光転用への道(その3)

自宅の固定ネット回線の2年縛り終了を受けてフレッツから光コラボ(mioひかり)に回線転用し、その通信パフォーマンスの低さに愕然とし後悔した、という話を過去2回に渡ってしてきましたが


光回線転用への道(その1)
光回線転用への道(その2)


今回はそれに対する対策の話です。
とは言っても解約して他の回線に乗り換える、ではありません(違約金かかるしね)。
いきなり結論について書きますが、それは「他のフレッツ対応ISPを追加契約し、光コラボ回線(私の場合はmioひかり)の代わりにそれを使って接続する」です。
回線がmioひかりに切り替わった後も旧ISP(OCN)での接続が利用できた、ということでこの方法が取れることが分かり、これでクソ遅いmioひかり接続を回避すれば問題解決できる、というわけです。
そもそもフレッツサービスというのは契約者宅からNTTのフレッツ網(地域NGN網)までの接続をNTT東西が物理回線として光ファイバー(フレッツ光)、電話線(フレッツADSL/ISDN)を用いて提供し、そこからインターネットまでの接続をフレッツ対応ISPが提供、そしてユーザー認証方式としてPPPoEを用いる、という仕組みのネット接続サービス。
NTT法によってNTT東西は都道府県単位のサービスしか提供できないと定められているため、直接インターネット接続サービスを提供すると法に抵触してしまう、ということで都道府県単位で設置されている地域NGN網を境にサービス提供事業者を分けるこのような仕組みになっています。
このように物理回線とネット接続が切り離されたサービスであるため、基本的にユーザーは自由にフレッツ対応ISPを選び、複数のISPを切り替え、もしくは同時に利用(PPPoEマルチセッション)することができます。
よって既存の光コラボ回線の上に別ISPの接続を乗っけて利用する、ということも仕様上可能ですし、地域NGN網までの物理回線は同じものを使うので、ISPを乗り換えることで通信速度向上の余地が出てくることになります。
しかしこの方法を取る上での問題は光コラボ契約の利用規約と、利用している光終端装置(ONU)のハードウェア仕様。
まず前者についてはmioひかりの利用規約によるとmioひかり回線に別ISPの接続を乗っけたり、PPPoEマルチセッションで他ISPの接続を同時利用したりすることを禁じていないので、特に問題はないことが判明。
ただし他社の光コラボ回線ではそれらを禁じている可能性があるので要注意。
そして後者については私が利用しているのはルーター機能などの付加機能が搭載されていない単体ONUなので、PPPoE接続設定はそれに接続するルーターで行なうため、利用するルーターが複数のPPPoE設定ができ、PPPoEマルチセッションに対応してさえいればOKで、この点についても問題なし。
しかし提供されているONUが単体品ではなくルーター内蔵タイプで、ルーターのPPPoE設定に契約光コラボ事業者の接続設定以外を追加設定することができない仕様になっていれば利用できないので要注意。
そして言うまでもないと思いますが、光コラボ契約に付帯するオプションサービス(ひかり電話、ネットTVサービス等)は利用できなくなるので、これらを利用しているユーザーは残念ながらこの方法は取れません。
PPPoEマルチセッションで光コラボプランと追加したISPを同時接続する設定にし、光コラボのオプションサービスの利用は前者、それ以外は後者の接続を利用するようルーターを設定すれば利用できるかも知れませんが…


既に旧ISPであるOCNの契約は解約されているので、この対策を取るためには改めてフレッツ対応ISPを契約しないといけないわけですが、フレッツ対応プランの契約を単体で行え、しかも契約縛りがない、というISPが見つからない。
私が調べた限りでは(少なくともオンラインサインアップでは)ほとんどのISPがフレッツ対応プランの単体契約が不可で、フレッツ回線の契約とセット(俗に言う「withフレッツ契約」)でなければならなかったり、たとえ単体契約が可能であっても2年縛り必須だったりする。
そして言うまでもなく各社とも「ゴミ」光コラボプラン推しがひどい。
単にオンラインサインアップでは契約不可なだけで、電話等による契約手続き(オフラインサインアップ)であれば可能ではないかと思って電話で問い合わせようとも思いましたが、そんな時にmopera Uのフレッツ接続オプションの存在を思い出しました。
ドコモ回線でmopera Uスタンダード(540円/月)または同シンプル(216円/月、LTEデータ契約でのみ契約可)を契約しているユーザー向けのオプションサービスですが、利用料金は540円/月とそれ程高くなく、mopera Uのオプション、ということで契約縛りがないので、とりあえずこれを利用することにしました。
私はmopera Uシンプルを契約しているLTEデータ回線にフレッツ接続オプションを適用。
利用料金は合わせて756円/月となります。


