Rakuten Miniのここがヘン

楽天嫌いでありながら楽天モバイル(MNO)を契約してRakuten Miniを手に入れたわけですが、今回はRakuten Miniを使っていて気づいた変なところについて書いてみることにします。

 

ホーム画面の壁紙を変更できない

Rakuten Miniはアプリアイコンが六角形に並ぶ独自のランチャー(ホームアプリ)を搭載していますが、私は手持ちAndroid端末のランチャーをApex Launcher(Ver.3.3.3)に統一しているのでRakuten Miniにもそれをインストール。

そしてその後壁紙を変更しようとしましたが、なぜか変更されない。

システムテーマが「ライト」なら真っ白、「ダーク」なら真っ黒の壁紙が設定されてしまうのです。

ロック画面の壁紙は変更できますが、変更の仕方によっては壁紙が正しく設定されずこれまたシステムテーマに基づき真っ白や真っ黒の壁紙になったりする。

こんな挙動をするAndroid端末は初めてで、なぜこのような仕様になっているのか本当謎なのですが、恐らく標準ランチャーを利用することが前提で、それ以外のサードパーティーランチャーを利用することを想定していないのでしょう。

ユーザーが自由にランチャーを変更できるのがiPhoneにはないAndroidの利点なのに、それを潰してしまうとは何という愚行、としか言いようがありません。

とは言えホーム画面の壁紙を変更する技(いわゆるworkaround)がいくつかあるのですが、デメリットも存在するのでそこまでしてホーム画面の壁紙を変更することはせず、今のところは運用でカバーしようかと思っています。

 

5GHzバンドでのWiFiテザリングに対応するが、屋外利用不可のW52バンドが使われる

Android端末のWiFiテザリングには通常2.4GHzバンド(802.11b/g/n)が使われ、たとえ端末のテザリング設定に5GHzバンドの選択肢があっても利用できない(テザリングをONにしてもすぐにOFFに戻ったり、利用不可の旨のエラーメッセージが出たりする)のが普通。

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OnePlus 5TだとWiFiテザリングに5GHzバンドを使う設定にするとこのように「利用不可」と表示され、テザリングをONにしてもすぐにOFFに戻ってしまいます。

しかしRakuten MiniはWiFiテザリングで5GHzバンドを有効にすることができ、テザリングをONにすることもできます。

2.4GHzバンドは非常に混み合っているため通信速度が出ないことがあるのでこれは便利だ、と思うのですが、ここに落とし穴が。

5GHzバンドにはW52、W53、W56の3つの周波数バンドがあり、この内(日本で)屋外利用可能なのはW53、W56の2つ、よってW52は屋外利用不可です。

ところがRakuten Miniの5GHzバンド利用のWiFiテザリングではこのW52が利用されるのです。

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Rakuten Miniで5GHzバンドを利用する設定にしてWiFiテザリングをONにし、他の端末でそれを検出してみると…

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このようにW52バンドである48チャンネルが使われていることが判明。

据え置きWiFiルーターとは異なりWiFiテザリングは屋外でも利用されることがあるので本来であればW53またはW56バンドが使われなければならず、実際5GHzバンド対応のモバイルルーターだとそういう仕様になっているのですが、Rakuten Miniにはそういう配慮がありません。

これだと知らないうちに電波法違反行為をしてしまうことになりかねないわけですから、本来であれば5GHzバンドでWiFiテザリングを使えないようにする、もしくはW52バンドを使わない設定にしないといけないのですが…

よってユーザー側が5GHzバンドでWiFiテザリングを使う設定にしない、という対処をするしかないわけで、これは有り得ないよなぁ、と思ってしまいます。

 

exFAT非対応

exFATフォーマットされた64GBのUSBメモリーをUSB OTGアダプターを介してRakuten Miniに接続すると、接続されたUSBストレージに問題がある旨のエラーメッセージが表示され、フォーマットを促されました。

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それに従いUSBメモリーをフォーマットするとファイルシステムFAT32に。

そこでPCでUSBメモリーをexFATでフォーマットし直して再度Rakuten MiniにOTG接続し、エラーメッセージを無視してそのままそれにアクセスしようとすると…

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このようにFAT32にしか対応していないというエラーメッセージが出てしまいます。

