先日セリアでこんなものを見つけました。
一つのUSBポートから2台のmicroUSB対応機器へ同時に充電/給電するための二股microUSB充電ケーブルです。
USB充電器の口を二股にするアダプター/ケーブルは以前から100円(税別)ショップでの扱いがあり、私も持っていますが、充電ケーブルは初めて見ました。
気になったので試しに購入してみることに。
今回購入したのはケーブルが白のものですが、黒もあります。
ケーブル長は20cmで、5V/2A給電にも対応。
Qualcomm Quick Charge(以下QCと略)3.0対応で5V/3A出力対応のUSB充電器を使い、5V/2A充電対応の機器を2台同時に充電すると出力電流が3A程まで上昇。
USB充電器を5V/2.4A出力対応のiPad純正充電器(12W)に変更すると電圧降下が見られるものの、これまた2.4A程の電流が流れます。
スペック上のケーブルの対応電流は2本の合計で2Aまでなので、このような状態で長時間使うのはリスクがありそうです。
試しに上記のQC3.0対応充電器を使い3A程の電流が流れる状態で機器を充電してみたところその際は特に問題はありませんでしたが、メーカーが推奨する値の1.5倍程の電流が流れるため絶対に大丈夫とは言えません。
言うまでもないでしょうが、このような条件での使用は「自己責任」ということになります。
そもそも一つのUSBポートからのバスパワー出力を分岐して複数の機器を充電、という行為自体が自己責任でしょうが…
そしてQC対応USB充電器とこのケーブルを使ってQC対応機器と非対応機器を一緒に充電すると後者に9Vといった電圧が流れてしまい壊れてしまうのでは、という心配をする方もいるかも知れませんが、このケーブルは「充電専用」なのでデータピンへの配線がなく、それ故QCは動作しないためそういったことはありません。
QCは対応充電器と機器との間でUSBのデータ線を使って通信を行い、充電する機器がQC対応であることが確認できて初めて5Vを超える電圧を流す、という動作をするためデータ配線のないUSBケーブルではQC対応であるかの確認ができず、それ故5Vを大幅に超える電圧で給電される、ということは起こり得ません。
この二股microUSB充電ケーブル、確かに便利ではありますが実用性としては少々疑問が。
スペック上の対応上限電流をきちんと守って使おうと思うと2台同時充電は5V2A出力のUSB充電器を使い、対応充電電流が1Aまでの機器に対して充電する用途でしか使えないことになりますし、108円で売るためのコストの関係なので文句を言うのは筋ではないでしょうが、ケーブル長が20cmというのも使いにくい部分があります。
とは言え20cmというケーブル長はモバイルバッテリーと組み合わせて使うにはちょうどいい長さですし、出力が5V2A一口のモバイルバッテリーから2台の機器を同時充電するといった使い方ができるので、私はバッグの中に常備しているモバイルバッテリーと一緒に入れておく用途に使おうかと思っています。
最後になりますが今回この二股microUSBケーブルを使ってみて一つ気付かされたことがあります。
それはこれまで私は給電を受ける側の上限電流が1.8A程なのだから、2.4A、3Aといった2Aを超える1ポート当たりの給電可能電流を持つUSB充電器って意味がない、と思っていましたが、この手の分岐ケーブル/アダプターを使えばその上限まで電流を流すことが可能で、性能をフルに活かすことができる、ということ。
そういう経緯と、じゃんぱらで980円と安かったこともあり上の画像にあるQC 3.0対応のUSB充電器(の色違い:白)を追加購入してしまいました。
実は一つ目を買ったのもじゃんぱらで、価格も同じ980円(ちなみにヨドバシでは同じものが2000円近くする)だったのですが…
とは言え上記のように一つのUSBポートからのバスパワー出力を分岐して複数の機器を充電、という使い方は本来想定されていないですから、もしそれでトラブルを起こしても自己責任ですが…
この二股microUSB充電ケーブル、追加購入したいと思い再びセリアへ行ってみたものの、数軒回っても見つからない…
とは言えこれはUSB Type-Cケーブルの時も同じでしたから、いずれ普通に手に入るようになるでしょう。
そしてミーツで売られている二股USB充電ケーブル(給電側がUSB-Aメス)も試してみたくなったので、今度買ってみようと思っています。