので恐らく大丈夫、と思っていますが、大金を一気に騙し取られる詐欺のターゲットにはならなくても、数万円といった少額を騙し取ることを狙った悪徳商法のターゲットにはなり得るのですが…
今のところはたまにおかしな動作をするものの実用には特に問題ないとは言え、水濡れした端末ですからそれによるダメージでいつか完全に動作しなくなる可能性があるオヤジの携帯ですが、これからも事ある毎に携帯の解約を踏みとどまるよう説得を続けるつもりでいます。
今回の帰省時に話をした感じからするとムダな努力のような気がしますが…
しかし安易に「携帯を解約する」とか言っているうちのオヤジですが、携帯を解約し、固定電話だけにすると非常に不便になる、ということは分かっているのかな、と思わずにはいられません。
当然外出時に電話を受けることはできませんし、電話をかけるには公衆電話を使う必要がありますが、その頼みの綱の公衆電話は携帯の普及により数が大幅に減少し、電話をかけないと、というタイミングですぐに公衆電話が見つかるとは限らないし、公衆電話からの着信は「非通知」と扱われることが多いため非通知の着信はブロック、という設定をしている相手にはつながらず連絡が取れない、といったことも発生します。
そして携帯の電話帳や着信履歴から直接発信、といったこともできませんから、携帯の電話帳の内容を紙の電話帳に書き出し、それを常に持ち歩かないといけないし、当然紛失のリスク(=個人情報の漏洩)も高まる、といった不便さもあります。
それよりも携帯を2年縛り終了月以外に解約すると違約金がかかる、ということを知っているのかな、ということが気になります。
それを考慮せずに解約のためドコモショップへ行き、窓口で「違約金がかかりますが」と言われたらどうするつもりなのでしょうか。
そして携帯解約後に不便さに気づき、再度携帯を契約しようとすると通話定額を強制されたり、有料オプションだのコンテンツだので更に料金が高くなるのですが…
当然携帯番号も変わるので改めてそれを関係者に伝え直さないといけないですが、知らない番号からの着信は受けない、という対策をしている人が多い昨今非常に手間がかかる作業。
そういうことを全く考えず安易に「解約する」とか言うな、と思わずにはいられません。
まぁ私としては人のアドバイスに耳を傾けず、無視する奴が悪い、としか言いようがないので、後から上に書いたようなことで私に文句を言っても「今頃何言ってるの、俺の言うことを聞かなかったのが悪いんだから自業自得でしょ」としか言いません。
当然私は非通知着信はブロック、という設定をしているので、外出先で何かがあって公衆電話から私に連絡しようとしてもブロックされてつながらず、連絡が遅れたり取れなかったりして被害を被る、という可能性がありますが、そうなっても私は知りません。
これまで「詐欺の被害を減らすには脆弱性があり、しかもそれがマスゴミのエゴなどで放置されている固定電話を止め、携帯に乗り換えるべき」と言っていて、帰省時等に詐欺の被害を防ぐためそういったことについて家族と話をしてみてはいかがですか、などとブログに書いている人間が家族を説得できていない、という醜態を晒してしまったわけですが、実際に自分で経験してみることで詐欺の被害者になりやすい高齢者を「脆弱性に対する対策が取りやすく、料金や使い勝手の面でも有利な携帯に乗り換えさせる」というのがいかに難しく、手間がかかることであるかがよく分かりました。
となると重要になるのが固定電話の脆弱性に対する対策。
上記過去エントリにも書いた通りNTT東西は現在432円/月もかかるナンバーディスプレイサービスを無料化し、詐欺の被害者になりやすい高齢者にナンバーディスプレイサービス対応の電話機や通話録音装置、着信フィルタリング機器といった詐欺対策に効果的な機器を無料配布する、そして配布時に詐欺予防対策についての講習をする、といった対策を取れば電話が入り口となる詐欺の被害を大幅に減らせるはずなのですが、そういった話はほとんど聞きません。
とにかくRDD方式の世論調査ができなくなると困ると考えているマスゴミがそういったことを一切報道しない、というのが一番の問題。
自分たちの都合を優先し、それにより詐欺の犠牲者になる高齢者が増えようがお構いなし、という態度を取るマスゴミは詐欺師と同罪、と私は思っています。
しかし詐欺師マスゴミがダンマリしていても、問題の根幹が分かっていれば当然対策が取れますから、我々はそれに基づいて対策を取れば済むので問題なし。
固定から携帯への乗り換えが基本となりますが、うちのオヤジのように固定電話に固執する人にはそれ向けの対策機器を導入する、といった対策を取り、詐欺の被害を防ぎましょう。
そして既に詐欺の被害にあった経験がある、もしくは個人情報の漏洩の被害にあったことがある人(先日の年金情報流出の被害者は特に)は電話番号を変えることを考慮してもいいかも知れません。
詐欺師のカモリストのデータベースの情報や流出した個人情報との関連付けを断ち切る、というのは最大の詐欺予防策ですから。
とは言え電話番号の変更は様々な手間がかかりますから、安易にはできない対策ですが…
それにしてもマスゴミはいい加減固定電話の脆弱性についてきちんと報道して欲しいですし、NTT東西はいい加減ナンバーディスプレイサービスでボッタくるのは止めて欲しいところです。
携帯では無料で利用できる標準サービスであり、全ての端末に標準装備のものに金を取る、というのは有り得ない、と思うのですが…
最後に余談ですがオヤジがドコモショップで言われた「機種変すると4万程かかる上に新料金プラン(音声通話定額)強制になる」というのはおかしい、と思ったので福岡に戻ってから家電量販店のドコモ担当店員氏にこのことについて聞いてみました。
すると月サポが付かなくなるが、現行プランを維持したままでの機種変は可能、とのこと。
思っていた通りだ…
そしてその家電量販店でのうちのオヤジが現在使っている端末(らくらくフォンベーシック3)の後継機種(同4)の機種変価格は3万円程で、同じ機種への機種変で4万、とか言うのはいくらドコモショップだからとは言え高すぎで、ちょっと有り得ない気がします。
店員に「在庫が少ないので早く機種変を」とも言われたそうで、恐らくオヤジはその時行ったドコモショップの店員に騙されてるね、と思ったのは言うまでもありませんし、私が一緒に行っていれば、と思わずにはいられません。
浜の町アーケードにあるドコモショップ(浜の町アーケード店、長崎市)は要注意かも知れません。
もう一つ余談ですが高齢者が固定電話に固執する理由って何なのかが気になります。
個人的には彼らが「若い頃に7万円余りも出して手に入れた電話加入権がもったいない」と思っているからじゃないかと思っていますが、本当のところはどうなんでしょうね。