オプションの追加はMy docomoから可能で、申し込み後すぐに利用できるようになります。
ただしドコモ回線のオプションサービスだからかPPPoE接続のための認証情報はmopera U回線で接続した上で専用サイトで確認する必要があるのがちょっと面倒。
私はフレッツ接続オプションを適用したドコモ純正LTEデータSIMを挿したGalaxy Note 3で専用サイトにアクセスして接続IDとパスワードを確認、変更し、それをルーターに設定して準備完了。


さっそくスピードテストをしてみます。
まずは接続を切り替える前にmioひかりでスピードテストをした時の結果。

FTTHサービスの通信速度とは思えない相変わらずのクソ遅さぶりを発揮しています。
そしてmopera Uはというと…

1Gbps FTTHサービスとして不満のない通信速度が出ています。
その後時間を変えてスピードテストをしてみても、夜の時間帯に極端に通信速度が低下する、といった症状が出ることもなく快適に利用できるようになりました。
とは言えトップスピードでは下り600Mbps以上出ることもあったOCNに負けますが、実用的には十分過ぎる速度が出ているので全く問題なし。
ようやくまともな通信速度が出る自宅回線が戻ってきて何よりです。


これで無事mioひかりのクソ遅い回線から離れることができましたが、問題もいくつか。
当然のことではありますが、別ISPの料金が追加でかかってしまうためコストが嵩む、ということ。
とは言え私の場合はmioひかりに切り替えたことで以前より2000円/月近く固定ネット回線のコストが下がったため、フレッツ接続オプションの追加による540円/月のコストアップを十分相殺できているのでそれ程問題ではないですが、追加するISPによってはより大きなコストアップになる可能性もあり、デメリットであるのは確かです。
そして私のドコモ純正LTEデータ回線は来年4月が縛り終了月なので、来年3月までしか利用できないこと。
mopera Uのフレッツ接続オプションはあくまでmopera Uのオプションのため、利用にはドコモ回線が必要。
よってフレッツ接続オプションを契約しているドコモ回線を解約/MNPしてしまうと当然利用できなくなります。
とは言え私はドコモ3G音声回線も持っているので、それにmopera Uとフレッツ接続オプションを追加して接続を切り替えれば利用を継続することができますが、そのためにはパケット接続を使わない回線にmopera Uスタンダードを追加契約する必要があり、追加コストが1080円/月に跳ね上がる。
これでもまだmioひかりに切り替えたことによる固定ネット回線のコストカットで相殺できますが、上記の通りパケット接続を使わない回線にmopera Uスタンダードを契約するのはムダなのでちょっとなぁ、と感じてしまいます。
そして接続設定の確認にmopera U接続を利用しないといけないのでパケット料金がかかる(しかも3G契約なので非常に割高)、というのもあるのですが、これはここに情報がある初期設定用のAPNを利用すれば無料なので問題なし。
そう言えばmopera Uの初期設定については以前「私にとっての黒歴史機」SH-10Bのセットアップについて書いた時に説明していますが、基本的なところはそれと同じだったりします。
そしてドコモ自身が光コラボサービス(ドコモ光)を提供している関係上、mopera Uフレッツ接続オプションがいつまで提供されるか、というのも懸念材料。
ドコモとしては当然mopera Uフレッツ接続オプションを利用しているユーザーを「ゴミ」ドコモ光に乗り換えさせたい、と考えているでしょうから、いつサービスの提供が終わってしまってもおかしくなく、そういう意味では今後もずっと長期間使えるサービスとは言い難いですからね。


とりあえずmopera Uフレッツ接続オプションを今の契約で利用できる来年3月までの間に1080円/月以下で利用でき、契約期間縛りのないフレッツプランを単体契約できるISPを探すことにしようかと思っています。