L-03Eのバッテリー給電ケーブルを自作

L-03Eには搭載する大容量(3,600mAh)バッテリーをモバイルバッテリーとして利用する機能があり、そのための変換アダプターが付属しています。
その変換アダプター、形状がUSBホスト(USB OTG)アダプターに似ているので、試しにGalaxy Note GT-N7000に挿してみると…


通知エリアにハンドルアイコンが出現し、「Car mode enabled」というメッセージが出ました。
Xperia acro HDにも挿してみましたが、こちらは無反応。
つまりこのアダプターは単なるUSBホストアダプターではなく、MicroUSBコネクターの4番ピン(ID)と5番ピン(GND)が特定の抵抗値を持つ抵抗を介して短絡(ショート)されていて、それがL-03Eを給電モードに切り替えるトリガーとなっていることが分かりました。
そしてそれをGalaxy NoteはCar modeへ切り替えるトリガーとして認識したため、ハンドルアイコンが出た、ということのようです(この手の設定はメーカー、ガジェット毎に異なるため、たまたま抵抗値が合ってしまうとこのようなことが起きる)。
ちなみにUSBホストアダプターは上記2つのピンが抵抗なしで短絡されていて、それがUSBホストモードへと切り替えるトリガーとなっています。
そこでL-03E付属の給電アダプターの4番ピンと5番ピン間の抵抗値を測ってみると、618KΩ(オーム)でした。

それにより判明したL-03Eの電源給電アダプターの配線図。
この配線で給電側にMicroUSBオスコネクター、受電側にUSB Aメスコネクターを取り付ければL-03E付属の電源給電アダプターと同じものを作ることができるわけですが、それよりも受電側もMicroUSBオスコネクターにしてスマホを直接充電できるケーブルを作る方が有用。

その場合の配線図はこうなります。
受電側の2番ピン(USB Data -)と3番ピン(USB Data +)を短絡させていますが、これは充電する端末上でACアダプターからの充電として認識させるためにそうしているもので、絶対に必要なものではありません。


では実際にそれを作ってみよう、というわけでまずは抵抗を買ってきました。

抵抗は618KΩに近い値である620KΩのものを選択。

これを105円ショップで売られているコネクター部分が分解可能なMicroUSBケーブルから取り出した充電/データ転送対応MicroUSBコネクター(この手の自作のためにストックしておいた)に半田付け。

電源ケーブルを半田付けする前にまずこの状態で給電モードに切り替わるか確認。
このようにちゃんと切り替わり、事前に調べておいた配線でOKだったようです。

配線がOKであることが確認できたので、電源ケーブルを半田付けして…

受電側にもMicroUSBコネクターを半田付けして完成。
ケーブルの向きを分かりやすくするため、受電側のMicroUSBコネクターは白、給電側は黒としました。

さっそく充電を試すと、このようにちゃんと充電ができ、自作成功。
モバイルバッテリー経由の充電にシビアなiPhone 3GSもMicroUSB→Dockコネクター変換アダプター(from 105円ショップ)経由で充電できました。
付属の変換アダプターを使う方法に比べ配線がスッキリするので、L-03Eをモバイルバッテリーとして使う機会の多い人にはこの自作充電ケーブルはお勧めできます。
ただし電子工作のスキルがある人に限られますが…


ちなみに今回作ったL-03E直結給電ケーブルの材料費はというと…
MicroUSBコネクター:210円(105円x2)
抵抗:21円(MicroUSBコネクターに組み込めるような小型の抵抗は割高)
ケーブル:0円(手持ちのものを使ったので)
ということで231円でした。
純正の給電アダプターは630円なので、1/3近いコストで済みました。


最後にお決まりの注意を。
当然のことですがケーブル作成に失敗するとL-03E及び充電する端末を壊す恐れがありますから、配線を間違えないようマメにテスターで導通確認をする、隣のピンと短絡させたりしないよう半田付けに細心の注意を払う、といったことに気をつけて慎重に作業してください。
これまた言うまでもないですがケーブルの作成、使用は自己責任でお願いします。