初期のAndroid端末ならいざ知らず、今年発売の端末でexFAT非対応、というのは有り得ない。

内蔵ストレージが32GBで、microSDスロットもない端末なのでそれでも問題ない、という判断なのかも知れませんが、これはないよなぁ、と言わざるを得ません。

しかしそれを逆に利用し32GBを超える容量を持つストレージをFAT32でフォーマットするために使う、という利用法もありますが…

少なくともWindows環境では32GBを超える容量を持つストレージをFAT32でフォーマットしようとするとそれ用のソフトを使う必要があったりと面倒ですからね。

とは言え普通はそこまでしてFAT32にこだわる必要はなく、素直にexFATまたはNTFSでフォーマットすれば済む話ですから、あまり利用価値はないでしょうが。


データ通信アイコンが常に4G+表示になる

楽天モバイルは自社回線にLTE Band 3、パートナー回線(=au回線)にLTE Band 18/26を利用していますが、それぞれ1つのバンドしか利用していないのでキャリアアグリゲーション(CA)は行われません(少なくともRakuten Miniにおいては)。

それにもかかわらずRakuten Miniのステータスバーに表示されるデータ通信アイコンは本来あるべき「4G」表示ではなく、常にCA状態を示す「4G+」表示になるのです。

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そこでモバイルネットワーク接続状態の詳細を確認できるアプリでチェックしてみると、ステータスバーのデータ通信アイコンが「4G+」であっても実際にはCAしていない(できない)ので接続状態は「LTE」になり、表示が一致しません(そして接続している周波数バンドの表示が「-」になり、正しく表示されないのもあれ)。

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しかしCAできる端末、回線(ここではOnePlus 5T+UQ Mobile)でCA状態になるとこのように「LTE+」表示になり、ステータスバーのデータ通信アイコン(4G+)と一致します。

そもそもデータが流れないアイドル状態の際はCAせず「4G」表示で、必要な際にCAして「4G+」表示になるのが本来あるべき挙動であり、それをCAしていない/できない状態であっても常時「4G+」表示にするのは優良誤認を誘う行為でありやってはならないはずなのにこの仕様は一体…

利用バンドの関係上CAすることがないので正しくデータ通信アイコンを表示すると常に「4G」になるためCAできる他社回線と比べ劣って見えるから実際はCAしていなくても常時4G+表示を出すようにした、つまり優良誤認を誘うために意図的にやったというのが事の真相のような気がしますが、楽天のことですから有り得ます。

こういったことはモデムファームウェア次第でどうにでもできますからね。

となるとこのような仕様になっているのは楽天回線だけで、他社のeSIMを導入して楽天モバイル以外の回線に接続されている時のデータ通信アイコンはどうなるのか、CAするのか((私の)Rakuten Miniの仕様的にはドコモ回線でBand 1+19の2CCAが可能なはず。東名阪であればBand 1+3なども可能)といったことが気になるので試してみたいところですが、以前初期費用無料キャンペーンをやってたIIJmioのeSIMはキャンペーンが終わって普通に初期費用がかかるようになってしまったので安易に試せないのが…

IIJmioのeSIMについてはいずれ導入することになるので今導入してもいいと言えばいいのですが、個人的にはできれば初期費用が安い方がいいので再度初期費用割引キャンペーンが行われるまで待ちたいところ。

3HKのグローバルデータプリペイドeSIMも試すだけとしては意外と高いし(HK$138/10日)、この件に関してはとりあえず保留かな、と思っています。

 

といったことが私がRakuten Miniのここがヘン、と感じた点ですが、当然こういった問題点はファームウェア更新で修正されるべきだと思っているのですが

 

楽天モバイルに聞く「Rakuten Mini」開発秘話 なぜ自社ブランド端末が必要だったのか (1/3) - ITmedia Mobile

 

にあるように楽天モバイルは「Rakuten MiniにOSアップデートを提供する予定はない」と言っているので期待薄でしょうね。

って言うか購入後一度ファームウェアアップデートがあったのでOTAで更新したのですが、セキュリティーパッチレベルが購入時のまま変わらず同じだった(しかも古い)、という体たらくですから期待するだけムダな気がします。

5GHzバンド利用のWiFiテザリングで屋内専用のW52バンドが使われる仕様は電波法違反行為を引き起こす危険性があるので、これだけでも修正しないと問題なのですが…